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HRI2024に参加したよ!
こんにちは。先週(3/11-15)にアメリカコロラド州ボウルダーで開催された学会で面白い体験をしたので記録に残そうと思いました。
そういえば、アメリカ生活も3年目なのですが、いまだにこちらの学期制度(9月始まり)に慣れません。日本の3月のような卒業・年度末のエモい雰囲気はまるでなく、セメスターのど真ん中にあたるので、情緒もなにもありません。せめて梅や桜をみて春を感じたいものです。とはいえ、冬眠してたリスたちが活動し始め、ガチョウや鶴も帰ってきたので、その点では春を感じられているかな。まだ全然寒いけど、まぁ花粉がないのは嬉しい!
さて、参加した学会というのは、ACM/IEEE International Conference on Human-Robot Interaction というやつで、その名の通りHuman Robot Interaction の研究者が集まるカンファレンスです。(この時点で情報量ゼロ)HRIは、ロボットに関する学会/研究分野で間違いないのですが、投稿されるほとんどの研究がロボットそのものではなく、ロボットと人間が関わるところ(e.g., ロボットに対する人間の認知だとか、EUDだとか)を主な研究対象としているところが、他のロボット系カンファレンスとの違いだと筆者は認識しています。(とはいえ今年はLLMを使った研究が🔥でした。)コミュニティに所属する研究者のバックグラウンドは幅広く、計算機科学や機械工学から、社会学、心理学、教育学、認知科学まで、非常に学際的です。おもしろ!
今年のHRIは、コロラド大学ボウルダー校のキャンパス内で開催されました。月曜日と金曜日は終日ワークショップ、火曜日から木曜日はメインのカンファレンス(フルペーパーのプレゼンテーション、ポスターセッション、デモなど)といった割り振りになっていました。すべてのフルペーパーのプレゼンテーションはシングルトラックで行われており、これもまたHRIの学会自体の大きな特徴な気がします。そのため、フルペーパーが採択された場合、数百人(200~300とか?数字わからないです)の前で登壇するという超カッコ良い感じ(?)になります。ポスターやデモも、フルペーパーのセッションの時間とは被っておらず、全部見るぞ/見せるぞの気合いが感じられます。
私がボウルダーに到着した日曜日(学会開始前日)は最高の小春日和で、晴天・気温は20度くらい、ロッキーマウンテンも綺麗に見えていました。その後、月曜も日中は同様に天気が良かったです。その月曜の午後、Uberのお兄さんに「水曜日の夜にめっちゃ雪降るよ」と言われ、その時は「ふーん」くらいに思っていました。今住んでるウィスコンシンも、雪がたくさん降る地域なので、雪ぐらい大丈夫やろ!と思っていました(フラグ)。
私のプレゼンは木曜日の昼ごろだったので、火曜・水曜と、フルペーパーの登壇発表を聞きながら、「わいも木曜にあのステージで話すんや・・・」と、想像を膨らませ、どきどきわくわくしていました。昨年のHRIに参加した際にも、ラボの先輩がデカステージでプレゼンしているのを目の前で見て、「かっこえー!あたいも来年出れるかな?」と思っていたので、今年あのステージで発表ができる、となってとても嬉しかったのです。
「あれ?」と思い始めたのは、水曜日の午後あたりからでした。アドバイザーに最後のプレゼンのチェックをしてもらっていたときに、「明日どうなるかわからないけど、大丈夫だから心配せずにね」と言われ、「明日どうなるって??」とあまり事態が理解できず。よくよく天気予報を見てみるとwinter storm alarmの表示がありました。フライトがキャンセルされる前に、と帰り始める西側(カリフォルニア方面)の人たちもちらほら現れはじめました。そしてついに、木曜日のキャンパス封鎖の通達が夕方にあり、学会も全面リモート開催が決定。ええー😭!
キャンパス封鎖の通達から学会リモート開催の決定までは少し時間が空いており、その間banquetに参加していたのですが、banquetの途中で流れたリモート開催のアナウンスに私が気づいておらず、なぜかしばらくラボメンが私に隠そうと団結していたのはいい思い出ですw 正直かなりガッカリしましたが、昔からそういうくじを引きがちなので、やっぱりか〜の気持ちが大きかったです。プレゼンのために土日返上して大画面映えする動画撮ったのになー😭!そんなわけで、banquetには長居せず、ホテルに帰ってzoomでの接続テストなど、最終調整しました。(その間みんなカラオケ行ってて楽しそうだった!)
そんなわけで、翌朝。アドバイザーから、こんなメッセージが。
Hi all, what do you all plan to do today? Amy, would you like to give your talk in your room or to an audience (like in a meeting room)?
せっかくアドバイザーやalumni含めてラボメンが同じ土地に来ているので、ミーティングルーム借りてみんなと一緒にいたい!と私たっての希望で(笑)、泊まっているホテルや近くのレンタルオフィスなどで借りられるミーティングルームがないかと捜索。近くのマリオットホテルのカンファレンスルームをレンタルできることになり、そこにラボメンみんなで集まることとなりました。たまたま、私の発表するセッションのチェアーも同じホテルに滞在しており、ロビーで見かけたので声をかけて、なんと私のトークの際に同じ空間にいてもらえることになり、これは奇跡!
さらに、カンファレンスルームは弊ラボ+関係者で使う予定が、どうしたものか、同じホテルに滞在していた他のHRI参加者がぞろぞろと集まり、いつの間にか数十人の参加するちょっとしたパブリックビューイング大会になっていました。(そしてこの現象は、各ホテルで起きていたらしい・・笑)あとでこの倍以上に人が集まってきましたが、こんな感じでした。↓
✨Day 3: Our wonderful student volunteers are working and enjoying the conference from the Marriott conference room.
— The HRI Conference (@HRI_Conference) March 14, 2024
Use hashtag #HRIsnowday to show us your setup and share your group picture #HRI2024 ❄️🏔️☕ pic.twitter.com/4IV0VFrPcE
そんなわけで、ドデカステージでの登壇発表の夢は叶いませんでしたが、アドバイザーやラボメンの協力を得て、数十人の同じ分野の研究者に向けて対面でプレゼンをする場所を作ることができました。zoom上には200人以上の参加者がおり、オンライン開催にしては、engagingな環境になっていたと思います。
そして、トラブルはまだまだ起こる。やっぱり、自分のプレゼンの際にネットワークが落ちました。これ↓がその時の写真です。
![](https://assets.st-note.com/img/1711079296026-b9laIJaHOP.jpg?width=1200)
もうこれは中止かもな…と半分諦めましたが、結局このあと、自分の携帯のテザリングで接続し直して、なんとかやりきりました。接続が切れてしまっていたのは2〜3分くらい、その間、zoom上で「Sprout(あたいが作ったロボット)可愛いから続き聞きたいよ〜」という会話が起こっていたと、オンラインで見てくれていた友人が教えてくれました。あたたかい😭 それから、発表中にzoom上でコメントや質問をしてくれている人が居たことに後から気づいたのですが、その中に、私の尊敬してやまない研究者の方からのお褒めの言葉と質問(2つも!)を発見して、ちょっと泣きました。
自分自身はあまり非常事態に強いタイプではないのですが、アドバイザーやラボメン、他の参加者のサポートに大変救われました。今でも正規のステージでプレゼンができなかったことは少し悔やまれますが、これはこれで貴重な体験でよかったかもー!とも思えています:) これは絶対に後世に語り継がれるやつ…!そして、コロナ禍を経て、多くの人がオンラインカンファレンスの知識や耐性があったことも、オンサイト開催からオンライン開催への切り替えが上手くいった一因だと思いました。
そして問題のwinter stormですが、stormというよりは大雪⛄️で、ウィスコンシン勢みんなで、これでキャンパス閉鎖になるのか〜と驚いていました。弊学(ウィスコンシン大学)は雪が降ってても、キャンパスが閉鎖になったり、バスが走らなくなることはないので。とはいえ、世界中から研究者が集まり、雪に慣れてない人もたくさんいたので、オンライン開催への切り替えは英断だったと思います。(どちらにせよキャンパス閉鎖で会場を使えなかったですが。)
そんな感じで、「面白い体験」というのは、
オンサイト開催がwinter stormでオンライン開催になる
ホテルのカンファレンスルームを急遽借りてラボメンで集まる
が、結局たくさんの参加者が集まってパブリックビューイング状態になる
でした。多分、生涯忘れない貴重な体験だったと思うので、ここに書き残しておきたい次第でした。来年のHRIはオーストラリアはメルボルンでの開催らしいので、winter stormに振り回されることはないでしょう!カンガルーとコアラの大量発生で会場閉鎖とかはあったりして?(絶対ない)
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