ステラおばさんじゃねーよっ‼️51.風呂敷包(ふろしきづつみ)
👆ステラおばさんじゃねーよっ‼️㊿遺書 は、こちら。
🍪 超・救急車
葬儀を終えた数日後。ーーー
聖が遺言で提示した貸金庫の【何か】を受け取るため、《池坊フラワー銀行》本店の受付窓口に、カイワレはいた。
窓口では、貸金庫の代理人開錠に必要な書類に記入したり、さまざまな書類を提出し、手続きをしなければならない。
確認にしばらく時間がかかると案内があったので、待合ソファでカイワレは軽く居眠りをした。
⭐︎
「お待たせいたしました。大根 様、河愛 聖 様の貸金庫へご案内いたします」
愛想笑いを張りつけた男性行員が、カイワレの目の前に立っていた。
「へ?あっ、はいぃ!」
眠りこけている最中に声をかけられ、あわてて口元のよだれをこすり、銀行員について行った。
それは行内の地下2階で、普段なら一般人が到底立ち入れる場所ではなく、地下特有の肌寒さがあった。
カイワレが案内された貸金庫室の扉脇にはセキュリティシステムがあり、聖のメモの暗証番号で開いた。
部屋の中にはずらりと無機質な箱が並んでおり、冷たい緊張感に包まれていた。
無機質な箱、それが貸金庫である。
「こちらが、ご契約者様の金庫です」
それだけ言うと、銀行員は一礼し、扉の外へ出て行った。
カイワレが鍵を挿れ、回転させると、その箱の扉がカチャリ、と開く音がした。
中にあったのは、水浅葱色(みずあさぎいろ)地の風呂敷包だった。
⭐︎
チャットルームでカイワレは、ポーちゃんとひかりへ報告した。
——————————————————————
@utai, @hikarim
たった今、聖先生の貸金庫の中身を受け取りました。それは、風呂敷包でした。
@kaichan, @hikarim
お疲れ様でした。たいちゃん、ひとりじゃ開けられないんでしょ?笑
@utai, @kaichan
たいしろうさんが宜しければ、みんなでそれを確認するのは、どう?夜ならそちらに伺えるし。
@hikarim, @kaichan
カンちゃん年末だけれど、大丈夫?忙しくない?
@utai, @hikarim
年末の忙しい中なのに、ふたりともありがとう。
@kaichan, @hikarim
じゃあ今夜19時半に我が家へ集合ね!たいちゃん、ピザでも用意して待っててね♡
@utai, @hikarim
うん、わかった。
——————————————————————