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【随筆】執筆後記
光、或いは影のこと
そんな題の随筆を綴って、おあしをいただいた。街に交錯する、光と影について書いた。それはひととひととであったり、時間とひととであったり、その折々につくりだす、光と影について。
と、いうより、光について書けば影について触れることになり、その逆もまた然り。
すこし前におはなししたように、ある詩人の言葉のように、やはりわたしにとっても、〆切がそれを書かせる。それにしたって、普段から自分を通して街、もの、ひと、ことをぼんやりとでもいいから見ていなければならない。
だいたいの主題はいただいているので、なんとなくイメージは浮かんでいて、〆切10日ぐらい前から、カタチにしていかなきゃなぁ、と思いはじめていた。そんなある日の、真夜中のこと。アタマになんとなくコトバが浮かんだり、流れたり……ああ、これをあしたまとめるか、と目を閉じかけて、イカンイカンと、おもむろに灯りをつけ、晒し紙のらくがき帖に、ブルーブラックのペンで書き殴って、ふぅ、と力が抜けるようにそのまま寝た。やはり、翌朝、たいして覚えていなかったが、そのらくがき帖の殴り書きは、そのままその随筆の核となったが、「よしッ」と決めた最後の一行が、日を増すにつれ「おや?」となっていって、最後はこの題名に相応しいくだりになった。この題名がついたのが、後ではあるのだけれど。
そんな随筆が読めるのは、街の手帖 リーディング2 街で考えるです。コトノハという、地元大田区の小さな出版社さんから、不定期で刊行されていて、ご依頼いただき、寄稿するのは今回が三度目。この三回が、みんな形式がちがって、どれも好きです。
最初が日記形式。実際、一昨年の夏の数日の日記から、そこに加筆するカタチで書きました。そのあとが、池上線の始発で5時から飲み始めるという酔狂なルポ。そして今回はシンプルな随筆。
ご依頼いただいた時に、だいたいのテーマの説明があり、編集長の針谷さんと雑談しながら、こんな感じはどう?みたいにはなしを進めていき、なんとなくイメージを持ち帰ったのですが、実際本を手にすると、それぞれの文章が見事に同時化されていて、キレイに一冊にまとまっていました。
街を主題にした一冊ですので、Amazonでも買えますが、ぜひ、街の本屋さんで手にとってほしい一冊です。
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