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構築の落とし穴
こちらはゆーみん (@sansation614) さんのアドベントカレンダー2023の記事となっております
はじめに
皆さん始めましての人も多いかと思います、綾鷹です
今年も主催者こそ代わりましたが、去年に引き続きアドカレに参加させていただけることになりました
ゆーみんさんはあまりシャドバのツイートをされませんが、地方とかJCGにはちゃんと出るくらいにはされてるイメージがあります(すーみんって方もいた気もしますがどこに行ったのでしょうか?)
というわけで、今回は新弾も近づいてきているという事でこのゲームの構築における話です。皆さんもどばすぽの更新からわくわくしながら構築を組まれるのではないでしょうか。
しかし、構築が最適ではないのはまだしも、もはやゲームさせてもらえなかったり、カードの力を台無しにしたりするような残念なものができることがあります(いわゆる紙束)
今回は、自分も含めて多くの人が陥りがちの構築の落とし穴について書いていこうと思います
構築の落とし穴
偏差を下げようとする
去年と同じく偏差の話からスタートです
大会シーンやランクマッチで長時間デッキを使う時には再現性が非常に求められます。しかし再現性を上げようとしたアプローチがデッキを弱くすることは良くある事です
例えば、ドローソースを多く積むことでリソースゲームへの展開やキーカードへのアクセスを上昇させるアプローチがあります
しかしそのドローソースは試合中に使うことのできるものでしょうか?
このゲームには様々なキャントリップ(山札からドローするカード)が存在しますが、カードパワーが足りているものは半分もありません
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ドローのための要求値が高くおまけ効果も微妙
そこに序盤のコストを使うことで、盤面を取られたりライフを詰められる事で結局ドローしたカードを使うことなくゲームが終わる可能性があります
後サーチカードについても同じことが言えます。大いなる学園やアズヴォルトは強力なカードです
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特定のカード達をサーチできる
しかし採用に当たっては、本当に置いてる暇のあるデッキなのかを考える必要があります
ドローソースを打つために相手の下振れを祈るようでは偏差を下げるアプローチが新たな偏差を生んでいる事になります
後サーチするためにそのカードが持ってくる別の対象のカードを減らす事は極力避けましょう
財宝ロイヤルにおいて、トニーからロジャーをサーチするためにバルバロスをピン挿しにするなどあってはならない事です
無駄にハイブリットにする
2つのアーキを組み合わせるハイブリットデッキは非常に魅力的なアプローチに感じる人も多いと思います
最初のハイブリットデッキは記憶している限りだとダークネスエボルブでの冥府テンポエルフでしょうか
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純正冥府エルフは超越ウィッチに弱いという欠点がありました。そこに対してのサブプランとして、盤面でもアドバンテージを取るというという意図があったと思います(うろ覚え)
自分も一度ハイブリットデッキを作ったことがあります。森羅咆哮環境のエイラ自然ビショップです
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疾走を持ったアニエスをエイラの祈禱でバフすることにより豊富な打点を確保しつつ、回復を持つことで純正の自然ビショップにも強く出れるという夢のデッキのはずでした
結局重大な欠陥を克服するには至らず没となりました
このようなハイブリットデッキには2つの弱点があります
1.中途半端なデッキなので特化したデッキとミラーすると負ける
2.テーマがかみ合わない可能性がある
1は初めの冥府テンポエルフにあたります。冥府ミラーだとテンポ系統のカードは邪魔になりますし、テンポミラーだと冥府パーツ(新たなる運命)
などはただただテンポロスを生むだけです
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一部の対面を拾えるようにしたことで得た勝率よりも、このようなミラーで落とす勝率の方が大きくなるとそのデッキを使う意義はほとんどなくなることは覚えておくべきでしょう
皆さんも前期や今期で進化、狂乱、復讐をごちゃ混ぜにしたヴァンパイアを試してゴミ箱にシュートした事があるのではないでしょうか?
進化狂乱ヴァンパイアは進化ヴァンパイアにまず勝ちません(検証した方がいればご報告受け付けております)
2は先ほど紹介した自然エイラビショップの事です
自然ビショップはアミュレット「ナテラの大樹」が盤面を一面埋めます。そして同じくアミュレットであるエイラの祈祷でも一面埋めます
そのため盤面が狭くなるので一部の自然ビショップの強いカードが完全に機能不全となりました
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構想上気づきそうなものですが、試さなければわからない事もあります
テーマに沿ったカードを入れすぎる
新弾ごとにはそれぞれのテーマを持ったカードが刷られる事があります
ウィッチであればスタックであったり、ドラゴンであればバフ関連が1弾に多く固まって出ます
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しかしデッキに入れられるのは40枚までです。ニュートラルとの兼ね合いもあります
古いですが、例としてUCLクオンウィッチを挙げます。このデッキのフィニッシャーは「陰陽の開祖・クオン」でありこのカードのコストを下げる事で早期着地させます
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このためのサポートカードとして同弾に様々なカードが刷られました
この4種類の内何種類が実際の構築に入ったでしょうか?(式神は全てラストワードでスペルブーストを行います)
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正解はシルバーの2種類です。なんとゴールドのカースエンチャンターは秒で陰陽師一家からハブられてしまいました(紙版で逆襲したのはまた別の話)
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特にスペルブーストのような役割は他のカードでもできるので効率の良いカードが選ばれます。コストの下がらないこの子達は戦いについていけなかったということですね
今期の土の秘術ウィッチ(以下秘術ウィッチ)もスタックと書いているカードすべてぶち込めばいいわけでなく、一見不純物のようなカードも入れてデッキを成り立たせています
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運営のデザインのみに惑わされず、適切なカード選択が必要とされます
不適切なメタカードの投入
皆さんメタカードお好きですよね?今期も漆黒の使徒が超大暴れしたのは記憶に新しい所だと思います
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しかし入れるデッキを間違えるとただのお荷物と化します
例えば漆黒の使徒は秘術ウィッチにはいれませんよね?(入れてる人いたらすみません)
漆黒の使徒は進化権を必要とするので進化を楽に踏み倒せるデッキにしか入れられません
そして秘術ウィッチはセレブレイトゴーレム本体、レヴィのような強力な盤面処理手段があり、このようなデッキには漆黒の使徒は必要ありません
そしてミラーを有利にするメタカードは大体構築を弱くする傾向があります
回復ビショップにも漆黒の使徒は入りません。一度盤面を返したところで相手側は展開し返せばいいだけなので、次のターンに倒したり(マガチヨエルフ、財宝ロイヤルなど)、別の盤面処理手段を整える時間を稼ぐ(進化ヴァンパイア)ことができなければただ進化権の無駄にしかなりません
これまた古い話ですが、クロノジェネシスランプドラゴンミラーを挙げさせていただきます。
このデッキの核となるのは無謀なる戦というバハムートやイスラ―フィールなどを疾走して走らせるいかれたアミュレットです
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このアミュレットを壊すためのあるカードが投入されました
豪快なる斧使いです
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同じく7コスを使ってアミュレットを壊すくらいならさっさとこちらからアミュレットを置けばいいですし、2枚目で破産します
実際この時のレート杯で優勝したかわいさんは斧使い0でした
引用:gamebox 第4回Ratings杯 試合結果・出場選手・使用デッキ
このメタカードを入れてた人は一体何がしたかったのか?と思います
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メタカードの採用には露骨に構築の腕が出ます
じゃあどうすればいいの?
ここからは、これらの落とし穴を回避するための方法の一部を書きます
人の構築を真似る
当たり前ですね。ただ一人のものをコピーするのではなく、複数の人の構築を見比べて、共通して入っているカードを探してください
構築の考えはそれぞれで、同じアーキでも趣向が違うものもありますが、その違いを超えて入っているカードは本物のパワーカードと言っても差し支えありません
JCGなどがあればところてん(@tokoroten_sv)のようなデッキまとめを見ましょう
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自分は有翼の光明は試した上で入れていなかったのですが、これを見て渋々3枚入れて再度回しました。強さはわかったので今も使っています
これらを逐一チェックする事で、自分の感覚が時代遅れではないかを定期的に確認しましょう
これでどのドローエンジンを採用するかや、テーマカードは何を入れれば良いかが自ずとわかってくるはずです
体験に引きづられない
下振れなどの失敗体験は記憶に残りやすいものです
無駄なドローソースやサーチカードを積まないためにはもう偏差を割り切ってしまいましょう
大体のデッキは6割勝てば儲け物です(ランクマは7割)
負ける時は負けるので、失敗体験に惑わされて構築を変える事は控えましょう
「俺は後攻しか引かないから」と能力者ぶって後攻有利カードを積んでしまうなど、バイアスに振り回されたチューンは大抵碌な事になりません
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そしてメタカードによって得た成功体験も記憶に残りやすいです
しかし同時に別の対面で引いた時に使えなかったという失敗体験も同時に積んでおくと、より公平な視点でカードを評価できると思います
無駄に外付けしたフィニッシャー(例:財宝ロイヤルの飛躍の双剣使い等)は、それでリーサルを取った際は嬉しいでしょうが、別にそのカードでなくとも大抵勝ってます
デッキの中身を薄める
このゲームはパワーカードを引いて叩きつけるのが最適なムーブになりやすいです
そのためにはどのような構築にするべきでしょうか?
そうパワーカード(とそれを生かすためのコンボパーツ)だけでデッキを構成することです
しかし現実はそうはいきません
デッキは39枚以下にできないので、結局不純物を入れなければなりません
ではどうするのか?
デッキを薄める事です
具体的は一部のパワーカードと、それを引くためのドローソースでデッキを構成する事です
例としては遥かなる学園マナリアウィッチです
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運営のマナリア推しにより様々なカードが刷られましたが、結局マナリアの双姫アン&グレアと始まりの魔術・マナリアを引かなければ勝てないデッキでした
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そのため、この2種を採用した後最低限のマナリアカードのみを積んだマナリアウィッチが爆誕しました
そして最終的にはマナリアフォロワーが4枚くらいしか採用されていないスペルマナリアに姿を変えてしまいました
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しかしサーチカードがこれらキーカードを確実に持ってくる事で高い再現性と早いキルターンをもたらし強力なデッキへと姿を変えました
今期の八獄エルフというデッキも八獄カードが10枚以下で、後はドローソースや処理スペルで構成されています
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このようにパワーカード+ドローソースで構成する事で、スムーズにパワーカードを叩きつけるデッキは定期的に登場します
新弾でカードを色々試したいのもわかりますが、この方法も有用なアプローチの一つとして覚えておくと良いでしょう。
まとめ
散々語りましたが、自分は構築が苦手です
毎回最初に作ったデッキは崩しますし、自分が作ったデッキは大抵碌に回りません
しかし、その分人の構築を見る力を鍛えてきました
何しろこのゲームは強い構築がすぐに出回ります
まずはそれを真似してしまうのが早いです
私達はいろんな事を真似から入り、それを自分で換骨奪胎していきます
「型があるから型破り。型が無ければ、それは単なる形無し」という言葉があります
まず型にはまった構築を使う事で初めて自分の良さを出せる段階に進めるのではないでしょうか
もちろん構築を隠されたりした際の不都合だったり、出すカードを読まれやすいなどのデメリットはあります
そのため今回の話は一概には当てはまらないですが、意見の一つとして読んでいただけると幸いです
シャドウバース自体もここから大きく姿を変えていきますが、この構築の話は一部普遍であると考えています
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後新弾まで数日ですが、どばすぽを開いた際に自分の記事を思い出していただければ嬉しいです
明日はつよいさんの勝者のメンタリティです