徒然物語85 ガガンボの不思議
夏の夜、網戸にくっついている”あの虫”。
体は細長く、足も糸のよう。
飛んでるのか、風に煽られているのかわからない、あの虫と言えば…
そう、『ガガンボ』だ。
この季節になるとよく見かけるようになる。
「あっパパ。ガガンボ!」
小1に上がったキナ子が笹の葉に止まった奴を見つける。
その時初めて、このか細い虫が”ガガンボ”という名前であると知った。
どうやらこの虫の成虫は10日間程度しか生きられない。
蚊に似ているが、血は吸わず花の蜜を好む。
四肢はもろく、散りやすいようにできている。
その為、食品工場では異物混入の原因として恐れられている。
わずか1日でガガンボの生態に詳しくなってしまった。
なぜか。
不思議なことに、その夜暇つぶしに開いた動画サイトの、
「あなたにオススメ」が、
一面ガガンボに関連するものになっていた。
さながらガガンボ特集だ。
確かにあの時も携帯は持ち歩いていた。
けれど、触れていないからスリープ状態だったはずだ。
なので、私と娘のガガンボに関する会話を、この携帯が知っているはずはない。
なぜスマホがガガンボ特集を始めてしまったのか?
不思議で仕方がない。
娘の声を携帯が収集していたとでもいうのか?
そんなわけない…よな?
う~ん、謎は深まるばかり。