やわらかな労り
これといって何か悩みを抱えているわけでは無いが、捌いても捌いても仕事の原稿が終わらない時。毎日予定を詰め込んで心にゆとりを失った時。
そんな時、子供のように今の心情を真っ直ぐに吐露したい。おもちゃの買ってもらえない5歳児のようにその場で泣きじゃくって駄々こねたい。何も言わず黙って抱きしめ頭を撫で、全てを肯定してほしい。そんな気持ちになる事が誰しもあると思う。
それでも、そう甘えてはいられない事も頭では理解している。どこか遠くに旅に出掛けたい、友人と朝まで飲み明かしてカラオケにでも行ってその場で思いついた曲を予約しては大声で歌って騒ぎたい。
お金と時間さえあれば当たり前に、直ぐに叶えられた小さく感じていたような願望すら今は遠くに感じる。
ウイルスが世界中に広がり、仕事も在宅勤務になり、自宅で過ごす時間が増えた。
遠くに感じるとは言ったものの、この状況を割と前向きに捉えてはいる。
6畳の狭い空間だが、与えられたその一室で心地良さを作り出す楽しさを覚えた。
・カーテンを開けて外を眺める
・布団を綺麗に整える
・デスク横にお茶コーナーを作る
・アロマをたらす
・キャンドルに火を灯す
・一日頑張った手をやさしくマッサージ
・スカルプブラシで頭皮をマッサージ
・スクラブで全身を磨く
・良質なスピーカーで音を楽しむ
・小説のお気に入りの言葉を読み返す
・観葉植物をただ眺める
・心地好い素材のパジャマを身に纏う
・寝香水を付ける
・目を閉じて何も考えない時間を作る
以前の私は休みの日があれば支度をして直ぐに外へ出向いたし、家は睡眠を取る場所としか思っていなかった。
人と人とがマスクを通さず、思いっきり笑えた過去が懐かしく恋しくなる事は未だにあるが
人は与えられた空間の中で、自分を労り、癒すことが充分にできると知った。
いつまで続くんだろう。と考えない夜はない
けれど戦っているのはみんな同じだ。
少しの空間でも、自分の手で自分を労り
慰め甘やかし整えられる自分で在りたい。
どうか皆さんも目の前の事を頑張りすぎず、
ほっとひと息できる空間を作ってみてください
今日もお疲れ様です🌼
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