ステラおばさんじゃねーよっ‼️79.家族アルバム〜ガチスゴ豪邸
👆ステラおばさんじゃねーよっ‼️78.契りの日 は、こちら。
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ポーちゃんとひかりの結婚式が無事に終わり、ふたりは都内で一等地と呼ばれるエリアへ新居を構えた。
新居敷地内の広大な土地には、ひかりの生活を幼少期から支える給仕の老婆やお抱えシェフらの新居も用意し、一緒に引越した。
当面千馬城市のひかりの実家は、別荘として使用される予定だ。
ポーちゃんとひかりの新居に、4人はお呼ばれをした。
4人のうちの1人は、若森だった。
カイワレ宅で催された、ふたりの結婚祝賀パーティでの若森のコナモンの焼きっぷりとその味わいと酒の飲みっぷりに、ポーちゃんとひかりは若森にとても心酔し、好感を抱いたからだ。
ふたりの結婚披露宴後に有志が開いた結婚パーティにも若森はふたりに招かれ、参加していた。
「うわぁ、ガチスゴ豪邸!」
邸に入るための巨大な門扉がゆっくりと開き、歩がぽかんと開いた口元に手を当て、初々しい驚きを見せている。
1年前の自分を見ているようだな。
と歩を振り返り、カイワレは邸に続く舗道を進みながら、ふと1年前の【母さがし】の事を思い出す。
カイワレの【母さがし】の背中を強く押してくれたのは、ポーちゃんとひかりだった。
ふたりはカイワレの【母さがし】に対し、常に献身的サポートをし続けてくれたので、カイワレ自身くじけずにいられた。
今こうして母と妹と一緒に暮らせているのは、ふたりから贈られた奇跡なんだ。
そう思うと、ひかりとポーちゃんへの感謝の念が、カイワレには事ある毎に湧き起こってくる。
知波と若森は一定の距離を保ち、カイワレから少し離れた所で、笑顔で立っている。
一番に到着したカイワレは、神林家の玄関のチャイムを鳴らした。
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「いらっしゃい!」
玄関の扉が開くと、左右に置かれた天使の彫像の隙間から、ポーちゃんとひかりの笑顔が飛び込んできた。
ふたりは、4人を邸の中へあたたかく迎え入れた。
天使を横目に見ながら4人は、できたてほやほやの白亜の豪邸の中へ案内された。
この新居は、ひかりの実家の3倍程アップグレードした広さだった。
玄関の左右から真ん中で交差し、さらに上空へと連なる螺旋階段は、5階フロアまで続いている。
そして螺旋階段が交差した中央奥には、ガラス張りのエレベーターが設置されていて、天窓から降り注ぐ光にきらきらと輝いている。
玄関を入り少し歩くと左手に、リビング入口となる真っ白な観音扉が見えてくる。
その扉を開くと、81㎡(50 畳)のラグジュアリーなリビングが広がり、客人を招き、簡単なパーティを開催できるよう贅沢に設計されている。
ダイニングテーブルも実家同様、厚さ20cmもの重厚な大理石板、一枚造りのものだ。
テーブルの上には白いクロスが敷かれ、豪華なお皿、グラスやカトラリーが既にセットされていた。
「みなさん、どうぞお掛けになってください」
ほほえむひかりは、着席するよう4人を促した。