さんさーらとヤギの物語⑯生後2~3日目。獣医さんの治療がついに終了。
生後二日目。
リンクは、だいぶ立ち上がる時間が長くなってきた。
でも、まだ足がぐらぐら、蹄で立つ動物なのに、このように、本来なら曲がるべきでないかかとにあたるところまでが曲がってそこで支えている。
足の裏も、猫の肉球みたいにぷにぷにで柔らかい。
これ、痛そうだし足が変な風に曲がって成長しちゃわないかなあ、と心配になるくらい。
でも、本人、いたってやる気満々のため、滑って転びながらもなんども足をプルプルさせながら立って必死(;'∀')
まあいっか、頑張ってるし。
リンクへの授乳は、4時間おきくらいに20~30mlくらいこまめにあげていた。
おなかの膨れ具合を触診でみて、それを目安にあげてね、と獣医さんからおなかの具合を見る方法も教わっていた。
ユリルの搾乳も朝晩2回ほどすることにした。
産後2日目には真っ白な成乳に。
でも、おっぱいの量が少ない。全然足りないので、代替品で補足する必要がある。
代替品はヤギ用の粉ミルクでもあるのかなあと思ってたら、『牛乳』でいいとのこと。牛乳でいいんだ!それは楽だし、自分たち用と共用できていいね。
あと、もう一つ、やってみてと言われたのが、ユリルの乳に直接吸い付かせる練習。
ユリルを紐で繋いで、まだ首の座りきってないリンクの頭をお乳のほうに持っていく。
すると、リンクはこちらがサポートすれば吸い付けそうだけど、ユリルが嫌がった。リンクの口が乳首につくと、体をのけぞって逃げようとする。
しまいには、リンクを頭で押して頭突きして追い払おうとするようになってしまった。。。
これは危ない、と思い、直母中止。
また様子を見て、もう一回チャレンジするか。。
自分で飲んでくれたら楽なんだけどなあ。
この日、獣医さんから様子どうですか、と電話があったのでユリルが授乳を拒否することを相談してみた。
母ヤギが授乳を拒否することは、往々にしてあることだということ。
無理そうならこちらが代わりに人工哺乳で育てることになる。人工哺乳すると、ヤギはものすごく懐くのでかわいいですよ、と。
一日のミルクの量はだいたい100ml×3回くらいを目安に。
というアドバイスをいただいた。
そうかー、ちょっと大変かもしれないけど、もう割り切って人工哺乳するってすればいいのかも。しかも人に慣れてくれるなら、宿のお客さんと今後触れ合うときにもメリットになるし。
と、前向きになれた。
そして、ユリルの経過、リンクの経過も報告し、あとは家での対処で大丈夫そうだろうということで、今日は訪問診療なしで様子見ましょうということになった。
5月3日にユリルがひどい下痢になって以来、毎日欠かさず訪問(8日間連続!)して治療と助産、産後の治療までしてくれていた獣医さん、10日の診療をもって一旦終了となった。
本当に今日までのことを思い返すと感慨深く、感謝でいっぱいです☆
2匹が積極的治療が必要なくなったくらい元気になったということであり、喜ばしいことでもあるが、毎日当たり前のように来てくれていた獣医さんの訪問がついになくなるんだあ、と寂しくもあった。
さあ、いよいよここから本当のスタート、試行錯誤の未熟児ヤギの育児、2匹のヤギとの生活が始まるんだ。
生後三日目
リンク、食欲旺盛で、活気がでてきた。
ミルクも様子見て量を増やしていった。一気に50~80mlくらいぺろっと飲むように。
シリンジのチューブをおちょぼ口みたいなくちでチュッチュッと飲む姿がかわいい。
子供たちもリンクのかわいさにメロメロ。積極的に世話を手伝ってくれる。
シリンジではよく飲むようになってるけど、たまに口からこぼれるし手間がかかるので、哺乳瓶を試したいなとおもった。
明日から試してみよう。
ユリルは悪露がぽたぽた垂れて、陰部はまだ痛々しい腫れが残っている。
産後もずっと小屋に横たわって食欲も少なかったけど、朝、久しぶりに自分から小屋を出て、庭の草を食べていた。
ウンチはまだ軽い下痢が残っていたので、もらっていた内服薬(ボビノン)を続けることになった。
このボビノンっていう薬、漢方薬みたいな匂いのするヤギの胃腸薬なんだけど、産前は症状がひどすぎたのと妊娠の影響もあってかあまり効果を感じなかったけど、産後は効果てき面!
飲ませたら次の日には便が元通りに。ユリルにはとても合うお薬のようだ。
(この後しばらく治ってはまた再発を繰り返したが、ボビノンを飲めば治るので、便がおかしいなとおもったらすぐに飲ませれば悪化せず排便コントロールできそうだなと思った。)
日に日に元気になっていく2匹、私もまた自分が子供を産んだときのように2匹の世話にやりがいを感じていた。