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この後を考える

取り急ぎ、言っておきたいこと。

今、多くの人に、認識の誤りがあると思う。安倍政権は、彼らの主観で、やりたい政策を思い通りにやっている。彼らの主観では、この対策は遅くもなく、的外れですらない。
それが、全く、国民の方を向いてないことが問題なのであって、ここでは彼らに「決める権限がない」ことが問題なのではない。
今、現実に、政府にロックダウンや、緊急事態宣言や、コロナウイルス拡散を防ぐためのより強制力の強い政策発動を求めるあまり、

野党や共産党が、人権を求める余り、政府に強い権限がないことが問題なのだ。バカ共の話を聞かず、もっと私権を制限させる強大な権限を政府に与えよ!

という声があるが、たぶんこれが末期症状なのだと思う。

そもそも、今の自民党政権は、「不安定な政権基盤」「ころころ代わる首相」「決められない政治」に嫌気がさした有権者が、政権に強大な権限を持たせて、安定政権を求めてきた結果、たどり着いた長期政権である。戦後、最も強大な権限を持っていると言って良い。何をやっても支持率は下がらない。法解釈も、憲法解釈までも変え、公文書は改竄する。それに、さらにこれ以上の権利を持たせ、私たちの私権制限まで許したらいったい、どうなるのか。

現政権が、今回のコロナ禍にあって、私たちの望む政策を実行してくれないのは、彼らの権限が足りないことが問題なのではない。

私たちが政府を監視せず、自分たちの声を届けようとしなかったこと、有権者の怠慢な行動の全てが問題なのだ。

政府に強大な権限を与え、事実上のフリーハンドを許した結果、彼らは、金を出してくれる財界しか見なくなった。簡単に言えばそういうことだと思う。

今回の、第3次世界大戦とさえ言われる大災害に、どのように対処するか、もちろん結果も大事だ。だがもっと大事なのは、その意思決定の過程が正しく記録され、後から検証、反省できるようにすることなのだ。

だが間違いなく、その機会は永遠に来ない。

彼らは、自分たちの行っている政策決定が、国民に人気がないことを知っている。事が終わった後、国会で野党からさんざん、追求されるであろうことも知っている。だからすでに公文書は改竄、破棄され、都合の悪いデータは残らない。
それが致命傷であることを、日本人が悟ることも、おそらくない。

例えば今、「私に首相をやらせろ!そうすればこれだけの政策を実現する。コロナ禍が去ったら権限は手放す!」とか「山中伸弥教授に全権委任せよ!」とかいう声があるが、

だから日本人はダメなのだ

もう、あまりにも遠すぎて、これを書くのが本当に悲しくなるが、みんなで時間をかけて議論し、時に決められなくとも、みんなで協力して作り上げるのが民主主義なのだ。どんなに迂遠でも、どんなに面倒でも、自分の頭で一人一人が考えることの集大成こそが民主主義なのだ。たとえそれが多数決でも、誰かに強大な権限を与えて「決めていただく」のは、民主的に決まっても民主主義ではあり得ない。

例えば私は、イギリスのEU離脱を支持しない。そして、離脱するのかしないのか、その政策決定の過程を、本当に長い、と思って見ていた。だけど、あそこには本当に、学ぶべき民主主義の大原則があった。

あんなにトランプの引き写しと言われるジョンソン首相だが、彼は議会制民主主義の手続きを逸脱しなかった(私が知っている限り)。
あの時、イギリスの持つ議会制民主主義の原理原則を、本当に心から尊敬したいと思った。日本人にはできない芸当だ。

日本人は、民主主義も、資本主義も、共産主義も、右も左も、何一つ、理解が足りない。理解の差が大きすぎて、どうして良いか、もはや私ごとき凡人には道のりなど見えない。

遠すぎた橋より遠く感じる

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