徒然物語96　爆弾処理

ここまではスムーズに事が運んだ。

そう、恐ろしいくらいに。

今になって思う。

スムーズ過ぎたと、

罠があるのではないかと。

そう考えるべきだったんだ。

最期の２箱。

一方は爆弾入りで、もう一方は空箱。

爆弾を処理し、空箱を開け放てば、おれの役目は終わる。

任務完了という訳だ。

スムーズに事が運んでいる時こそ、油断すべきではなかった。

どうやら気付いた時には既に遅かったようだ。

最後の最後でとんでもない2択を突きつけられたのだ。

ヒントはない。

確率で言えば五分五分。

冷たい汗が首筋をゆっくりと伝っていく。

それとは裏腹にタイムリミットは刻一刻と迫ってくる。

俺に残された時間は少ない。

どうやら、決断の時が来たようだ。

右の箱か、左の箱か…

神様！どうか俺に加護を！

ポチ

バーン！

あちゃ～爆発しちゃったよ…

ここまで頑張ったのに。

残念。

それにしても、時間制限のある『マインスイーパー』ってなんでこんなに面白いんだろう。

思わず半日楽しんじゃったよ。

さてと。

保育園にお迎えに行かなきゃ！