歴史を知らぬ法学部生
学部の3年生になって、流石に自分の得手不得手もわかってきた。
(得意)実定法学>政治学=基礎法学>>政治史(苦手)
こうである。もちろん、実定法学も得意と言えるほどではない。あくまで相対的な評価だ。
ざっくり言うと、実定法学では民法や刑法などの人により定められ、実際に運用される現実的な個別法の解釈を学ぶ。基礎法学では比較法や法哲学、法史学などの法全般に共通する法的な性質を学ぶ。
基礎法学の中でも法史学には比較的苦手意識がある。そう、歴史が絡むとダメなのだ。
大学受験では「暗記量が少ない」という理由で倫理政治・経済と地理Bを選択していたくらいだし、自主的に日本史や世界史を勉強したこともない。
特に政治史の講義は歴史の知識がある前提で進められることが多かったため、苦手意識が強いのだと思われる。
しかれども、美術史の本は何冊か読んだことがあったので、それと被っている部分は知識(僅少)と興味でかろうじてマシな理解をできる。
私は昔、法学部に進学すれば歴史とはおサラバだと思っていた。しかしやはり、不要な学びなど無いのだ。どの学問を勉強するにも、他の学問が絡んでくる。文学部の講義を理解するときに法学の知識が役立ったこともあるし、法学部の講義を理解する時に教育学の知識が役立ったこともある。
とにかく、世の中に不要な学びなど無い。今、私は大学生だ。学びの特権を持つ身分。
専門の科目以外にも、歴史、語学、福祉……。学びはどんどん広げていきたい。
――そうぼんやりと考えながら、私は今も布団に転がってTwitterを見ている。そして、完成する見込みのない政治史レポートに現在進行形で精神を追い込まれている。
つらい。