【来季は俺を見ろ!】玉川大学・菊池 健太選手
続いて紹介させていただくのは菊池 健太選手(玉川大学・新3年)。
是非最後までご覧ください!!
それではまず菊池選手のプロフィールをどうぞ!!
菊池 健太選手は右投右打の投手です。
MAX143㎞/hの力のあるストレートと落差のあるフォークで三振を奪う本格派。
先発もリリーフもこなすチームに欠かせない投手で、来季は先発の柱として活躍を期待されます。
【本人インタビュー】
~地元から新潟へ~
………小学生の頃、茂野吾郎(漫画 Majorの主人公)に憧れて野球を始めた菊池選手。
小学校、中学校と地元である埼玉県・三郷市のチームでプレーされました。
しかし、高校では地元を飛び出し帝京長岡高校へ進学することに。
埼玉県は花咲徳栄、浦和学院を始め強豪、古豪、新鋭と高校野球の激戦区。
県内でも進学先の候補が沢山あった中で地元を飛び出し帝京長岡高校へ進学を決めた理由は何だったのでしょう?
菊池:自分が中学生の時に、現帝京長岡監督の芝草監督に、帝京長岡高校に誘われ芝草監督の情熱とこの学校で甲子園を目指したいという気持ちがあり、帝京長岡高校に入学しました。
………芝草宇宙監督は日本ハムファイターズで4年連続50試合以上登板等活躍された経験のある方。
NPBでの実績がある監督からの勧誘は心を動かすには十分です!!
新たな地で挑戦する道を選んだ菊池選手ですが、入学後の道は順風満帆ではありませんでした。
当時の芝草監督のコメントでは「菊池は練習試合でもボコボコに打たれてきた。」とありました。
心が折れるようなことはなかったのでしょうか?
菊池:何回もあります。何回も野球をやめようかと考えました。
結果が出ないととことん自分を責めてしまうところがありました。
当時は気持ちが折れた時は試合や練習が終わった後に一人で泣きながらティーバッテングをしたり、シャドーピッチングやトレーニングをしていました(笑)
………当時はまだ高校生。単身地元を離れ、心細さやプレッシャーも大きかったと思います。
しかし、菊池選手は諦めませんでした!
時には涙を流しながら「それでも打撃練習などで地道に投げ続け、最後に公式戦で先発できるまで成長」しました。
なぜ結果が出ない中でも地道に努力を続けられたのでしょう?
菊池:練習で追い込まれる厳しさより、チャンスで三振をしてしまった、ピンチで絶対に抑えなければ行けない場面で打たれてしまったという場面の厳しさの方が想像以上に精神的に非常にきつくて大変だと言うことがわかっていたので、続けられたと思います。
そのおかげで今の自分があるのかなと思います。
………ここぞの場面で結果が出せない経験をされていたからこそ、絶対に同じ思いはしたくない。
その気持ちが原動力となったんですね!!
高校時代に学んだことで今に活きていることはなんでしょうか?
菊池:高校時代に学んで今に活きている事は、マウンドの度胸だと思います。高校一年生ぐらいの時は強豪校のバッターの威圧感に負けてしまい、逃げ腰のピッチングになってた思います。
当時監督にもっと自信を持って楽しそうに投げろと言われた事があったのですがそこでもっと楽しんで投げようと思い、そこからとてもマウンドの度胸がつき落ち着いて投げられていると思います。
それが大学生になった今でも非常に活きていると思います。
1年生の秋に初めてリーグ戦に登板したのですがマウンドにたつ前にその事を思い出し緊張しましたがその状況を楽しんで自分らしく投げられたと思います!
………やっぱり楽しんでプレーする選手が一番強い!
楽しむ心にどんな状況でもめげずに練習をし続けた努力が結びついて
今の菊池選手があるんですね!
~二刀流から投手専念〜
………それでは大学の話へ移ります!
首都大学野球連盟2部の玉川大学へ進学。
なぜ玉川大への進学されたのでしょうか?
菊池:監督が元巨人軍の松本監督が指揮を取っているということで、自分はずっと元プロ野球選手が監督の所で野球をやってきたので、その場所を探していた際に見つけました。また当時は二刀流で大学野球をやりたく、ここでなら出来るという話があり、この大学を選ばせていただきました。
………松本匡史監督は現役時代盗塁王を2度獲得した俊足ぶりから「青い稲妻」と称された名選手。
高校に続き実績のあるNPB経験者から指導を受けられるのは大きなメリットです!
また、二刀流ができるからという理由もあったんですね!
確かに高校時代は代打で結果を残すこともあり打撃も光っていました!
二刀流はずっとやられているたのでしょうか?
菊池:小学校時代はピッチャーとファーストをやっていました。
シニア時代はこの2つに加えて外野手もしていました。
………小学生のころから二刀流!!
しかし、今は投手に専念されています。
投手に専念される理由はなんだったのでしょう??
菊池:時間、環境が限られている中で投手、野手両方の時間を取るということが難しいという決断になり投手に専念しています。
………4年間という短い期間でどちらもやるのは確かに並みの難易度ではありませんね…。自分を最大限成長させるために選択肢を絞った。
ちなみに今でも二刀流を考えることはありますか?
菊池:たまにあります!
自分で実際に打席に立つことでバッター心理を自分で体感できたりするのでピッチングにもいい影響が出ると考えていますし、何よりバッティングも好きなのでどちらも自分の可能性を広げるために重要かなと考えています。
………自分が打者ならどこに投げられると嫌か。
そんな打者心理を読み解くことで抑えられる確率もグンと上がりそう!
二刀流の可能性を認めてくれる等菊池選手にあっているように感じる
玉川大野球部ですがどのようなチームなのでしょうか?
菊池:主体性が非常にあります!
基本的に大人の指導者は監督しかいらっしゃらないので学生コーチの方や投手キャプテンの方が練習を考えてくれてその練習をしています。
お互いにこのメニューをした方がいいんじゃないか?とか、ここはこうした方がいいよ。とかの掛け合いが非常に出来るのは良い点かなと思います。
………学生自身が協力しあって自分たちの力で成長する。
上級生や学生コーチとの距離が近いため、良い雰囲気で練習や試合に臨めそうです!
そんな環境の中で成長したと感じる点は何でしょうか?
菊池:変化球の精度です!
今までは、変化球に中学生時代、高校生時代とあまり自信がなくストレートに近い変化球、ツーシームやストレートなどしか基本投げられなかったのですが、現在NEXTBASEという施設に通っていて、そこで変化球を磨き奪三振能力が高くなりました!
ストレートの精度も大切ですが、変化球がある事でピッチングの幅がかなり広がりました。
………変化球が良くなれば、自信のあるストレートもより活きてくる!
NEXTBASEとはどのような施設なのでしょう?
菊池:NEXTBASEは、自身のフォームや投げる球の質のデータ化、トレーニング指導 測定などを行い評価して下さる施設です。
自分はここでの測定で自分の現在地を知り、投げる際にどこでパワーがロスしてしまうのか、どのトレーニングが必要なのかなどを測定していただくことで自身のパワーアップに繋がっていると思います。
………細かく自身のデータを取ることで冷静に自分を見つめられる。
より効率良くトレーニングを積んだことで毎日最高の自分を更新できますね!!
球速もだいぶ伸びたのでは?
菊池:はい!
高校入学当時は120km/h程度で、高校卒業時は133km/hでした。
今は143㎞/hです!!
………高校入学から数えると23㎞/hアップ!大学入学後も10km/hアップ!
下級生から登板を重ね、外部指導も加わって順調に見える菊池選手ですがこの秋は悔しい経験をされたこともあったそうで。
菊池:大学2年秋のリーグ戦 足利大学戦です。
抑えで出ましたがサヨナラホームランをバックスクリーンに打たれてしまいサヨナラ負けをしてしまいました。
打たれた瞬間は頭が真っ白になりいままでやってきた野球が通じなかったんだと思いどうにもならない気持ちでした。
その時同い年のキャッチャーの飯島が少しだけ慰めてくれたのですが何も話が頭に入らなくその場で崩れ落ちて号泣したのを覚えています(笑)
………同点の場面で登板したものの相手の4番にサヨナラホームランを浴びてしまった。
泣き崩れるほどのショックを受けたとのことですがどのようにして立ち直られたのでしょうか?
菊池:ひたすら泣いてからひたすら自分であの時何がダメだったのか、どのようにするべきだったのか等を考えて次は絶対抑えてやるって気持ちに切り替えて生活しています。たまにホームランを打たれた動画を見て、もうこんな悔しい思いはしないために動画を見返しています。
………敢えて悔しい場面を見返すことで気持ちを奮い立たせている!
厳しい状況でもあきらめず現状を打破する気持ちの強さはやはり菊池選手です!!
~菊池選手自身を深掘り~
………それでは菊池選手ご自身についてもう少しお聞きしたいと思います。
ご自身のアピールポイントはどんな点だと思いますか?
菊池:真っ直ぐの威力とフォークの落差です!
………どちらも自信あり!しいて言うなら決め球はどちらになりますか?
菊池:フォークです!自信があります!
………切れ味抜群のフォーク!ストレートとのコンビネーションでいくらでも三振が取れそうです!!
そんな自慢のフォークを伸ばすためにどんなことをされていますか?
菊池:ひたすら指先のスーパースローの映像と、ラプソードの数値を見ながら練習しています。
自分の感覚が良くても回転数や変化量のデータが良くなかったら元も子もないので自分の感覚やキャッチャーの感覚だけでなく、データを重視しながらピッチングしています。
またストレートの回転数を上げるために2キロの小さいメディシンボールを人差し指、中指、親指で掴んだり離したりして、鍛えています。
………先ほどお話しいただいたNEXTBASEで計測したデータを最大限に使用!
ストレートの回転数と回転軸を改善していけば質も向上していきます!!
施設での練習では奪三振率が上がったともお話がありましたが、奪三振にこだわりがあるのでしょうか?
菊池:あります。
奪三振はゴロやフライ、ライナーとは違いほぼ100%アウトが取れるものです。
それが外野フライだと70% 内野ゴロだと77%と高確率でアウトになりますが、逆に言えば30%〜23%の確率でアウトにならないという事で、三振をとる方が失点確率が低いので奪三振は意識しています。ただ奪三振取ることは意識していますがそのバッターに対して最善のボール、奪三振にこだわりはありますがまずは最もアウトにさせられる確率が高いボールを選んでいくことの方が重要かなと感じます。
………確かにどんな名手でもミスはありますし、確実にアウトを取れる三振は重要。
ですがそれにこだわりすぎると自滅することもあるので打者を討ち取れるボールを選ぶことに集中されるとのこと!
では逆に自身の課題はどこだと思いますか?
菊池:調子の波がある点です。
………長いシーズンで調子をキープし続けるのは難しい…。
調子を安定させるためにやっていることはありますか?
菊池:自分は調子の波が毎シーズン違うので試合前に出来るだけ毎回同じような行動、ルーティーンを取るようにしてます。
具体的にはまず朝は初動負荷トレーニングをしてからバスに乗って移動中バスの中で同じ動画、音楽を聞いたり同じ食事をしたりしてます。
試合前は同じアップをしたり投球練習で投げる球種の数を決めていたり試合中はグランドの白線をまたぐ際に右足から入ったり、マウンドへの一礼など多くの事をルーティン化して、調子の波を抑えられるようにしています。
………ルーティンを固めればピンチでも平常心を乱すことなく良い結果を出せそう!!
スポーツ選手は自分のルーティンを決めている方も多いですし、菊池選手の登板時は注目ですね!
長所を伸ばす、短所を克服するための練習をするうえで技術の参考にしている選手や憧れている選手はいらっしゃいますか?
菊池:参考にしている選手は現阪神タイガースの茨木秀俊投手です。
高校時代の後輩なのでマメにYouTubeの動画等を見るのですがすぐにLINEで「なんでこうしてるの?」や「これどうやって投げるの?」ってすぐに聞いて参考にして、次の日の練習で試しています!
………2022年ドラフト4位で阪神タイガースに入団した茨木選手!!
ここでもNPBでプレーされる選手から話を聞けるのは大きなアドバンテージになりますね!!
菊池選手といえばグラウンドでの振る舞いがすごく丁寧にうつります。
やはりこういった部分は大事にされているのでしょうか?
菊池:自分はマウンドに向かう際一礼をしてから入るルーティーンがあるのですがその際にここに立ちたくても立てずとも応援をしてくれる投手陣や野球をやらせていただいてる親への感謝、見に来てくださってる観客席の方々、試合を運営してくださる学生の方や審判の方々の事を考えながらこの一礼に込めています。
この事をプレーする際に最も意識しながら投げています。
………スポーツマンとして、そして人として大事な部分ですね。
いつごろから礼節の部分を大事にされているのでしょうか?
菊池:高校生の時からです。
野球をやっていて礼儀というのは始めた時から言われることですが、中学生までは形式的になっていましたが高校生になり野球をやらせてもらっているのは色々の人の協力があることを再確認してどうやったら自分たちのためにやって下さる方々に気持ちよくやってもらえるかなと考えたら礼儀かなと思いました。
また、礼節をきちんとやっている選手は心に余裕があるように見えてとても良いと感じて大切にしています。
………帝京長岡高校に入学してから本当の意味で気づけた!
私も人として見習わなければならないと感じました。
最後になりますがシニアの元日本ハムの阿久根監督から芝草監督、松本監督とNPB経験者の指導を受けていらっしゃいますが、ここに拘る理由を教えてください。
菊池:元プロ野球選手の監督の元で指導を受け続ける理由としてやはり日本のトップレベルの野球、NPBでの経験というものは自分が考えている1つ、2つ上のレベルの野球を教えて下さったり、打者との勝負勘というものも教えて下さったりしてとても勉強になることが多いので元プロ野球選手の指導を受けるという事にこだわりはあります。
………日本のトップレベルでの経験を直接聞けるのは貴重な機会。
日々の練習の中でも勉強することが多い!!
~番外Q&A~
Q.菊池選手が今まで対戦した中でこの選手は凄いと思った選手はいますか?
菊池:現IMFバンディッツの幌村選手です。
高校時代どこに投げても打たれてました。彼は天才でした。
………帝京長岡高時代は安打製造機としても名前が知られた幌村選手。
社会人でも既に結果を残しており、将来が楽しみです!!
Q.理想の投手像を教えてください!
菊池:山下舜平太投手です。
威力の高いまっすぐを軸にピッチングを組み立てられる能力はとても良いと思います。
………今年、大ブレークを果たしたオリックスの山下投手の名前が上がりました。
勢いのあるストレートとキレのある変化球で三振を奪う投球は理想形!
Q.この選手には負けたくないという選手はいらっしゃいますか?
菊池:もう引退してしまいましたがウェルネス大の塚田大輔選手です!
高校時代先輩であり、大学野球でも多くのイニングを投げていてとても凄い投手だなと思いました。塚田投手を越えられるように頑張りたいです!
………日本ウェルネス大でエースとして活躍された塚田大輔さんの名前が!
2戦連続先発でも好投するタフネス右腕に負けない投球に期待大!
Q.今までで最も嬉しかった瞬間はいつですか?
菊池:高校の時最後の試合で、7回3-1 2O R1,2塁というとても大事な場面で代打で出たのですが、その際にツーベースを打つことが出来て同点になり嬉しすぎてガッツポーズをしてしまいました(笑)
………高校最後の試合をあげていただきました!
最後の夏の代打での活躍は記憶に残りますね!!
Q.先発とリリーフどちらも経験されていると思いますが、どちらが合っていると感じますか?
菊池:先発だと思います。
先発は試合開始時間が決まっていてそれまでに自分のやりたいことアップや試合前だけしたいことや着替えなどがゆっくりできるのに対してリリーフ等はすぐに出番が来るので直前にちょっとした準備ができないことがあまり好きではないので先発の方が良いかなと感じます。
また試合のリズムを1から作れるという点も先発の良い点かなと思います。
………しっかり準備をしたいので先発が良いとのこと!!
ルーティンをしっかりこなすためにも時間が必要です!
~これからの目標~
………最後に今後の目標をお願いします!!
菊池:もっと高いレベルで野球を続けることが目標です!
そのために首都二部で活躍してベストナインを取ったり成績ランキングで1位を目指したいです。
また首都大学で球威、球速、スタミナ、コントロールで他の選手を圧倒できるような選手になりたいです。
応援の程よろしくお願いいたします!
諦めない心の強さで力投続ける菊池投手。
繰り出されるフォークの点キレと落差、グラウンドでの礼儀正しさ等見るべき点が盛りだくさんなので観戦しに行く際は是非菊池選手の登板に期待してください!!
今年度、来年度と快投を見せ上の舞台へ羽ばたくことを心よりお祈り申し上げます!
菊池 健太選手
ご協力本当にありがとうございました!!
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