『ドクター・ストレンジ』『マイティ・ソー/バトルロイヤル』
・『ドクター・ストレンジ』を観た。
すごく映画という感じがする。個人ではできないしドラマでもできない。莫大な金がつぎ込まれている。この圧倒される感覚がまさに映画の醍醐味だと思う。
物語もすごくいい。全てを失った男が魔術と出会い、新しい人生を始める。魔術の才能に目覚め、魔術界を危機から救う。王道だからこそ熱い。
魔術を扱えるようになってからの物語の速度がすごい。例えばアイアンマンやスパイダーマンだと他に競合がいないので、能力を使いこなすところに集中することになるけれど、ストレンジの場合は他に魔術師がたくさんいるので、巨悪を倒すためには使いこなせるのは当たり前で、さらに抜きんでて強くないといけない。この映画ではそれを「マジで魔術の才能に溢れてました」で納得させてくる。作中の人物に2回くらい「才能だ……」みたいなこと言わせている。
時空を操る力を使いこなして嫌がらせしまくることでラスボスを撃退した。
・『マイティ・ソー/バトルロイヤル』を観た。
これまでのマイティ・ソー映画の中で一番面白かった。これまでの映画はアスガルドの王子「雷神ソー」が主人公なのに、スケールが地球規模だったから、小さくまとまっていたのだと思う。物語において舞台はとても大切だ。
実は武器が本人の力を制御していたのだ! という設定はかなり熱い。物語が自然と本人の能力を追求する方へ向かう。ハンマーで戦っていた時よりも、全身から雷を放出して戦っている方が派手に見える。
ロキがズルすぎる。やってること普通に最悪なのに、国に自分の像を作ってるところとか、戦ってみるとそんなに強くないところとかを見せてきて、徐々に可愛いポジションを確立しつつある。「裏切ってくるキャラクター」とプロフィールに書くことで、もうどんな裏切りをしても好感度が変わらなくなっている。この映画では裏切りもそんなに成功していない。
『ドクター・ストレンジ』でもそうだったけれど、正面から殴り合ってラスボスを倒すのではなく、ギミックで倒している。殴り倒すよりもギミックで勝利した方が説得力があるということだろうか。『アントマン』は殴り合いかつギミック勝利だった。『アベンジャーズ』はギミック勝利だったけれど、大量の雑魚敵を倒しつつだった。
話の内容的には原題の「マイティ・ソー/ラグナロク」の方が合っているけれど、音の気持ちよさは「バトルロイヤル」なので、難しい。北野武が生まれた国だからバトルロイヤルにしたのかな。
・弱めの風邪をひいている。
関係があるのか分からないけれど、感動することができなくなっている。気分の高まりがやってこない。