Snow Manにみる「公私の間」の活動と透明性

Snow Manにはまってみて、令和の「アイドル」は昭和や平成のそれとは大きく変わっていることをつくづく実感しています。

といきなり大きくでてみましたが、わたくし実のところ60年の人生を通じて、アイドルにはまったことがほとんどないのです。なので、あくまでもこれは「素人的傍観者」としての印象なのですが、一言でいうと、令和のアイドルって、いい悪いではなく(私個人としてはとてもいいことだと受け止めていますが)「アイドルは職業で、それ以上でもそれ以下でもない」という割り切りがきっぱりしているなあという感じがします。公私がちゃんとわかれているというべきか。アイドルに命かけてないというべきか。

SNSがこれだけ普及した昨今、「私=プライベート」をひた隠すのがほぼ不可能、ということも大きく関係しているとは思いますが、アイドル本人たちの意識と行動も、昭和のそれとはだいぶ変わってきているのではと感じます。

そして、「アイドルの公と私」という観点でSnow Manを見ていて、彼らには公私の間に新たな領域があるんじゃ?、と最近(というかここ数か月)思えてきました。たとえば「公」が公的な肩書き=アイドルで、「私」が個人のプライベート=アニメオタクだとかカメラ小僧だとか、として、両者の間にさらに「公と私の間」という第三の領域があるのでは、と。

ここに入るのは、メンバー個人が好きでやっていること、またはメンバー個人の肩書きなんだけど、公的な肩書き=Snow Manというグループの活動に貢献すること、みたいなものたちです。

例をあげましょう。あくまでもこれらは一例です。

筋トレスペシャリスト
パリコレモデル
気象予報士
アニメ声優

書いてみて今さらながら改めて、Snow Manって、振り幅とバリエーションがハンパないですね。パリコレのランウェイ歩くモデルと、気象予報士と、アニメ声優と、さらにはSASUKEやる人とか月9やる俳優とかマッサマンがいるグループって。いったいどうなってるんだろうか!?

でも私は、この「公私の間」の活動こそが、彼らが売れていて、なおかつグループとしてどんどん拡大成長をつづけている秘訣なのでは、とみています。

ひとつは、これらの活動がすべてグループに還元されていること。

たとえば筋トレスペシャリストは、激しいダンスをしてもカラダを傷めない筋肉作りやリカバリー方法などについてメンバーにアドバイスできるでしょうし、パリコレモデルは、ライブコンサートなどにおける効果的な演出や見せ方について、レベルが高い提言ができるでしょう。

それぞれの活動において、リーチするターゲット層がまんべんなく分散していて、さらに新たな客層開拓につながっているのもマーケティング的に賢いところ。(例:SASUKE=メンズ、マッサマン=こども、気象予報士=ファミリー層、パリコレモデル=海外)。各自の活動により、今までSnow Manに興味がなかった層の認知・興味を獲得することができ、新たなファン層の拡大へとつながっていくのはまず疑いのないところです。

ふたつめは、「公私の間」の活動を透明性高く、というかもはや「まるみえのガラス張りの透明性」でファンにまんべんなく開示することで、「公」のアイドルとしてのSnow Manの変化とか、この先めざす方向性について、逐一かつ段階的に、ファンの理解を得ていっていることです。

たとえば単に「おれたちビッグになるぜ!」「もっと高いところを目指すぜ!」と漠然と夢だけ語られても、(私が勝手にイメージする昭和のアイドル風のセリフを書いてみました)ファンからしてみると、「大きなことってなに?」「高いところってどこ?」と、ややもすると置いてきぼりになっちゃうと思うんですよね。

でもSnow Manは、「公私の間」の活動を通して、自分たちが目指す方向性みたいなところを見せてくれ、さらに、各種SNSを通じて驚くほどきめ細やかにフォローしてくれ、さらにその行動の一部始終を惜しげもなく見せてくれます。

ファンからすると、彼らの変化の過程を、直接彼らの言動から見たり知ることができて、さらにグループとしてのSnow Manがどういう方向を目指しているのかについてもかみくだいて理解することができるので、高い納得感が得られると思うのですよね。

「なるほどもっと高いところってこういうことなのね。だから今(アイドルとかけ離れたふり幅の活動だけど)このメンバーがこういうことをやってるのね。オッケーわかった、じゃあ自分らもそこに向けて全力サポートするわ!」みたいな図式なんじゃないでしょうか。Snow Manというグループは、高い透明性が求められる令和の時代にとてもマッチしていて、だからこそ売れているのだろうと私は見ています。


前にSnow Manとファンの関係性を会社と株主にたとえたことがありますが、最近は、むしろファンのみなさんはSnow Manという会社の「社員」なんじゃないか、と思うようになってきました。

社員がこれだけの熱量をもって会社を愛し、目指す方向性を理解した上で全力で貢献してくれたなら、その会社はものすごいドライブ感で成長しようというものです。

そりゃあ売れるわ。いやホントに知れば知るほど奥深い。

まだまだこの会社、もとい、Snow Manというグループへの興味は尽きることがありません。なんたってこの先の未来について語るメンバー9人がめっちゃ仲良しで楽しそうなんですもの。そりゃ全力応援しちゃうよね!


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