2回目の美容室で、数年ぶりに前髪を切ってもらった
前髪を、久しぶりに切った。
正確には、つくってもらった。
パッツンの前髪は好きじゃないので、前髪ができたのは数年ぶり。
少し幼くなったけど、気に入っている。
オーガニックカラーや、ヴィーガンパーマを扱う美容室。
ここに行くのは、まだ2回目。
HPを初めて見た時、ゆるやかな雰囲気に惹かれた。
そこでは美容師さんが1人で、シャンプーからカットまで全てを担当してる。
しかも世界を放浪していた美容師さんだと…!!
SNSを頑張ってないあたりも、私の中ではツボだった。
初めて行った時から、これから先はこの人にお願いするんだろうと感じた。
美容師はセンスじゃない、と話す美容師さん。
「骨格とかイメージに合う髪型に、直してあげる。それが得意なの」
不思議な人だけど、つい心を開いてしまう。そんな人だった。
私は今まで、ロングは似合わないと言われてきた。
でも本当は、ずっとロングヘアが好きだった。
そんな話をポロっとすると
「似合う似合わないって、言ってる人の好みだから気にしない方が良いよ」
と、ハッキリ返してくれた。
励ますわけでもなく、新しい髪型を提案するわけでもなく、私の”常識”を取り払ってくれる。
それが単純に嬉しかった。
「センター分けが似合わない」と言えば
「絶対ない。それはないよ」と真顔で返してくれる。
答えに迷いはなくて、潔い。
先日、2回目の美容室に行ってきた。
前回はパーマだったけど、今回はカラー。
”染めてる”感じにしたくはないけど、柔らかい雰囲気にしたい。
「地毛っぽく、染めて欲しい」そうお願いした。
美容師さんの手にかかれば、チリチリに傷んだ金髪の毛先も、伸び切っていたカラーの境も、綺麗に整っていく。
「うん、綺麗に染まった」
地毛っぽいけど、春らしくて、柔らかい雰囲気になった髪色に、私も嬉しくなった。
すると、美容師さん。私の前髪を見ながら「前髪、どうしようか。切っちゃおうかな…」と真顔で呟いている。
思わず、笑ってしまった。
『この人にまかせれば、絶対かわいくなる』
そんな気がして、何年も流していた前髪も、眉下で揃えてもらった。
幼く見えるのが嫌で、ずっと流していた前髪。
「つくろうとするより、持っているものを生かした方が、かわいいと思う。幼いことは嫌かもしれないけど、似合ってるよ」
「今回のテーマは”やさしさ”だね」
考えていることを表現してくれて、真っ直ぐに向き合ってくれる。
「かわいいけど、大人の女性って感じ」
美容師さんの言葉に、嘘は感じられない。
だから私は、たった2回会ったこの美容師さんを、信頼しているんだろう。
最近まで”素”にこだわって、地毛に戻そうとしていた。
けれど今は、素直にかわいくなりたいと思っている。
そんな私を受け入れてくれる存在が、ありがたいのだ。
私の頑固な性格と、過去の呪いを解きほぐしてくれる美容室。
少しだけ茶色くなった髪の毛と、バランスよく切られた前髪を見て「かわいいじゃんっ」と思えた。
次は、傷んでしまった毛先のカットと、トリートメントをお願いしよう。
そしていつか「かわいくしてください」ってオーダーするんだ。