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小学校と学習塾の決定的な違いは? ~自分事として捉えることの大切さ~

先日、娘を学習塾へ入れるかどうか悩んでおり、ある学習塾の保護者説明会へ行ってきました。

私は教員であるので、

「塾ってどんな教育をするのだろう?」
「塾の先生って、どんな感じなのだろう?」

娘を学習塾に入れるかどうかよりも、仕組みや教育方針、学校教育との違いについて興味深々でした。

保護者説明会を経て、私が考えた小学校と学習塾の決定的な違いは

中学受験があるかどうか

この1点に尽きます。この学習塾では、

テストは自分の苦手な部分やこれから学ぶべき項目を見つけるためにするのだ

と説明していました。だから、点数が高いか低いかは、関係ないのだと…

確かに、中学受験で合格するためには、1点でも多くの点数を取らなければなりません。テスト結果に一喜一憂するのではなく、間違いをどれだけ減らせるかが大切です。中学受験に合格しなければ、これまでの努力は水の泡なのですから。やり直しもできません。人生で一度きりの一発勝負です。

大きな目標のために、テストでの間違いを素直に受け止め、次の学習へと活かすのでしょう。

我々小学校教員も、テストでの「学び直し」を大切にします。テストの間違いをやり直して、次は間違えないように復習することを当然のように課します。

しかし、現実はそう甘くはありません…

子供達の中には、100点の子もいれば、50点に満たない子もいるでしょう。そんな中、テストの学び直しを一斉にすることは難しいのが現状です。

1問ずつ解説しても、100点の子は退屈でしょうし、50点の子は解説を聞いても頭の中で??はてなマーク??が広がっていることでしょう。

だからと言って、教え合い、学び合いを子供同士でさせても、恐らく答えを教えて終わり。50点の子は、そもそも学習へのモチベーションが低いことが多いです。

「テストなんてどうでもいい!」

なんて、考えている子もいるでしょう。

小学校は受験という明確なゴールがない分、スモールステップで達成感を高め続けなければ、学習のモチベーションは保ちづらいのです。

何も言わなくても自ら学ぼうとしてくれればいいのですが、全員が「勉強大好き!」なわけないですよね💦

間違いにフォーカスするよりも、テストでいい点数を取れるように指導し

「やればできるじゃん!」と、学習への主体的を高めることが先決だと考えます。私は学級担任時代は、テストに出る問題を予めチェックしておき、練習問題で類似問題を作成して解かせていました。子供たちは、お世辞にも学習に対して主体的な子供ばかりでなかったので、テストの点数が低いとモチベーションが一気に下がっていたんですね。だから、テストの点数が上がるようなフォローを入れておき、「できた」を大切にしていました。

すると、漢字50問テストの前などは、点数を上げたい一心で自学ノートにみっちり練習してくる子が続出し、クラス平均90点以上をたたき出したこともあります。もちろん、出題する漢字を自学ノートに練習できるよう、プリントしたものを配付し、それを貼り付けることで、自学ということにしていました。

いずれにしても、結果を出さないと、その後の過程の大切さに気づけない子供が多いというのが私の持論です。

それでも、中には、このような子供がいました。

「別に、俺、バカだから勉強なんてできなくてもいいや。」

この子は、勉強から逃げているというよりも、勉強を自分事として捉えられていないから学習に対して消極的なのではないかと考えます。

陸上の世界で、こんな話を聞きました。ウサインボルトが、世界記録を大幅に上回る新記録を出した時、欧米やアフリカの選手の記録がその後大幅に増えたそうです。しかし、日本をはじめ、アジアの選手の記録には、全く影響がなかったのです。

なぜなのか?その理由は、ウサインボルトと日本人は、体のつくりがそもそも違うから、関係ないんだと捉え、他人事でしか考えられなかったからだそうです。

自分事として捉えた欧米やアフリカの選手は、記録が大幅に伸びたのです。

この話を聞き、子供も、「自分事」として捉えることで、モチベーションを高め、自ら努力し、成果を出そうと主体的に取り組むことができるのだということが分かりました。

学習塾は、中学受験という絶対的なゴールがあり、自分事として捉えることができます。中学受験しないのなら、学習塾へそもそも入らないでしょうし、無理と思えば辞めればいいのです。

この学習塾の子供達の平日の平均学習時間はなんと4時間…!
勉強合宿では、10時間以上も学習に取り組むのだとか😳
私は、大学受験でもこんな時間を学習していませんでした💦

絶対的なゴールがあるということ、学習を自分事として捉えられているということは、ここまで子供を学習へと導くのかと驚きました。

学校教育は、多種多様な子供、家庭、境遇の子供たちが通います。その分、デリケートで柔軟な指導計画、指導実践が求められます。だから、難しいのです。学習を自分事として捉えれいないのに強制すれば登校渋りや不登校になるかもしれません。だって、学習塾のように、辞められないから、その代わりに学校に足が向かなくなるのでしょう。学級の荒れや学級崩壊という最悪の状態に陥ることも考えられます。

中学受験という明確で絶対的なゴールがない以上、毎日の学習で分かった、できたを増やし、定期的なテストを目標にもたせ、スモールステップで成長を実感させることで、学習へのモチベーションを高めていくしかないのです。どうしても学習に対して抵抗感や苦手意識がある子供のために、特別支援的な支援や手立て、通級指導による個別指導があります。

私は小学校教員として、通級指導教室担当として、学習を自分事として捉えることができるように努力しなければならないと思うようになりました。

自分事として捉えることは、学校でも、学習塾でも、陸上でも同じなように、どの世界でも同じだと思います。自分事を意識してこれからの生活に生かしていこうと思いを新たにしました。

皆さんの参考になれば、幸いです。
今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださりありがとうございました。

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