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ヒグチユウコ展に行ってきた

今日はヒグチユウコ展に行ってきた。

とても良かった。

展示を観ていたら込み上げてくるものがあって、堪えていたんだけど涙が出てしまった。

正直ぼくはヒグチユウコさんに関してなんの知識もなく、なにかの本の表紙で見たことがある、という程度だった。美術館はもともと好きで、今日はそっちに行く予定があったので、じゃあちょと観てみるか、くらいの軽い気持ちで行った。

原画が展示されているので筆圧とか修正されてる部分も見ることが出来て面白い。線の一本一本がすごく緻密。

線が細かすぎて、大きく引き伸ばされた絵も展示されていたけどそれですらまだ細かいと感じた。

完成までにどれくらい時間がかかるのか。ぼくみたいに途中で匙を投げるような半端なヤツには絶対に辿り着けないところにその絵はある。積み重ねていくこと、投げ捨てずに積み重ねていくしかないんだと思った。

ヒグチユウコさんはいろんな動物を描かれているんだけど特に代表的なのは猫だろう。

2足歩行の猫、服を来ている猫。猫が人間みたいに描かれていて、人間を描いたものより絵画の点数が多い。

なんというか、可愛いくてファンタジーなのに、絵が緻密で精巧なのでちょっと恐ろしかった。

人間が地球を支配していなかったら、もしかしたら2足歩行の猫が世界のヒエラルキーの頂点だったかもしれない。そしたら人間が支配する世界よりきっと平和で穏やかだっただろうなぁ。だって猫とかウサギみたいに皆がもふもふしていたら争う気にもならないじゃないか?

絵の緻密さが、リアリティさが、まるで世界のパラレルワールドを見ているかのようだった。人間が生物の頂点に立った理由が明らかにされているのか知らないけど、多分ほんのちょっとのきっかけで地球の支配者は変わっていたはずだ。そう思うくらいその絵の中の世界が“現実”だった。

それから上半身は猫で足は蛸のような猫、他にも頭から植物を生やしているウサギなどなど、すごく幻想的で

人間だって進化の過程が違ったら下半身は蛸の足のように進化していたかもしれない、髪の毛ではなくて植物が生えてくるように進化していたかもしれない、そういう生物の多様性とか、

動物と植物を分け隔てない感じが、ぼくらは自然の一部で、そして人間も植物も動物も等しく同じ命なんだということを訴えかけてくるようだった。


ぬいぐるみの猫「ニャンコ」の展示が個人的には特に印象的で、ニャンコを抱き締めている絵に感動した。ここまで作者を緻密に描かせる原動力は猫への愛情だと思った。猫だけじゃない、ここにあるもの全部がそうなんだと思った。とてつもなく、果てしなかった。


本当に観に行って良かったなと思う。見終わった後うちの猫にすぐ会いたくなった。帰って手を洗ってから抱っこした。

















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日東紅葉
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