「ソニーファイナンシャル尾河眞樹氏の論説:為替、景気(ロイター記事)」/円高、米景気腰折れ・・・日本人アナリストとしては比較的真ん中、参考になります。
ソニーファイナンシャルの尾河真樹氏が下記の論説をロイターに寄せています。
尾河氏の論点
1)6月の米国消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を下回り3.0%で逆CPIショックで137円台までの円高に振れた。
2)昨年11月にも同じように逆CPIで円高に振れ、年初は127円まで円高が昂進した。
3)6月の数値は、消費者物価は確かに収まってきたように見えるが、雇用指数や航空運賃の指数も意外に下がっていない。消費者の持つインフレ期待指数も先月を上回っていた。
4)3)から見てFRBはタカ派姿勢を続けるだろう。そのために一時的に円安に振れる可能性が有る。145円を超えることはないだろう。
5)米経済は、コロナ時の過剰貯蓄の掃き出しによってかなり好景気を維持している。21年8月時点で過剰貯蓄は2.1兆ドルあったが2年弱毎月850億ドル程度のペースで消費に回って来て23年5月末であと5000億ドル有る。
6)この過剰貯蓄が尽きるあたり今年10-12月期あたりで景気後退が予想される。
7)この予想のもと、10-12月期あたりにかけてドルが下落し、年末130円を予想しており、年初から予想を変えていない。
ということでした。
これに対して
日本の金融政策についてはほとんど触れていませんでしたので、どういう分析をしているのか、わかりませんが、年末130円というのは論の中身からすると比較的穏当なものと思いました。
考え方として、今の米国経済の分析として、中庸あたりをいっているように思いますし、この種のアナリストとしては好感が持てました。
見出しが一見、”いけてない”ので、それに引きずられると見誤りますが、野村證券、野村総研系と比べるとはるかに妥当な感じを受けます。
今後、少し気にして「尾河真樹氏」を見ていきたいと思います。
是非頑張って、良い金融情勢分析をしていただきたいと思います。