夢破れてなんかあり。杜甫甫
・最近になって自我を獲得したので、それに伴って夢ができた。夢を叶えるために本を買ったり、方法論をまとめたPDFを作ってプリントアウトしたりしている。
・僕は何かが始まると同時に終わりを意識する人間です。初めて読む本は背表紙から開いて何ページあるのかを最初に確認するし、映画を見始めると「終わるころには夕方かぁ~、そこから無の時間が発生するな」と考えるし、自販機でコーンスープを買う時はボタンを押すときから残ったコーンに思いをはせている。だから夢破れた未来の僕を想像する。
・夢破れた僕は本をビニールの紐でまとめる。不器用なので縛りはかなり緩く、数回やり直すことになるだろう。指定の場所まで捨てに行くのが面倒になり部屋の隅で数か月寝かせることになる。夢破れた僕は壁に貼り付けたB5のプリントを外す。シュレッダーにかけることを知らないので四つ折りにしてゴミ箱に捨てる。
・僕は自分を納得させたり諦めさせることにかけてはSランク相当の腕前なので夢の堆積物ともいうべきそれらを淡々と処理するだろう。最悪、感傷的になったりするかもしれないが、叶えられなかったことに対して押し潰されることは無い。何事もなかったかのように敷かれたレールの上へ戻る。レールの外を走るということはイコールで誰かを轢いてしまうかもしれないと自分を納得させたからだ。それは親だったり自分だったりする。
・コイン精米機の前で鳩と箒で戦っているおじさんがいた。一瞬しか見ていないが、痩せた西田敏行を不健康にしたような見た目だと記憶している。痩せ敏行は前ステ大振り横薙ぎ攻撃で2匹の鳩を追い払うことに成功していた。彼のおかげで街の平和は保たれている。
・ラジオのおもしろトークを聞きながら移動して図書館でイヤホンを外すと、あまりに世界が静かすぎてなぜか申し訳なくなる。音や会話のある世界の住人が図書館に存在してはいけないと刷り込まれているからだろうか。
・北斗の拳を読む前にKAPPEIを読んで、クローズを読む前にアキラNo.2を読む気味の悪い子どもだった。
・今日は瀬戸の花嫁のopを聞いた。イントロが気持ち良すぎる。
・記憶の中の前田敦子はキンタロー。と混じって実際より顔が大きくなっている。
・小さい子どもが5人くらい集まって“自転車に一番かわいく乗れた人が優勝”の大会を催していた。遠くから見るという行為でさえ彼女らの思い出を毀損するような気がして、不審者特有の早歩きでそこを去った。
・昨日と今日で怪奇!YesどんぐりRPGの動画を見漁っていた。おもしろすぎるぜ。見せ方をたくさん用意してくれるから同じギャグなのに何度見ても面白い。ただ、友達と遊んでいるときとかにその場限りの承認欲求を満たそうとしてギャグをパクってしまいそうで怖い。自分を律せよ。
・ARCANE第3話の終わりが面白すぎた。第一章完って感じ。キャラクターが何を考えて行動しているかを分かりやすく描写されているから、ストーリーをさらに楽しめている。キャラクターの(精神)年齢に対応する子どもらしい行動を見ると引っかかってしまう自分がいるが、まったく抵抗なく観られた。パウダーは年上から足手まとい扱いされているから挽回のために役に立ちたいと思っている。ヴァイはパウダーを守りたい。などの要素が丁寧に何度か描写されていたためだ。表情が豊かで感情が読み取りやすいのもある。
・面白きこともなき世をオクシモロン。(面白くない人がオモシロを語っている撞着)