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MMDerにおすすめしたい AviUtl活用術

MMDerにおすすめしたい動画編集ソフト AviUtl

 MikuMikuDance(以下MMDと略)を作るにあたって、MMDで出力したAviファイルをニコニコ動画やYoutube、X(旧Twitter)に投稿するには、MP4ファイルの変換が必要となります。
 また、様々な加工や、動画でお借りした各種モーションやカメラ、エフェクトなどの制作者様のお名前をクレジットとして記載するために、MMDを扱うMMDerは動画編集ソフトの利用がほぼ必須と言えます。
 動画編集が可能なソフトは数あれど、高機能であればあるほど有料であることが多い昨今。「KENくん」様が開発したフリー動画編集ソフト「Aviutl」は、フリーソフトでありながらも、有志の方々の手によるプラグインなどで機能を大きく拡張することが可能で、有料ソフト並みの編集が可能なソフトです。
 MMDだと、歌詞や様々な動画演出などがキット化され、出力した動画と合わせることで手軽にクオリティの高いMMDが作れる「PVkit」も、AviUtlのみで動作が可能なものが配布されていることがあります。

 ……ちょっと小難しい前書きとなりましたが、この記事で言いたいことはひとつ!
 MMDerさん、はじめて動画編集に触れるなら、AviUtlがおすすめですよ!
 
あくまで個人の意見ですし、無料ソフトとして大変便利ですよ!という主張ですので、Adobe様のAfterEffectsなどの高機能ソフトが使える人はAEをどうぞ!
(記事を執筆している人間はAEもほんのちょっと触れましたが、機能を十全に理解するのは難しそうだな…とAviUtlを選んだ者です)

当記事は2024年9月に執筆したものです。時間経過により当記事の内容が古くなっていくことが予想されますので、本記事だけではなく他のサイト様もチェックして頂くことをおすすめ致します。


AviUtlを使うにあたって

 前回記事、
 ざっくりmmd入門(下準備~モーション修正編)
 
https://note.com/suou_viola70/n/n43be5b87932c?sub_rt=share_sb
 
 でもMMDの導入の際に色々と事前準備が必要ですよ~と書かせて頂いたのと同じように、AviUtlを導入する際にも、AviUtl本体だけでなく、必須級プラグインと呼ばれているものをダウンロードし、正しく導入する必要があります。
 

AviUtl導入+必須級プラグイン導入

 まずはAviUtl本体の他に、機能の拡張や動作軽量化、正常動作に必要な各種プラグインを揃えて導入するのをおすすめします。

入力プラグイン:L-SMASH Works
出力プラグイン:x264guiEx
メモリ使用量削減プラグイン:InputPipePlugin
バグ修正プラグイン:patch.aul
Visual C++ 再頒布可能パッケージ

これらがAviUtlを快適に使うために必須級と言われる動作用プラグインです。
 導入方法については、すでに大変分かりやすい記事があるのでこちらを参考にして頂くのがおすすめです。
 創作日和さま https://sosakubiyori.com/aviutl-introduction/


その他おすすめの作業を楽にしてくれるプラグイン

 私もAviUtlを使い始める際、色々おすすめプラグインをまとめたサイトにお世話になりました。参考にさせて頂いたサイトがこちら。

 【令和6年版】AviUtlの絶対に入れろ便利系神プラグイン13選
 https://kh40qsh1388.hatenablog.com/entry/2022/12/28/000005

 
 特に拡張ツールバーCurveEditorアルティメットプラグインが本当に便利。導入したら世界が変わる。拡張ツールバーとアルティメットプラグインは大幅時間短縮、CurveEditorは既存のイージングではできない複雑なイージングが設定できます。
 アルティメットプラグインに入っているプラグインやフィルタのコピペ機能やフィルタをドラッグするだけで上下移動できる機能、歌詞をかっこよく動かすときに大変お世話になってます。
 いちいちオブジェクトごとにフィルタを出して調整して…という手間とはおさらばしましょう…!!!


カスタムオブジェクト「シネマスコープ」(ちくぼん様)

 https://blog.tikubonn.jp/2021/3/8/

 よくMMDで見かける動画の上下に出ている黒い帯をレターボックスと呼ぶのですが、これをカスタムオブジェクトで呼び出せるプラグインです。
 斜めクリッピングをあれこれいじれば同様のものを作ることは可能ですが、正直めん… 大変なので、呼び出すだけでOK、帯幅を自由に設定できる(なんなら中間点を利用することで帯幅で画面を覆ってシーンチェンジっぽくすることも出来る)こちらがおすすめです。


AviUtlのおすすめ機能・ソフト

 ここからは個人的にあまり知られていない気がするけど、使いだしたらめちゃくちゃ便利だったり、楽だったりする機能をご紹介します。
(標準的な使い方はご存じな人も多そう&情報はいっぱいネットの海に転がっているので検索して頂く方が早いので…)

①制御文字

 制御文字は拡張編集に標準搭載されている、いわゆるHTMLのような特殊コードを入力すると、ひとつのテキストオブジェクト内で複雑な制御が可能な記法のことです。
 テキストの途中で色やサイズを変更したり、表示速度を途中から変更したり、文の途中で待機時間を挟んだ後に次の文章を再生することが可能です。
 …つまり、歌詞や会話テキストを動画に合わせて表示させるために、何個もテキストオブジェクトを分割してレイヤーに置かなくても良くなるということです。めちゃくちゃ楽!!!!!!

制御文字(拡張編集exedit.txtより引用)
色の変更
 <#[RGB値(16進数)[,RGB値]]>
 例 : <#ffffff> <#000000,ffffff> <#>
サイズ、フォントの変更
 <s[フォントサイズ][,フォント名][,装飾(B=太字/I=斜体)]>
 例 : <s32> <s> <s72,メイリオ> <s72,メイリオ,BI>
表示速度の変更
 <r[表示速度]>
 例 : <r10> <r>
表示ウェイト
 <w[待機時間(秒)]>
 ※時間の前に''を付けると表示した文字数を掛けた時間で待機します
 例 : <w5> <w0.5> <w0.2>
表示クリア
 <c[クリアまでの待機時間(秒)]> ※直後の改行は無視されます
 例 : <c> <c5> <c0.2>
座標の指定
 <p[X,Y[,Z]]> ※Z座標は個別オブジェクトのみ有効。
 プラスマイナスを付けると相対の指定になります。座標によっては正しく描画出来ません。
 例 : <p20,40> <p20,40,80> <p+10,+10>
スクリプト
<?[スクリプト]?>
<?=[スクリプトの関数mes()の引数]?>
例 : <?obj.rz=obj.time360?> <?=string.format("%02d:%02d",obj.time/60,obj.time%60)?>
※スクリプトの仕様についてはlua.txtを参照してください

拡張編集exedit.txtより引用

 一見しただけではちょっと複雑そうに見えますが、やり方は案外簡単で、画像のようにテキストボックス内で特定のコードで文字を挟むだけ。

ひらがなだけ小さいテキストや特定文字に色を付ける表現も一つのオブジェクトで完結できます


 例として、漢字だけフォントサイズを90に上げたい場合は(デフォルトテキストサイズを50とします)

 <s90>漢字<s>のみを<s90>拡大

 と記述すればOKです。<s90>以降の文字が自動でフォントサイズ90になるため、<s90>を終わらせる文字として<s>で挟んでいます。
 

②作れば作るほど作業が高速化する「エイリアス」

Q:エイリアスって何?
A:自分で作ったエフェクトや演出やオブジェクトを、テンプレート化して保存し、呼び出せる機能のこと。

 よく使う文字に掛けるアニメーション効果やオブジェクトであったり、複数のフィルタや図形設定を駆使していて、一から作り直すとちょっと面倒な演出を保存しておくと次から一瞬で呼び出せます。

 つまりエイリアスを作れば作るほど楽になる&クオリティを維持しつつ作業を高速化できます。

 私の場合、複数のテキストモーションをひとまとめにしたものやグラデーション、モノクロ化、グリッチなどをエイリアス化しています。
 

 エイリアスには2パターンあり、
 ①保存したときのフィルタのパラメータを維持した状態で呼び出すエイリアス
 ②フィルタを重ね掛けしたオブジェクトそのものを呼び出すエイリアス
 に大別されます。

 一つ目は今後も使いたいフィルタ単体を呼び出すときに、
 二つ目はフィルタが掛かったオブジェクトそのものを呼び出すため、複数のフィルタや図形などの『組み合わせ』をテンプレート化したいときにおすすめです。

 ①の方法
 
フィルタ単体の設定を保存・エイリアス化するため、
  ①保存したいフィルタのダイアログ上で右クリック
  ②設定の保存を選ぶ
  ③現在の設定でエイリアスを作成する
 を選びます。

するとこのようなダイアログが表示されるので、自分にとって分かりやすい名前と、エイリアスを区別するための格納フォルダ名を入力します。
(格納フォルダは初回の場合自動生成、次回からは同名ならば同じフォルダに格納されます)
格納フォルダを指定しなければ、「フィルタ効果の追加」欄の一番下に格納されてしまうので(スクロールほぼ必須)、めんどくさがらずにフォルダ名を指定するのをおすすめします。(筆者はうっかり何回かやらかしました)

格納フォルダは毎回入力がおすすめ

 ちなみに、「現在の設定を初期値にする」を選ぶことでも、似たようなことが可能ですが、同じ結果でもフィルタを呼び出すのに「フィルタ効果の追加を選ぶ」「アニメーション効果を開く」「使いたいプラグインを探す」という三手を挟む必要があります。
 さらに言えば、大量にプラグインを追加して機能を拡張していくと、お目当てのプラグインを探すのにも一苦労だったりします。
 ならば、よく使うプラグインフィルタはエイリアスにした方が断然早いです。しかもこの方法なら複数選択を使えば一括でフィルタを追加できるので、その点でもエイリアス化がおすすめです。
 
 呼び出し方は
①フィルタを呼び出したいオブジェクトダイアログ上で右クリック
②フィルタ効果の追加
③格納フォルダ名が一番上に羅列されているはずなので該当のものを選ぶ
④選ぶ
 になります。
 画像はテキストフィルタに掛けていたフィルタだったので、テキストオブジェクト上で呼び出していますが、図形やカスタムオブジェクトでも同様の操作で可能です。

 エイリアスを消したい場合は、AviUtlフォルダ内のエイリアスファイルを消すとAviUtl上でも消去されます。

②の方法
 ①の方法だと単体のフィルタしか保存されないため、複数のフィルタを重ね掛け足した状態を保存したい場合はこちらの方法で保存します。

 ①保存したいオブジェクト上で右クリック
 ②エイリアスを作成

エイリアスを呼び出す際は同じように、
 ①拡張編集のレイヤー上で右クリック
 ②メディアオブジェクト/フィルタオブジェクトの追加
 ③作ったエイリアスの格納フォルダを探す
 ④呼び出したいエイリアスを選択

になります。

③歌詞の文字入れはリズムゲーにできますという話

 こちらはちょっとAviUtlの機能ではなく、AviUtlでのみ使えるめちゃくちゃ便利なソフトの紹介になります。
 mmdで大変な歌詞入れ作業ですが、タイトルの通りリズムゲーに出来ます
 リズムゲーという表現は少々語弊があるのですが、かの様の「テキスト作成forAviUtl」を使えば、音楽に合わせて歌詞の切り替えタイミングでボタンをポチポチして、生成されるファイルをAviutlに取り込めば、あっという間に歌詞ファイルの原型が作れます。
(己のリズム感覚に自信がなくても、そもそも多少は動画のカメラ切り替えタイミングに合わせて調整が発生するので無問題です)

 筆者の説明が下手くそゆえ、文字で記すとこのソフトの有能ぶりが全く伝わらないので、下記動画をぜひぜひ見て頂ければと。

【AviUtl】歌詞入支援ツール作ってみた【+AE】
https://www.nicovideo.jp/watch/sm30657753

 いちいちテキストオブジェクトを出して歌詞を打ち込んで…という操作が不要になるので、大変おすすめのソフトになります。
余談ですが、動画に入れたい文字をテキストで打ち込んでしまえば、切り抜きの字幕入れにも使えるんじゃ…?と愚考しています。

おわりに

 いかがでしたでしょうか。
 筆者がこのプラグインや機能、ソフト便利だな~!布教したいな…!の気持ちで書いた記事ですが、MMDerさんの快適なMMDライフの一助となれましたら幸いです。
 また機会があれば、おすすめアニメーション効果なども語れたらと。

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