さんさーらとヤギの物語⑭母ヤギの産後経過と未熟児ヤギの看護
出産編の赤ちゃん誕生のお話、前回の記事はこちら👇
大変な難産の末、生まれてきた未熟児ヤギ。
人間の赤ちゃんもそうだが、未熟児にとって、お母さんの出す初めてのお乳、初乳は、命を繋ぐためにとても重要だ。
初乳には、赤ちゃんを守るための物質が豊富に含まれている。
私の認識では、これに代わる代用品はない。
人間のお母さんも、未熟児の赤ちゃんを産んだら、一生懸命まだ少ししか出ない初乳を搾り、1滴でも2滴でもいいから必死で集めて、保育器に入っている赤ちゃんのもとへ届けるのだ。
ヤギにとっても初乳はとても大事らしい。
健康に生まれたヤギでも、生後数時間以内に初乳が飲めるかどうかでその後の明暗をわけるらしい。
獣医さんが、産後横たわっているユリルのお乳を搾る。
おおーこんなにたくさん出るんだあ!!と思わず関心してしまった。
黄色くて、濃厚なドロドロした初乳が、あっという間に100ml以上搾れていた。
すごい濃厚、クリームみたい。獣医さんもこんなに濃い初乳は珍しいと言っていた。ずっと下痢で脱水状態だったからかなあ。。。
この初乳を子ヤギに与える。
自分で飲めないので、経鼻チューブを子ヤギの繊細で細い鼻に通し、胃に直接入れる。
獣医さんが、丁寧にチューブを小さな小さな子ヤギの鼻に通していく。
緊張で思わず息をとめてしまう。すごいなあ、、技術に惚れ惚れ。
50mlの初乳が子ヤギに投与された。
けっこうたくさん入れるんだなあと思った。
残りの初乳は子ヤギのおなかの具合をみて、明日飲ませてくださいと渡された。もうこれ以降は、口からシリンジで投与していいということだった。
子ヤギの直後の処置はここで終了。あとは保温(室温程度でOK)に努める。
産後のユリルのほうはというと、とりあえず落ち着いている様子。
ここで、産後のヤギに与えるといいものを教えてもらいびっくり!!
なんと、みそ汁!!
獣医さんに言われて、宮古味噌をお湯でといた簡単なみそ汁を用意して、ユリルに与える。
警戒してる??自分からは飲まないユリルに獣医さんが指でなめさせる。
少しでもいいので、飲まなければなめさせてあげて、と。
すると、ユリル、自分から飲んだ!!
少しだけど、飲めて一安心。
あとは、ユリルのほうは胎盤が残っているが、これはもう自然に任せてほっておいていいとのことだった。
むしろ、こっちが引っ張って出そうとしてしまうのはやってはいけないらしい。
途中まで出て、ぶら下がった状態になってもそのままほっておいてください、と言われた。
すべての処置が終わって、獣医さんたちが帰った後、私の2匹の看護が始まった。
とにかくこの日はまだ2匹とも不安定だったので、とにかく気が気じゃなかった。
未熟児ヤギのほうは、小屋に移して、冷えないように枯草とタオルをひいて、小屋の隙間風を防ぐために段ボールで目張り。
夜中もちょこちょこ様子を見に行き、未熟児なので、低血糖にも気を付けるため、たまに初乳をなめさせて、温度に気を配った。
見に行くたびに、乾いて毛もふかふかしてきて、立てないけど、もぞもぞ動いて、小屋の隅の隙間に落ちそうになっていた。うん、元気。
ユリルのほうは、激しいお産の影響で立てないかもしれないといわれてたけど、夜中、見に行った時に立っていた!よかった、大丈夫だ。
そして、お尻からなにかがぶらさがっている。
胎盤!!
よかった、胎盤もちゃんとでてる。
その後、もう一度見に行った時には胎盤が完全にでていた。
きれいに出てる^^
胎盤食べないのか??と思ったけど興味なしの様子。
まあ、食べるヤギもいれば食べないヤギもいるんだな。(ヤギは草食動物だけど、胎盤は食べれるみたい)
また、みそ汁を少し舐めさせて、草を近くに置いて、そのまま様子をみた。
とりあえず2匹とも産後の経過は良さそう^^
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