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ステラおばさんじゃねーよっ‼️69.カゾクノカタチ〜はじめる家族

👆ステラおばさんじゃねーよっ‼️69.カゾクノカタチ〜ママの子? は、こちら。



🍪 超・救急車


「つまりわたしとたい兄は、父違いの兄妹(きょうだい)で、ママから産まれたって事で間違いない?」

「はい、間違いありません」

知波の返答に、カイワレは即座にフォローを入れる。

「そうだね…。でも俺がそれを知ったのは、つい1ヶ月前くらいの事なんだ。歩ちゃんの受験もあったし、すぐに報告できなったのは謝るよ。ごめんなさい」

カイワレは歩に頭を下げた。

「太士朗さんが謝る事じゃないわ。すべてわたしが悪いの…歩、ごめんなさい!」

知波も歩に頭を下げた。

「ふたりから謝られても…あたし、どう反応したらいいかわからないよ。とにかく今、あたしに家族のかたちを伝えるタイミングになった、というのは、理解したよ」

歩は案外冷静だった。

「けどわからないのは、2日前にママが警察に連れて行かれた事かな。今、話してくれた過去とは無関係なの?」

カイワレと知波は、顔を見合わせた。

「さっき小鳥遊さんから聞いたのは、知人が不審死だったようでね。それで事情聴取を受けていたんだって!だよね?」

「そうなの。わたし、その方と数日前に電話してて、着信履歴で怪しまれたみたい…歩、急に心配かけてごめんなさい」

歩は解せない顔をしつつも、

「うん、わかった。とりあえず、ふたりを信じるよ」

と小さくうなずいた。

⭐︎

3人は、しばし沈黙した。

《家族のかたち》は、さまざまだ。

そしてこの3人は、これから本当の意味で、その《かたち》を探し、造っていかなければならない。

知波がようやく声を発した。

「あのさ、この家を売って、引っ越して…3人で暮らさない?」

カイワレと歩は、知波を見た。

「知波さん、今の病院はいいの?」

「もう充分勤め上げたし、引っ越し先でも看護師なら近くの病院で働けるし、ね。それに、歩の通学時間の事も考えていて。だから今回の事がなくても、うっすら引っ越しは考えていたの」

「もしそうするんなら、たい兄も一緒に住もうよ」

歩がカイワレを見てまっすぐに言った。

「そうだね…。でも、いいの?歩ちゃんとママの中に入って」

カイワレが気弱に伝えると、歩は力強く、

「だってあたし達、家族なんでしょ?今からはじめる家族、なんでしょ?」

と歩は大人びた、やさしい発言をした。

そして知波はカイワレをチラリと見、カイワレは歩をしっかりと見、歩は知波をやさしく見ていた。

この瞬間、この 3人での《家族》が、はじまった。

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