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MD炎王スネークアイ クシャトリラ採用構築の試み


お断り

・本記事は【炎王スネークアイ】についてのものですが、筆者はマスターデュエルで実装されて初めてこのデッキを触り始め、つまりおよそ1週間程度しか使っていません。理解の浅さや知識不足等、お見苦しい部分が目立つかもしれませんが何卒ご容赦ください。
・各種展開ルートは省略しています。


はじめに

 こんにちは、えがわ(@suntea_md)と申します。普段はマスターデュエルをプレイしており、折を見てコミュニティ大会に参加してはパッとしない戦績を量産しています。前回のDCで200位ちょっとだったので、今回から銀アイコンを目指していこうと思っています。

 本記事は現在(2024/6/14)の【炎王スネークアイ】に関する自身の理解と構築の試行錯誤、変遷の言語化を目的に執筆しています。後半になるにつれてオリジナル要素が強くなっていきますので、一般的なプレイや構築を参考したい方はご注意ください。



従来の【炎王スネークアイ】について

【炎王】とは

 破壊に関連して固有の効果を発動できる炎属性 獣・鳥獣・獣戦士族で統一されたテーマです。〈聖炎王ガルドニクス〉や〈炎王ポニクス〉を主軸としてリソースを循環させ、〈炎王神獣ガネーシャ〉、〈炎王神獣キリン〉らを用いて展開や妨害を敷くのが基本の動きです。
 初動となる〈炎王ポニクス〉が炎属性レベル1であることから罪宝ギミックと極めて相性が良く、先攻盤面の強度、リソースの厚さ、再現性の高さが強みです。

【炎王スネークアイ】とは

 炎属性で統一されたテーマ“スネークアイ”と炎王の混合構築で、罪宝ギミックを経由することでスネークアイから〈炎王ポニクス〉にアクセスすることが可能です。
 【純炎王】と比べて安定感の向上と先攻盤面の硬さを両立させている展開系デッキで、〈スネークアイ・エクセル〉及びエクセルをサーチできる〈篝火〉が強力な一枚初動として運用でき、また〈炎王神獣キリン〉が無効系誘発への回答として機能するため誘発貫通能力の高さが特徴です。また、デッキとしてのギミックがコンパクトで自由枠が多く、誘発にスロットを割きやすいことも長所です。


サンプルレシピ 〈炎王妃ウルカニクス〉採用型


スネークアイを混ぜるメリット

  • 展開の上振れ

 スネークアイギミックの展開力を利用することで、純構築の【炎王】よりも強力な先攻盤面を築くことが可能です。またスネークアイ自体が誘発の打たせどころとして優秀で、無効系を受けたエクセルを〈炎王の孤島〉や〈炎王妃ウルカニクス〉の破壊先として活用できます。
 ウルカニクスから動き始めた場合に余った〈篝火〉や〈原罪宝スネークアイ〉からエクセルをリクルートすることでさらに展開を伸ばすことも可能で、上方向への振れ幅が大きいです


  • 採用できる炎属性のかさ増し

〈炎王の孤島〉やキリン、ウルカニクスなど効果の起動にモンスターの破壊を伴うカードが多く、それらのコストを賄うためモンスターは多く採用したいです。特に〈聖炎王ガルドニクス〉やポニクスは炎属性モンスターの破壊をトリガーとして自身を特殊召喚できるため、炎属性の割合を大きくするのにスネークアイは持ってこいです。


  • スネークアイと炎王の二面性

 混合構築の強みです。それぞれが独立して強力なテーマであるため、一方の動きを止められてももう一方の動きで十分戦うことができます。
 スネークアイも炎王も盤面除去と展開を同時にこなせることから、先攻の強度もさることながら後攻ワンキルの再現性も担保できるのが魅力です。



【炎王スネークアイ】の弱み

  • 〈炎王の孤島〉といかいう爆弾

 一応〈炎王の聖域〉で破壊から守れるものの、〈S:Pリトルナイト〉のような破壊を介さない除去にめっぽう弱いです。先攻展開さえ通れば場のモンスターは破壊されても基本的に問題ないですが、後攻で万が一〈孤島〉を割られてしまうと目も当てられません。従って後攻は誘発やスネークアイを中心に捲っていくのが理想です。が…

  • エクセルかえして

 〈スネークアイ・エクセル〉の制限カード化に伴うデッキパワーの低下は無視できません。スネークアイから炎王への動きは強力であるものの、炎王からスネークアイへ繋ぐことは基本的に不可能で、エクセルあるいは篝火が引けなかった場合の誘発貫通力が若干心許ないです。またデッキ内の炎属性レベル1が4枚(エクセル、ポニクス、ポプルス×2)のみでその大半を展開で消費するため、〈原罪宝スネークアイ〉の墓地効果でサーチする対象がデッキ内に残っていない場面が稀に発生します。
 〈罪宝狩りの悪魔〉制限も併せて、かつての【スネークアイ】ほどのリソースの厚さは期待できなくなりました。


  • 思ったより事故る

通称"旧ガルド"


 〈蛇眼の炎龍〉や〈炎王神獣ガルドニクス〉など、引いても手数にならない、なるべく山札に眠っていて欲しいカードがいくつか存在します。エクセルからリクルートしたい都合でフランベルジュを手札コストにするのはやや憚られますし、旧ガルドに至っては引いた瞬間にウルカニクスのテキストが半分消えるうえに、孤島のコストにすると次のターンに勝手に出てきて頼んでもないのに自軍を巻き込んでモンスター全破壊してきます。
 セルフハンデスを強いてくる愛すべきバカ共のおかげで誘発貫通の要求値が上がり、1誘発で止められてしまうこともしばしばです。


  • 墓地メタやめてね

 妨害やリソースとして機能するカードのほとんどが墓地を介する効果で、従って〈ディメンション・アトラクター〉や〈王家の眠る谷 ネクロバレー〉、〈次元の裂け目〉などの墓地利用を封じるカードがクリティカルに直撃します。永続系は〈炎王神天焼〉や〈トロイメア・フェニックス〉、〈S:Pリトルナイト〉で上手く対処するしかありません。
 超融合コストムドケル?負けでいいです。

  • BAN Droll & Lock bird

 Gやアトラクターのほか、〈ドロール&ロックバード〉がかなりキツいです。〈ポニクス〉→〈聖域〉〈孤島〉→〈聖ガルド〉のようにサーチを連鎖させて手数を稼ぐデッキなので、最初のサーチにドロバを打たれてしまうとその後の展開の一切が中断されます。
 エクセル初動ならフランベルジュ+マスカレーナ貼り付けくらいはできそうですが、残念ながら彼は制限カードです。



 上記5つの分かりやすい弱点があるものの、これらを鑑みても有り余るデッキパワーがあるため、WCS2024 2ndにおいて【炎王スネークアイ】は【R-ACE】と並ぶ環境トップシェアの一角として猛威を振るうと予想されます。  
 また他にも、根強い人気の【ティアラメンツ】、【ピュアリィ】や【スプライト】系、【覇王門】や【転生炎獣】、【ホルス】、未だ強力な【スネークアイ】や【烙印】の存在も無視できません。

 概して墓地メタの通りが良い環境であり、ムドケルを採用できるティアラ、アトラクターを採用できるスプライトを対面として想定した場合に既存の構築では引きと練度でカバーするしかありません。アトラクター投げてラゼンかろびーな召喚してくれるソロモードがあれば一番楽だったんですが、無いものに文句を言っても仕方が無いので黙って練習するしかありません。
 ところが、WCS2nd開始まで残り1週間(執筆時 6/14)、もはや練度には期待できず、構築で補うことも視野に入れる必要があります。



【クシャトリラ】ギミックの採用

 そこで目を付けたのが【クシャトリラ】です。
 前DCでクシャトリラ採用のスネークアイが結果を残していたこと、またtwitterで「クシャとディアベルからアーセナル・ファルコン経由でウルカニクスが出せる」旨のツイートを見て考案に至りました。


構築案①

筆者がWCS予選 1st突破に使用した構築

採用理由

  • 〈ドロール&ロックバード〉

 先にも述べた通り、ミラーに刺さる誘発です。Gの受け札としても考えましたが、孤島からガルドニクスのサーチを終えて打つまでに2回以上の特殊召喚が必要(ガルドニクスssで3回目)なので誘発環境の今ではあまり現実的ではありません。
 刺さる対面には増Gやアトラクター並みのターンスキップ性能を持っていますが、【ティアラメンツ】や【R-ACE】などには一切の効力が期待できず、ややピーキーな札なため採用枚数に悩みます。


  • 〈クシャトリラ・ライズハート〉

 基本的にはフェンリルでサーチし、通常召喚して後述のアーセナルへ向かいます。ライズはレベル変動の際に相手のデッキトップ3枚を裏側で除外しますが、【炎王】の〈聖炎王ガルドニクス〉や【ティアラメンツ】の〈ティアラメンツ・ハゥフニス〉など、環境に動きの核となるものの諸事情でピン採用のカードが多く、それらを一切のリカバリーが効かない状態で削れるという副次的リターンを期待できます。昔タービュランス2枚飛ばしてきたやつID控えてるからな。

 また【クシャトリラ】への擬態性能が高く、誘発に対するデコイの役割もこなしてくれます。ちなみにバースを素引きしている場合、ライズのコストで除外したユニコーンをバースで呼び戻し、アーセナルからリクルートしたウルカニクスでライズを割ることで炎属性0枚から炎王展開ができます。

 元々炎属性ということもあり、ライズのみ引いた場合でも孤島やキリンの破壊先として最低限の役割は果たせると踏んで採用しました。


  • 〈クシャトリラ・フェンリル〉

禁止って書いてあるだろうが

 主な役割は自身と炎属性orバースの2枚初動です。後攻の手数としても期待でき、Gの止まりどころとしても最低限の働きはしてくれます。


  • 〈クシャトリラ・ユニコーン〉


名誉スネークアイ

 Gの止まりどころとして優秀なのは言わずもがなですが、誘発を受けた際に相手のEXを覗くことで情報面で大きなアドバンテージを得ることができます。
 
 相手が【ティアラメンツ】ならば〈ティアラメンツ・キトカロス〉を除外して出力を大きく抑えることができます。炎系なら〈賜炎の咎姫〉や〈世海龍ジーランティス〉などの大型を狙うのが定石ですが、〈リトルナイト〉、〈灼熱の火霊使いヒータ〉を除外して捲りの手数を削るのもいいかもしれません。
 
 何より、相手のデッキに〈超融合〉や〈ホルス〉系の採用がされているか否かの確認ができる点が大きいです。〈沼地のドロゴン〉や〈アースゴーレム@イグニスター〉が見えたならアンブロエール単騎の盤面で返したり、〈吸血公ヴァンパイア〉や〈希望魁星タイタニックギャラクシー〉などの汎用ランク8が目立つならばホルスを警戒して〈炎王神獣ガルドニクス・エタニティ〉は早めに使うなど、プレイの指針を明確にしやすいです。


  • 〈クシャトリラ・バース〉

 クシャトリラ専用のリソース札でありながら、「裏側で除外」という最高峰の性能を持つ墓地メタです。ユニコーンでサーチできるので1枚。〈王の棺〉で落としたホルスを除外したり、孤島解決後に破壊された炎王モンスターを飛ばしてキリンやガネーシャの蘇生先を潰したりなど、かなりの活躍が期待できます。レベル7であれば何でも踏み倒せるため、〈黒魔女ディアベルスター〉とも相性が良いです。

 ドロバがキツイのにサーチ前提のカードを増やすのはやや気が引けましたが、篝火にドロバをもらってポプルスが棒立ちするよりもバースの横でユニコーンが棒立ちしてるほうが何となく強そうということで自己解決しました。


  • 〈RR-アーセナル・ファルコン〉

 鳥獣族レベル4である〈炎王妃ウルカニクス〉を経由することで、クシャトリラやディアベルスターといったレベル7モンスター2体を【罪宝】ギミックを消費することなく炎王の動きに変換することができます。

 例えばユニコーン+ディアベルスターの組み合わせでは召喚権を使わずにポニクスの特殊召喚まで行うことができるので、余った召喚権をガネーシャに使って誘発を受けたり、エクセルでさらに展開を伸ばして〈楊陸群艦アンブロエール〉+3素材〈アポロウーサ〉の盤面を作って超融合をケアしたりなど、展開の自由度と誘発貫通能力が大幅に上がります。
 
また炎王の展開がスネークアイギミックと独立するため、ガネーシャ着地前にニビルを受けても余った篝火や原罪宝でスネークアイの展開を続け、リカバリーすることが可能です。

該当構築による3誘発貫通パターン 
相手の墓地のうららをヒータで釣り上げればアンブロ3ウーサ+キリン回収まで行けるはず



欠点

  • デッキスロットの圧迫と事故

 デッキが太いです。3テーマ分のギミックに加えて誘発ドカ盛り望月さんしたらそりゃそうだろって感じですが、クシャ込みの初動率と誘発を引く確率の兼ね合いを考えたらアメリカ人よりデブなデッキになりました。
 〈墓穴の指名者〉および〈増殖するG〉という最強カードを引く確率が下がることに加え、デッキ内の炎属性モンスターの割合が小さくなったことで7xはできるのに手札に炎属性が無いからウルカニクスが起動しない、のような事態に陥りかねません。
 またEXの枠も大変悩ましく、〈転生炎獣アルミラージ〉が抜いてしまったことでポプルスが1枚初動として機能しなくなりました。


  • 「じゃないほう」による事故

 前述のフランベルジュや旧ガルドに加え、バースという素引きでは展開に何の寄与もしないカードが増えたことで痛覚を刺激してくるような初手パターンが増えました。混合構築の宿命で仕方ないといえばその通りですが、痛いものは痛いですし悲しいものは悲しいです。


構築案②


その2 現在検証中です

 クシャトリラが手数になること、〈EMERGENCY!〉やキリンが3枚使える環境である以上無効系の刺さりが悪いことから、誘発を減らして無理やり圧縮しました。そもそもミラーや【覇王門】、【ティアラメンツ】のような誘発で止め切るべき対面が一定数存在する環境で、手数の代わりに誘発枚数を犠牲にする方向で調整すること自体が間違いのような気もしますが…

 フェンリル+ライズハートのパッケージは魅力的でしたが、召喚権を消費してしまいアーセナル展開の強みが半減してしまうこと、ライズハートが破壊効果の受け皿にはなるものの単体の素引きでは手数にならないことを鑑みて採用を見送りました。


採用理由

  • 各種誘発について

 誘発を減らしたことで2枚引ける確率が下がり、多少ピーキーでも1枚で相手の行動を大きく制限できるようなカードを採用するべきと考えました。
該当するものとしてGドロバ×3、ニビル×2の計8枚に加え、2枚目の誘発や相手のGを弾けるカード、また炎属性で破壊効果の当て先としても活用できる灰流うららを引き続き採用しました。


  • クシャトリラ・バース

 構築案①では3枚目のゴミとして紹介しましたが、ユニコーンのサーチ先として最も強力なカードであること、墓地メタと永続リソースとして優秀なこと、原罪宝やエクセルのコストとして最低限活用できることを鑑みて採用を続けました。


  • 黒魔女ディアベルスター

 本当は3枚入れたいです。



課題

  • やっぱり2枚目の誘発が引きたい

 無効系誘発の刺さりが悪いとは言ったものの、2枚目の誘発としての無効系はクリティカルに刺すことが可能です。ニビルケアと称して出てくるガネーシャやアポロウーサを無力化できることも、そもそも無効系を2枚引いていたならリトルナイトを貫通してタービュランスを止めることもできます。

 1枚で十分な働きをする誘発としてドロバを入れていますが、やはり性能のピーキーさが目立ちます。効かない対面にはとことん役に立ちませんし、アルミラージを抜いたことで炎属性に変換できず、その役立たずっぷりに拍車がかかっています。ニビルも上手い人たちはケアした上で展開ルートを組んでいますし、誘発ケアを貫通して通したい誘発を通すことができるという点では無効系も採用すべきなのかもしれません。


  • 上位互換が存在する

 誘発枚数を抑えてギミックを厚くし、手数で捲る炎サポートを全面に受けられる先攻も後攻も強いデッキ、聞き覚えありませんか。


ピーポーピーポー

 そう、【R-ACE】です。あいつらGも拮抗も墓地メタもムドケル超融合も効きません。やっぱりR-ACE使おっかな。



総括

R-ACE最強なんで墓地メタ抜きましょう!モンスター2体も使って〈深淵に潜むもの〉とかいうバニラ出すのもったいないですよ。アトラクターも弱いです。





さいごに

長々とお付き合いいただきありがとうございました。正直強いか弱いかの判別すらついていませんし、墓地メタだらけの1stで顔も環境読みも歪ませられた結果の産物のような気も薄々感じていますが、億が一にも誰かの参考になれば幸いです。
現状は構築案②で落ち着いていますが、より良い構築を発見した方は私にだけこっそりご連絡願います。できれば2nd開始前に。


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