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「化学分野におけるAI,MIの活用について」まだまだ当分の間、効果あらわれず

創薬や材料科学の分野で、AI、MIがもてはやされて久しい。
萌芽から数えると10年以上にならんとしているが、まだまだ効果あらわれているとは言い難い。

これまでにも創薬関係の情報源としてお知らせした、

上記AnswersNewsで本日9/2付で興味深い記事が掲載されたので紹介する。

「現場的にどうでしょう」というコラムは毎度、優れた若手の関係者によるコラムで現場経験を踏まえた貴重な意見や捉え方を紹介してくれる。
今回は、AI創薬について論じている。
いわく、AI創薬のベースとなるデータ共通化やデータベース構築については、研究開発者の理解を得てようやく緒についてきて利用されつつあるというのは、効率化と改善の類の話として良いとと思う。
一方、もう一つの死活的に重要な課題、データを収集するための業務体系や評価体系の整備については、まだまだであるということだ。
この後者には、データベース構築における業務推進と評価についても含まれることかと思う。
そういう意味で、トップが後者の視点をもって取り組んでくれなければ文字通り、AI、MIなどは碌なものができないと言っているに等しい。
この点は非常に重要な点と思う。

また、私はもう一つ重要な観点として、AI、MIは研究開発の効率化は間違いなく可能であると思うが、ブレイクスルー発明や発見を要する研究開発にはおそらく適用不能だろうということである。

ここをどうするか、の議論を抜いたAI、MIの議論は私は不毛だと言いたい。
ブレイクスルー発明や発見を要する研究開発が誰にも行えることとは思われない。
誰でも行えることを効率的に行うことはもちろん利益追求機関である企業にとっては非常に重要である。

そのような本質的議論を是非ともトップが責任をもって行い、文字通りリードして、決して下々に失敗の責任を転嫁するようなことが無いようにしてもらいたい。
私の見るところ、トップが導入したがるのはただわからないものを一刀両断に単純化して自分たちが指図したいという意図が見え隠れする。
そんなことだけなら、いっそやめてもらいたい。

えてして、この主の義論で起きがちなことを辛口ではあるが、あえて述べさせてもらった。


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