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「BSテレ東 『男はつらいよ』第二十作『寅次郎頑張れ!』」/若い良介(中村雅俊)、幸子(大竹しのぶ)と寅さん、藤子(藤村志保)の二スジの恋の物語
「寅次郎頑張れ!」
今作第二十作の「寅次郎頑張れ!」は、どちらかというと若い良介(中村雅俊)、幸子(大竹しのぶ)のカップルを応援するという意味での頑張れ!なのだろうと思います。
若者を応援する、という形
それ以前に、第一作で「さくら」と「博」の恋を寅が取り持つという形はありました。
しかし、その後、若者の恋を応援する、という形はこの第二十作でまた出てきたということになるんでしょうか。
第十七作の「寅次郎夕焼け小焼け」では、寅よりも年上の宇野重吉と岡田嘉子の恋と、寅とぼたん(太地喜和子)の恋を今作と同じように同時進行させていてす。そして寅とぼたんの恋を主軸にしながら、この二つの恋を実質的に二つながら成就に近い形で終わらせています。ここのところがこの第十七作の大きな魅力ともなっていて、第十五作の「寅次郎相合傘」に劣らぬシリーズ最高作との呼び声も高い「夕焼け小焼け」の核心になっていると私は思っています。
どちらかと言えば、良介(中村雅俊)と幸子(大竹しのぶ)との恋が主軸
しかし、今第二十作の「寅次郎頑張れ!」は、先述しましたようにどちらかというと、若い良介(中村雅俊)と幸子(大竹しのぶ)との恋が主軸になっていると思います。
ほとばしる、大竹しのぶの飛び抜けた演技力
それは、ひとつには、若い大竹しのぶの飛び抜けた演技力がほとばしっているからだと思います。
それは端々にほとばしり出るのですが、大きく見ると二つの名場面に収斂されるように思います。
一つは、デートで失敗したと思っている良介が幸子の店を訪れたとき。母が急病とわかり青ざめた幸子が秋田へ帰ろうとするところに、思いつめた良介が「幸子さん、僕とけ、け、結婚してください!」と告白する、幸子は思わず「なしてこんな時に、そういう事いうの?」と大きな目をぱっちりと空けて目一杯に涙ぐむ、、、、、、
もう一つは、母の手術が成功して東京に戻ってきた幸子が、良介のいない”とらや”を訪れ、”とらや”にお土産を渡した後、良介に、と特別なお土産を出したあと、さくらに良介が幸子に失恋したと思いこんで帰省したと聞いたときの、大竹しのぶが「わたし、、わたし、、、、」と泣きくずれるそのさま、、、、
そして、いつものように寅の優しさは恋と思われず、、、
そして、藤子(藤村志保)の目には、弟の良介を思うゆえに寅の恋にはこころの窓が無く、、、
結局、平戸まで、藤子を送って帰京した寅は全てのお金を失い、恋も失いまた旅立っていく、、、、
まあ、これは予定調和すぎるところで(私が言うのも変ですが、普通なら藤子に気持ちを伝え求愛して心の窓を開かせます、、、)、、、、