
「一技術者が仕事の意義について考えてきた一側面 エピローグ8」/会社の歴史に通じることの大切さ 定年講演
本編(7)で私の勤める会社の文化や歴史についてお話ししました。
ここでどなたにも共通して重要なこととして申し上げたかったことは、自分の勤める会社の歴史に通じていることの大切さです。
普通に会社員となり、少なくともその会社で毎月の給料をいただくだけではなく、なにがしかの仕事をやり遂げようと考えている方、この会社で長く働いて有力な地位を得て会社に貢献しようと考えている方であれば、やはり勤めている会社の創業者やそこからの歴史に通じていることが非常に大切だと思うのです。
創業から軌道に乗るまでの間というのは、それは計り知れない苦労の連続で創業者(一人とは限りません)は、従業員に何を伝え、どう動いてもらい、或いは自らは動き、会社という組織を構築してきたのか、ドラマの連続と言って差し支えないのではないかと思います。
その中で、会社は将来に亘って、どうあるべきか、危機に際してはどういう考え方で乗り切るすべとするのか、等々の知恵が蓄積されてきているものです。
そして、その中で社是や、その会社の哲学が醸成されてきて、明文化されていたりします。
できれば、そういうものの背景も歴史事実に照らして理解しておくことが大切です。
そういうふうに、会社がある程度の歴史時間をもっていれば、そこにその会社の普遍則があるということになります。
そういうものを知っているのと、知らないのでは従業員としての仕事の質や捉え方から始まり、個人の成長が異なってきます。
少し、お説教調と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際どこの会社も似たり寄ったりそういう構造を持っています。
そういう部分を少しづつでも知り、学んでいくことをやはり私としてはお勧めしたい次第なのです。