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さんさーらとヤギの物語⑬いよいよ出産~赤ちゃんヤギ誕生編~
出産編、前回の話はこちら👇
獣医さんが到着して、いよいよ子ヤギを取り出す体制を整え、娩出に備えた。
胎位を正常に戻すため、獣医さんがユリルの産道に手を入れた。
だがやはり、産道がかなり狭いらしく、獣医さんでもなかなか奥に手が入れられない様子。
もう一人の獣医さんが、手が小さく、入りやすいだろうということで、介助を代わった。
入った!そして、子宮の中から足を引き出そうと、何度も何度も探って、でも、足が中で曲がっているのか、なかなかつかみきれないらしい。
何度もあきらめずに胎位を調整してくれている。ユリルも苦しそうにもがいている。もう私はただただ、頑張れ!と心の中で祈るしかない状況。また神様に祈る。
そして、何度かやるうちに、前足をひきだすことに成功!
そして、出てきた前足に紐をしばって、ひっぱる。
でない・・・・
どんなに引っ張ってもでない。
獣医さんたちがあきらめずに何度も何度もひっぱってくれる。
頭の位置が悪いのか、どちらにしてもやはり産道が狭すぎるようだ。
ふつうは前足が出れば、少し引っ張ればすぐでてくるらしい。
もう破水からもだいぶ時間が経過。
ずっと引っ張り続けていて、相当ストレスはかかっているはず。
子ヤギはだめかもしれない。。。
そんな重苦しい雰囲気が流れる。
でも、それでも、どんなに困難でも、赤ちゃんを引っ張り出さないといけない。お産は死産でも、赤ちゃんをおなかに残して途中で終わるわけにはいかないのだ。
獣医さんも交代しながら試行錯誤しながら頑張ってくれてる。
ユリルも、へとへとになりながらもまだ頑張ってる。
もういちど、赤ちゃんの位置を調整してひっぱる。
出ろ!!出てくれ!!お願い!!
頭の中で何度も叫ぶ。
そして、その時、手ごたえが変わったのが傍目に見ててもわかった!
その直後、ついに、赤ちゃんが出てきた!!
よかった、出た!!
獣医さんがすぐに蘇生
動いた!生きてる!!
よく、頑張った!!(涙)
ユリルも無事だった、本当によく頑張った!!
子ヤギは、未熟児だった。。。
未熟児のヤギ、体が小さく、細く、関節もブラブラ、全身がぐにゃぐにゃ弛緩している感じ。
ヤギの赤ちゃんは生まれて間もなく自分で立ち上がり、お母さんのおっぱいを自分で探して飲み始める。
だけどこの子は、、、
自然では淘汰される存在なんだろう。弱くて儚い命。
でも、私のところに来てくれたからには、全力をつくす。
この儚くも強く生きようとする意志、それを全力で守りたい。
次に続く。。。