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断り癖
現代日本人の悲しいサガに、断り癖ってあると思うんです。
町に出れば、ティッシュだ試供品だなんだ、って手渡されて。カットモデルだ、居酒屋のキャッチだって、声を掛けられて。
何かを差し出されると反射的に断る癖がついてしまっている。
私は最近、ずっと行ってみたかった書店にお邪魔しました。たくさんの素敵な本と、インテリアに囲まれて、優雅なひと時を過ごしていました。
そうして、物色した成果の本を買おうとしたとき。店員さんに「カバーおかけしますか?」と聞かれました。
わたしはとっさに、「あ、いいです。」って答えていました。
実はこの書店、オリジナルのブックカバーが有名で、わたしも半ばそれ目当てで来店していたんです。
もちろん、本心ではブックカバーは「もらえるなら、もらいたいもの。ありがたいもの」であったはずなんです。
それなのに、私は日頃多くの場面で断っているように、ブックカバーを断ってしまっていました。
それを発した数秒後にはっ!としたわたしは、すぐさま店員さんに「やっぱりカバーください…」と申し訳なさそうに言って、事なきを得ました。
もしかしたら日頃の断り癖のせいで、知らず知らずのうちに、我慢をしてしまっていることがあるのかもしれない。
知らず知らずのうちに、踏みにじっている他人の善意があるのかもしれない。
そんなことを考えました。
関係ないですが、写真はわたしの好きな「自称日本一のフリー素材モデル」の大川竜弥さんです。
写真の上半分だけ見ると、「いいです」って言ってる人に見えるものの、
よーくみると、右手で拳を握っています。