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「為替について」/円安定着は動かず、金利が大きく動きにくくなった今は種々因子で5円、10円の動きをするのか、、、

今日4/6(木)のロイターの為替に関するコラムは参考になりましたのでご紹介します。

記事名が、「逃避通貨の興亡、日本円の復活なるか」というのは呼び込みで、記事中の結論は円は逃避通貨に復活しない、です。
現在から近い将来では、ドルが逃避通貨に近いと言っています。

そのあたりのことは別とまして、最近の為替

ですが、わたしの解釈も加えて述べます。
金利及び実需
金利が大きく動きにくくなっていることもあり、為替も大きく動いていません。日本の貿易収支が大幅な赤字を続けており、また経常収支も黒字とは言えかつての大きさは無く、円の実需は大きくないこともあり、円高のモチベーションは実需上は大きくない状況です。

原油相場
の影響もかなりあるようです。原油値上がりは米豪等の資源国の通貨高で最近は原油価格が反映されることも多いようです。この意味では日本は逆の立場で一層円安に振れる因子であるでしょう。

リパトリエーション
このリパトリエーションは日本から海外投資した収益の帰国処置といったものですが、昨年の大幅な円安時に外債投資の一部を円買い介入に使った額がかなりのものだったようです。昨年は1.5兆ドルが国内回帰したとのことです。
この場合も円高の因子ですが、円安時でもないと積極的には起こらないものでしょう。

株下落時の為替ヘッジ
これが今、意外に大きな因子になっているようです。
例えば、日本株が下落するとき、海外投資家はその為替ヘッジをかけており、日本株の下落と共に円高が進むというものです。
上記記事も、
「時価総額の3割ほどを保有する海外投資家の日本株投資の仮に3割が為替中立戦略と考えると、10%の株安で6兆円ほどの円買い戻しが発生する計算となる。」と言っています。
かなり大きな因子となることがわかります。

米国株の場合も、どうやらこの因子が大きいらしいということです。つまり、米株が下落するとき、米国以外の国からの米株投資家が、米株下落時のための為替ヘッジをかけており、ドル高が進むというものです。

これら、日本株下落時の円高、米国株下落時のドル高は、よく見ると最近よく起こっていることです。
為替が株を動かしているのではなく、株が為替を動かしているのが今の状況かもしれません。
この因子は見逃せないということがよくわかります。

米ドルが逃避通貨化している
現状は、有事ということも関係しているようですが、米ドルが逃避通貨化していると記事も書いています。
但し記事は、今後については巻き戻しがあるとも記しており、ドルが今後も逃避通貨状態であるかはわかりません。


以上、ロイターコラム記事を引いて、為替について整理してみたつもりです。
近々の金融危機の関係もあり、昨年などに比べると金利は大きく動きにくくなっているのは間違いありません。
ですので、大きな為替変動はあまりないのではないかと思われ、円安が定着していく可能性があるとは、これまでも本コラムで述べて来ています。
しかし、上記のような種々の因子を抱えていますので、情勢をしっかり見て為替動向を把握していく必要があると思います。

個人投資家の皆様にも、かく為替を把握し、投資活動に勤しまれますようお祈り申し上げます。






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