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ネタ勢の誕生とマイナー使いとの出会い


◾️攻撃不可

「弱ェえ……」

「ですね」

 後輩のゾロに成す術無く崩れたのは、整髪料でビシッと髪を整えた銀色背景のイケオジだった。

 家に眠っていたパーツを集め初のマイナーリーダーとして組み上げた魂のデッキ。仮組みの時は内心イケるのでは? と思っていたが、現実はそう甘くは無かった。

 アタック出来ない制約の代わりに1ドンマイナスで5コストを踏み倒せる性能を持っている。効果だけを見れば一見破格にも思えるが、対象キャラはガレーラカンパニー縛り……それ故に出せるカードが乏しいのが現状だった。

 当然ガレーラのみで構築は不可能。ともなればドンにちなんだカードを選択するのがベターである。
 結果として5キッドを立てつつ、ドンマイナスを帳消しにしながらキャラを展開し、5クイーンや4レイジュでリソースを稼ぐといった形をとった。

 シンプルに強い紫のカード入れただけ定期。




 さてガレーラカンパニーのキャラだが、ココロ、ガレーラカンパニー(ステージ)、カク、ルッチ、パウリー、カリファは4積みで間違い無いだろう。対象が少なければせっかくのリーダー効果は飾りとなってしまう。

 ただしルルやタイルストンは効果の即時性から採用を見送っていたのは内緒(強いんだけどね)。

 やはり全てのカードがもう一声感を拭えない。これはどうしようも無い問題だと割り切った。

※当時は2023年年末の為、5カリファ、ブルーノ未実装。

 初手でガレーラカンパニーを握れていないと後半のドン不足に悩まされる他、当時は赤デッキにそこそこジェットピストルも採用されていた為、縦置きで出したキャラも処理されてしまうという悲劇。理想に理想を重ねた先にある未来さえ、薄氷の上を歩くに等しいのはあまりに残酷な天使のテーゼ(?)


 閑話休題



 アイスバーグの勝ち筋として

①後攻
②初手ガレーラカンパニー
③キッドと社員の均等な手札配分(理想はパウリー1枚は欲しい)
④相手の下振れ

 つまりは相手の欠損を祈りつつ、相手のキャラ展開を凌駕する勢いでキャラを並べ、ドン加速をしつつパウリーで相手のキャラを取らなければならなければ勝ちは薄い。

 書いていて改めて思ったが、非常に厳しいものである。


 そしてアイスバーグにはもう一つ、大きな欠点があった。



 ーーーーそれは、大型の採用枠である。


 一昔前の紫の大型を思い浮かべて欲しい。

 今では9マム、9ルフィと比較的、使いやすいカードがいくつか上がるだろう。

 だがしかし、当時の紫の大型と言えば9カイドウ一択と言っても過言ではなかった。

 登場時の5ドンマイナスは痛いが、6コストまでを除去しつつ速攻持ちは高スペックなのは間違いない。

 しかし、そんな彼はサーチも効かず、素引きを要求される上にガレーラカンパニーを4枚積んでいる都合上、序盤に腐る札は諸刃の剣と言えるだろう(実際手札で嵩張って苦しんだ記憶)。

 2枚か3枚、その採用枚数を悶々と考えつつ、後輩の理想ムーブをかます後輩の赤ゾロデッキを羨ましく見ていた。
 サーチが打点上げて殴ってくるの最強じゃんね?

「もう変なこだわり捨ててカタクリに戻りましょうよ?」

「うるせェ……」

「というか何でアイスバーグなんです? アタック出来ない縛りならレベッカとかーーーー」

「レベッカは結果出してるだろ」

「まぁそうですけど」

 出た当時はアイスバーグの仲間だと思っていた彼女だが、青黒のコントロールデッキとしてCSで優勝成績を叩き出していた。

 当時のワンピースカードでデッキを一巡させるという概念に大変驚かされたが、山下に戻したカードを覚えたりと、コントロールデッキとしての扱いは非常に難しい部類なのは言わずもがな。

 アタック出来ない代償は優秀なドレスローザのキャラやステージにより補填され、ビジュアルのスペックを含めてアイスバーグを圧倒していた。

「そう言えば先輩、イッショウも作ってましたよね?」

「ん? ああ、あるぞ」

「そっちのが可能性あるくないですか? 勿論、海軍としてはサカズキのがダントツで強いですけど」

「言うなよ、好きなんだよイッショウ」

 己の意思を貫く盲目の武人。ワンピースの中でもトップクラスで好きなキャラだ。

「あー……なんかアイスバーグも似たような理由でしたね」

「アイスバーグ舐めんなよ、いつもボコボコにされてるけど、あの人は職人としてホンモノだからな」

 作中では包帯姿が目立つ彼だが、造船所を取り仕切りつつ市長という立場を担っている超人だ。もし日本に存在していれば、国を担う存在だったかも知れない。

「俺たちと同じモノづくりをしている人間だ、愛着が湧くのは当然だろう?」

「いや漫画の話とリアルじゃピンと来ませんて」

「甘いな、もう一回エニエスロビー編読み直してから出直せな?」

「先輩が僕に勝てたら考えますね」

「……ヤロウ、言うようになったじゃねェか」

 10歳ほど歳下に良いように言われてムキになり、再戦を挑んでまた負けた。


◾️ネタ勢としての覚醒

 勝てない。

 アイスバーグ(たまにカタクリ)を握りながらスタバに参加しているが、やはり勝率は振るわずといったところ。

 たまに分からん◯ろしという初見だけに通じる対面もあったが、安定した勝ちは遥か彼方といった所だろうか。

 実力のあるプレイヤーでない事は自負しているが、それでもカジュアル勢としてワンピースカードが大好きだ。これは揺るがない。

 強くなくても楽しみたい。リモートもやってみたい!

 ここでようやく、SNSでワンピースカード好きと繋がりたい衝動に駆られた。

 そんな中、ふとしたきっかけでむかし絵を齧っていたのを思い出し、気分転換にローとナミを描いてみた。これでワンチャン、ワンピース好きな人と繋がれるのでは?


 思い立ったら 即 ⭐︎ 行 ⭐︎ 動 !


 ブランクはあれどそこそこ描けるなぁと自画自賛していると、突如、自分の中でピシャッと何かが降りてきた感覚に陥った。

参考:たぶんこんな感じ(死ぬ)


 「ワンピースカードのあるあるネタ、描けばイイんじゃね?」

 ずっとワンピカをプレイしている中で、プレイ中に悶々と色々な事を考えていた。

 戦略的な事もあるのだが、場に出ているカード(主に原作ネタ)で、例えばサンジは女性キャラにアタック出来ないだろうなーとか、ガープがルフィにアタックする時に拳骨しているイメージなど……。

 後は内心、相手にこのカード出されたら詰む! みたいなのもありませんか?

 これは最初に描こうとしたネタですが、赤緑ローを使っていた時、4ルッチに小型を二面取られた時の悔しさは計り知れず……

 絶対に出てくるな! と、心の奥で渇いた叫び(東映版 遊戯王主題歌)を上げていた。

 ※ぜひ世代に刺され!

 試しにそれをイラストにしてみて投稿したのがコレ。


これがバズった(はず……)

 Twitterは殆ど見る専門だったので、フォロワーも100人いるかどうかの世界だった当時。

 しかしこのネタがロー使いの方の目に止まったのかフォローして下さる人が沢山おり、感謝と困惑と1/3の純情な感情が空回りしつつ、僅かな手応えを感じた。

(これは……ワンチャン、ワンピカやってる人と繋がれる武器になり得るのでは?)

 そして承認欲求モンスターが目覚めた僕は、頭の中にあるネタを全て吐き出すという暴挙にでる事に。

 リアルに1日に1〜2ネタ、ネタが枯渇するまで1ヶ月間ほど投稿し続けた。

 とにかく描くこと優先にしていたのでクオリティはご愛嬌。1ネタ30分くらいで仕事の合間にスマホで描いて投稿を続けた。

 因みに上のローとナミ含めて、タッチペンではなく指で描いてます。これは今も健在(なんか自分では描きやすい? 気がしてます)で、思いついたらすぐにラフを描くようになりました。

 特に最後のサカズキとボルサネタはジェッピケアの大切さ故か、かなり反響をいただきーーーー


 気が付けば1ヶ月でフォロワー1000人に迫る勢いで増えたのを記憶してます。🙏


 大会実績もない自分が輝ける分野として、ワンピースカードのネタ勢としての原型が生まれた瞬間だった。


 そんな中、面白そうな人だなとフォローした人が1人。

 ジャンゴをパチスロに沈めた様なアイコンを見た時、他の方とはナニかが少し違う……早い話が違和感(先バレ赤)を覚えたのを記憶してます。

プライバシーの観点からモザイク(雑)


 ワンピカに限らず、他のカードでも面白い構築でプレイしている方だと分かった矢先、なんと地元が同じだと分かった。

 ありがたい事にDMをいただき、地元に帰ったタイミングでフリー対戦をする事が決定。

 SNSで知り合った人と会うのなんて何年振りだろうか。若い頃(10代)、会えそうな子にアグロDMしていた事を思い出しつつ、マイナー使いと合間見える日を待つのだった。


次回【藤虎、襲来】


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