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24歳の誕生日

少し気温が下がって、10時頃目がさめた。うとうとしていると、隣で彼も目を覚ます。

「誕生日おめでとう、みほ」

開口一番にそういってくれた。

外は風が強い。

朝食は珈琲とポンデケージョ。その後、シャワーを浴びて洗濯物をまわす。

午後、彼と街まででる。海沿いなど少し歩く。途中、アイスクリーム屋さんにはいる。パッションフルーツとイチゴのアイスに、チョコレートソースをかけてイチゴとバナナを添えてもらう。

雨が降りだす。

この町は、南米によくある「コロニア建築にやたらカラフルな塗装がされている」スタイルで、雨がふると妙に建物がかなしげになる。

雨がおちついたころあいに店をでる。行くところがなかったので図書館にいこうとするが、こちらも休みだった。しかたなくバスで帰る。

またシャワーに入る。今日は水が冷えていて気持ちがいい。昨日までは、水道が温まってお湯しかでなかったのだ。水シャワーの方を好むようになると、ブラジル生活も板についてきたのかなあ、などと思う。

夜、何か食べに行こうかと思っていたが引き続きの雨。おうちで彼のお母さんの作ってくれたピザを食べる。おいしかった。

映画「シックス・センス」を観る。

ここ数日、気分が明るくなった。3年ほど引きずっていたものがなしい影がどこかに消えたようだ。

フェイスブックのフォローをほとんどの人から外していたのだが、元に戻した。それまでしんとして静かだったタイムラインが、急に賑やかになった。やけに嬉しくなった。

こちらに来る前に不義理をしてしまった人にも、久しぶりにメッセージを送った。お互いが今幸せなことを喜び合えた。

どこか新しいコミュニティを広げたいな、とふと思った。

閉じていた気持ちが開けたよう。24歳年女、いい年になりそうです。

(コラージュ作品「私の生まれた月」)

サポート頂くと、家に緑が増えます。たぶん。