徒然物語53 機械音痴

(ここまではOKなはず。面接官は聴く姿勢を大切に。
相手を引き出すことを心掛けて…)
「ありがとうございます。あなたが弊社を希望した理由はよくわかりました。それでは次はあなたの長所と短所を教えてください。」
 
「はい。まずは長所ですが、何事にもあきらめずに取り組む粘り強さだと思っています。学生時代はテニス部に所属し、苦しかった練習を仲間とともに乗り越えてきました。」
 
「わかりました。続けてご自身で短所だと思っている部分についてお話しください。」
(しまった。長所についてもっと突っ込んだほうが良かったかしら…)
 
「はい…申し上げにくいのですが、PC操作が苦手です。
タブレットも得意ではありません。
…逆に質問をして恐縮なのですが、御社で働くにあたり、電子機器を扱う能力はどれくらい必要でしょうか?」
 
(きた。求職者側からの逆質問。これにうまく答えれば、内定後の入社率がアップするはず!落ち着いて答えるのよ。私!)
「そうですね。基本的な文章作成やプレゼンテーションの作成、配属部署によっては表計算が必要になる場合もありますので、今から学習するのをお勧めします。
ですが、弊社は新入社員を、入社後の基礎研修と配属後のマンツーマン指導者で丁寧に指導する方針ですので、あまり心配せずとも大丈夫かと思います。」
(よし!完璧な回答…のはず。)
 
「それを聞いて安心しました。
実は私って機械音痴で、普通に使っていても、なぜかスマホは半年以内に故障しますし、大学のPCは3台も起動不能しました。
機械との相性が悪いんですよね。
アパートのエアコンもリモコンの調子が悪くて動かないし、テレビは予約したのが撮れてないし、DVDは出てこないし、Wii-Fiiはすぐに切れるし。
こんな機械音痴の私も手厚いご指導がいただけるということですね?」
 
(…ええ~っ!?それはもはや機械音痴というより呪いでは?)
「そっそうですね。指導はできると思いますよ(直るかは別の話ですが)。
いっ以上で面接は終了します。
選考結果は改めてご連絡しますので、よろしくお願いします。」

(もっと聴いたほうが良かったのかな?
それにしても求職者の方って千差万別。面接官ってホント-に難しいわ!)
 

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