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メラノーマはこんな病気

メラノーマはこんな病気
いわゆる「ほくろのがん」です。メラニン色素を作るメラノサイトという細胞が、がん化することで発生します。高齢の方に多い病気ですが、若い方に発生する場合もあり、紫外線が影響していると考えられています。進行が早く、転移を起こすことが多い悪性度の高い皮膚がんです。
メラニン色素は、紫外線から身体を守るはたらきをしています。白色人種はメラニン色素が少ないため、メラノーマの発生が高頻度です。一方、メラニン色素の多い黒色人種の発症はまれです。
腫瘍は、茶色や黒色の「しみ」もしくは「できもの」で色むらがあり、形がいびつであることが多いです。痛みやかゆみはありません。全身のどこの皮膚にもできます。
病気が進行すると、まず所属リンパ節(病変の近くのリンパ節)に転移する場合が多く、所属リンパ節までの皮膚に転移することもあります(in transit <イントランジット>転移)。さらに進行すると、肺や肝臓などに転移します。
治療は、できるだけ早期のうちに切除することが大切です。発生部位や腫瘍の厚みにより、腫瘍からある程度(1~2cmの場合が多い)離して、切り取ります。所属リンパ節に転移がある場合、リンパ節も切除することが望まれます。
遠隔転移※がある場合は、抗がん剤治療を行います。数年前までは有効な抗がん剤がほとんどありませんでしたが、最近は免疫チェックポイント阻害剤(商品名: オプジーボ、キイトルーダ、ヤーボイ)や、分子標的薬(商品名: ゼルボラフ、タフィンラー、メキニスト)という新しい抗がん剤が発売され、効果が出る患者さんが増えています。
※遠隔転移: 最初に発生した腫瘍から遠隔部の臓器、あるいは遠隔部のリンパ節に拡がったがんのこと

メラノーマ早期発見のポイント
日頃から、自分で皮膚をチェックして(難しい場合は家族や友人に見てもらって)、「なんだか変わったしみ(もしくはほくろ)だな」「だんだん大きくなっている」「形や色が変だな」と思うものがあれば、一度皮膚科を受診しましょう。
メラノーマはふつうのほくろよりも黒々しく、形がいびつです。疑うべき症状の特徴として、ABCDEルールというものがあります。
ABCDEルール
 A:Asymmetry(形が不規則)
 B:Borderline irregularity(腫瘍の境界が不明瞭)
 C:Color variation(色むらがあるなど、色調が多彩)
 D:Diameter enlargement(拡大傾向、直径が6mm以上)
 E:Elevation of surface(表面が盛り上がる)
これらの特徴がそろっているときは、メラノーマが強く疑われます。変わった形で、色むらがあり、表面が盛り上がって、だんだん大きくなった直径6mm以上の「しみ」「できもの」がある場合は、すぐに皮膚科を受診しましょう。

メラノーマ予防の基礎知識
メラノーマはメラニン色素の少ない、すなわち紫外線防御能が低い白色人種に多く発生し、メラニン色素の多い(紫外線防御能が高い)黒色人種にはほとんど発生しません。このことから、発生には紫外線が影響していると予想されています。
現在ではまだメラノーマを予防する確実な方法はないため、早期発見に努めることが一番大事です。


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