ひよっコメンテーター☆ケツユキ!〜初陣・グッディ編〜
ぼくの名はひよっコメンテーター☆ケツユキ!最強のコメンテーターになって、ぼくのコメントで日本を正そうと、日夜頑張っているってわけ!
ぼくのパーソナリティを知らない人は、前の話を見てね?
https://note.com/sunsun291_/n/n3506ad45a8a3
うん。見てみなよなんでもいいから。見てよほら。見ろって。見ろってほら!ほらほらほらほら!何にも知らないくせにいい加減なこと言うな!!そうやってみんな僕のことバカにするんだろ!!!!!
…ごめん。ここ何年か、こんな風に感情的になることがままあるんだ。許してね?
僕もいつか、テリー伊藤さんや張本勲さんのような、鋼のコメントを持つ最強のコメンテーターになってみせる!その為にも、日々の鍛錬を怠ってちゃいけないんだ。
今日の朝起きたらミヤネ屋がやってたから、ミヤネ屋で鍛錬することに決定!
…ミヤネは自分の主張がしっかりあるタイプのキャスターだから、コメンテーターとしては中々口挟むの難しいんだよな〜、、
うーん、なんかこっちに口挟む余地もねえや!もういい、消そっと。
…ピッ!
「もう、またー?お母さんミヤネ屋見てたのに…」
「うるさいやい!こんなワンマンフリーアナのプロパガンダ番組に洗脳されてたら、右向け右の没個性人間になっちまわぃ!MXの通販にでもかじりついてな!」
…言ってやった。母ちゃんは目に涙を浮かべてる。齢66にもなる耄碌母ちゃんに、正論コメント叩きつけてやったや!
最近はもうね、寝て起きてテレビ見てコメントの鍛錬して、母ちゃんからの説教シカトして、パチンコ行って(しかも近くのパチンコ屋は今閉まってるから、わざわざ埼玉まで出向かないといけないんだ!)帰ってきて飯食って両親からの説教食らって朝方まで泣いて、っていう生活を一年365日、ほぼ毎日送ってるから、なんかもう自分を変えたくて変えたくて仕方ないんだ!
埼玉のパチンコ屋に向かう道すがら、今日もなんだか涙が溢れてきたや!悲しくなんかないのにな〜。
そういえば昨日、昔イジメてた舎弟のもう太郎とリモート飲み会というのを初めてやってみたけど、あんまり楽しくなかったな〜。
もう太郎は三菱地所レジデンスってところで働いてるんだけど、春の人事で常務になったんだって。歴代最年少で。知らないよ!ムカついたから今度腹パンしてやるんだ!
そういえば、もう太郎の娘が画面に映り込んでたけど、中三なのにもうハタチぐらいの女の体に成熟しててお風呂上がりで火照ってて色っぽかったなぁ〜。なんでもう太郎は平然としてられるんだよ!娘だからか?!
昨日は緊張して聞けなかったけど、今度もう太郎づたいにライン聞いてみよっと。
そんなことを考えていたら、
「ねえケツユキ、いつまでそんな生活を送ってるのよ?」
この、ぼくの身体にまたがりヒャコヒャコと僕の両玉を捻りあげている女の子は、もう一人の幼なじみであるゆうこちゃん。某キー局のプロデューサーで、情報番組などを手掛けながら高校生と中学生の女の子を育てあげているパワフルシングルマザーって訳。
「うるさいなあ!僕だってコメンテーターになるにはどうすればいいか、精一杯考えてるさ!」
「それは分かってるわ」
そう言うと、僕の両玉を捻りあげるゆうこちゃんの手を払い除け、僕はダブルベッドにあるスイッチを押した。ベッドはゆっくりと回転しはじめる。
「…今度ね、私の担当してる番組で一人、欠員が出たんだけど…」
「なんて番組?」
「平日のお昼にやってる、グッディっていう番組あるの、分かる?」
「ちょっとゆうこちゃん!これでも僕はコメンテーターだよ?!安藤優子さんの番組でしょ?勿論、存じ上げてるさ!見れてはないものの」
「見れてはないんだ!?」
「見たいんだけどね、ちょっと忙しくてね」
「まあいいや。あのさ、安藤優子の隣の人いるじゃない?あのー、なんだっけ。」
「あの人でしょ?あのー、ショムニとかに出てた…」
「そうそう、トリビアで八嶋さんの横にいた、元劇団離風霊船の…」
「あ、高橋克実さん!」
「そうそう、高橋克実!その人がさ、なんか来週、早めの夏休みを取るとかで安藤優子の隣ガラ空きなのよ」
「安藤優子の隣ガラ空き?!」
「どう?そう悪い話じゃないと思うけど…」
「コメンテーターとしての初陣が、キャスターもどきの俳優崩れの代打だなんて…」
「そんなことないわ、なんてこと言うのよ!高橋さんはキャスターとしてとっても優れてるのよ?安藤さんだけだとちょっと絵が強すぎるから、あれぐらいの人の方がちょうど中和されていい感じになるし、物腰が柔らかくてスタッフ受けだってとってもいいんだから!」
「なるほどそういうことか…さしづめスペアリブの隣にあるマスカルポーネってとこだね…」
「ちょっと分かんないけどうん、いいよそれで」
「その役割を、僕に…」
「ちょっと経歴とかだけ詐称してもらわないといけないんだけど…大学はまあ早稲田とか名乗っとけばどうとでもなると思うし…オネエの料理研究家みたいなことでどうかな?」
「早稲田卒の料理研究家オネエか…料理は一度たりともしたことないけど、平野レミなんかよりもワイドショーは見てる。主婦の望んでるコメントは分かるよ」
「本当?!じゃあ、今度の月曜日、編成との打ち合わせがあるからお台場まで来て。そこでケツユキくんのこと紹介するわ。タクシー代は出すから」
「…」
ぼくは、ゆうこちゃんの言葉に返事をせず、瞳を閉じた。
ついに、、ついにこの時が来たのか、、僕は、僕はこれから、コメンテーターになるんだ。初陣がグッディか…多少小粒感は否めないけど、デビュー戦としては正直これぐらいの方がいい…
「どうかな?悪い話じゃないと思うんだけど」
「…うーん、、やっぱごめんいいや」
「え、なんで?」
「いやなんか、ぼくってやっぱ、腐ってもコメンテーターだからさ。高橋さんの役割もめちゃくちゃ重要だと思うけど、それはなんか、あのー、こんなこと言うとあれなんだけど、あんなことの為にテレビなんか出るぐらいだったら家でフォートナイトしてた方がまだマシと言うか…だからうん、ごめん。今回パスでいい?」
「いや、え?だってめっちゃチャンスだし…」
「何でもかんでもチャンスだからって飛び込めばいいってもんでもないと思うし…高橋克実さんの休みを何とかできないの?やっぱり休みなしにするとかリモートで出演させるとかこのご時世だし色々と手はあると思うんだけど…」
「うーん…それはもう既に決まってるから…実は編成の人にもう、いい人いますってケツユキ君のキャスティング提案してあるんだよね…」
「えー…なんで勝手にそんなことするの?」
「いや、今回は流石に断らないだろうと思って…」
「うーん…じゃあまあ、とりあえずまあ…じゃあ分かった…とりあえずその、編成さんとの打ち合わせだけは出るわ…ゆうこちゃんのメンツもあるだろうし…」
「本当?」
「うん、とりあえず行くは行くから、あとはその、編成さんの感じと、まあこれぼくはぶっちゃけどうでもいいんだけど、まあギャランティ次第かな」
「分かったーとりあえず来週また連絡するわ」
「うん、よろしくー」
と言うことで、来週ついに、キャスティングをかけて編成と対峙することになったケツユキ!
次回、「ひよっコメンテーター☆ケツユキ!第三話、広いけどなんか臭いなフジテレビ」
絶対に見てくれよな?!
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おわり
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東京で劇作ってます、fukui劇の福井しゅんやです。
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