Nikon(ニコン)のフィルムカメラ代表機種まとめ 中古で手に入れて使ってみたいおすすめ機種とは?
フィルムカメラの時代から世界をリードするカメラを作り続けていて、ぜひ中古で手に入れてみたいかずかずの名機が存在しています。
今回は、ニコンのフィルムカメラの名機を探している方のために、代表的な機種についてまとめました。
カメラの歴史に残るニコンのフィルムカメラは、フィルムで写真を撮る喜びを味わえる機種ばかり。
どの機種も共通して、非常にしっかりとしたつくりになっているので、初心者の方でも安心して使うことができますよ。
◆Nikonフィルムカメラ代表機種 一眼レフ編
まず最初に、ニコンのフィルムカメラから代表的な一眼レフカメラを紹介します。
1:Nikon F(ニコンF、1959年)
Nikon F(ニコンF)は、1959年に発売したニコン初のフィルム一眼レフカメラ。
世界で初めての「プロが仕事で使えるクオリティを持った」一眼レフカメラとして知られており、このニコンFの登場により、全世界的に一眼レフが普及したといっても過言ではありません。
デザインは戦後日本を代表するデザイナーの亀倉雄策。
三角屋根の端正なデザインは、一眼レフカメラのなかでももっとも美しいもののひとつです。
性能的にはフィルム一眼レフカメラとしては一般的なもの。
つくりは非常に堅牢で、基本的に「壊れることがない」カメラであるといえるでしょう。
2:Nikomat FTN(ニコマートFTN、1968年)
Nikomat FTN(ニコマートFTN)は、当時の日本光学(ニコンの改称前の名称)が、廉価版一眼レフとして発売したカメラ。
廉価版、といっても、堅牢なカメラを作らせたら世界一のニコンが設計しただけあって、上で紹介したニコンFに勝るとも劣らない頑丈さを誇ります。
実は上記のニコンFよりも優れた点があり、ニコンFでは露出計を交換式ファインダーに内蔵したため不格好になってしまったのに対し、こちらのニコマートFTNは最初から露出計を内蔵しているため、スマートかつ使いやすい構造になっています。
3:Nikon F2(ニコンF2、1971年)
Nikon F2(ニコンF2)は、ニコンFを改良したプロ向けフラッグシップ一眼レフカメラ。
いわゆる「F一桁」と呼ばれるカメラの二代目です。
見た目はニコンFよりも全体的に丸っこくなり、手に持ったときのホールド感がよくなりました。
シャッターの最高速度が1/1000から1/2000になるなど、機構面もすべてブラッシュアップされています。
かつてはニコンFの陰に隠れた存在だったのですが、F一桁機は次のF3から電子式になってしまうため、近年では最後の機械式(電池がなくても動く)F一桁として人気が高まっています。
4:Nikomat EL(ニコマートEL、1972年)
Nikomat EL(ニコマートEL)は、絞り優先AEを搭載したフィルム一眼レフカメラ。
電池がないと動作しない電子カメラですが、そこはニコンのカメラだけあって堅牢そのもの。
サイズこそ大柄ですが、ニコンならではのがっしりした感触はFやF2に通じるものです。
操作が非常にオーソドックスな、使いやすい機種です。
シリーズ機種として、ワインダー装着が可能なニコマートELWと、Ai方式を採用したニコンEL2があります。
5:Nikon FM(ニコンFM、1977年)
Nikon FM(ニコンFM)は、機械式の中級フィルム一眼レフカメラ。
電池がなくても動作し、すべての機構がバネとゼンマイで作られている機械式フィルムカメラのなかでも代表的な機種のひとつです。
紹介したニコマートFTnなどの流れをくむ中級機ですが、最も異なるのがそのサイズ。
ニコマートなどそれ以前の機種より大幅に小型化し、とても持ち歩きやすくなっています。
6:Nikon FE(ニコンFE、1978年)
Nikon FE(ニコンFE)は、上記のニコンFMと見た目はそっくりですが、機構が異なるカメラです。
ニコンFMがニコマートFTn系列の後継機なら、こちらはニコマートEL系列の後継機。
絞り優先AEを搭載し、電子シャッターとなっています。
電子カメラということでニコンFMのほうが中古での人気は高いのですが、こちらのニコンFEのほうが、露出計の表示方法が見やすい(FM:LED式 FE:アナログ追針式)ため、実は一定のファンがいるカメラです。
7:Nikon F3(ニコンF3、1980年)
Nikon F3(ニコンF3)は、ニコンF一桁機の3機種目にして、はじめて電子式シャッターとなった機種。
電子式シャッターですが、ニコンのフラッグシップだけあり堅牢性は抜群。
ロングセラーでもあり、なんと2000年まで20年に渡り販売され続けました。
デザインはイタリアのデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロ。
現代のデジタル一眼レフにも受け継がれるニコンの「赤」のワンポイントは、このカメラにはじまりました。
中古の数が非常に多く入手しやすいため、これからフィルムカメラを始めたいという方におすすめのニコン製カメラのひとつです。
8:Nikon EM(ニコンEM、1980年)
Nikon EM(ニコンEM)は、日本ではF3と同時に発売したエントリー一眼レフ。
(海外では1979年発売)
こちらもF3と同じく、ジウジアーロのデザインです。
特徴が、それまでのニコンのカメラとはうってかわって、絞り優先AE専用の簡単操作になったこと。
特殊な撮影には向きませんが、見た目の軽快さもあいまって、気軽に使うならこれ以上の機種はありません。
9:Nikon FM2(ニコンFM2、1982年)・Nikon New FM2(ニコンNew FM2、1984年)
1982年に発売した機械式一眼レフ。
それまでと異次元の性能を実現したカメラです。
ポイントは、最高シャッター速度が当時世界最速の1/4000秒だということ。
夢のスペックを実現したカメラとして、ニコンの技術に世界が驚きました。
シャッターの高速化により、Nikon FM2ではストロボ同調速度も1/200秒に高速化。
1984年に改良されたマイナーチェンジ版、Nikon New FM2では同調速度は1/250秒になりました。
全体の製造台数ではNew FM2のほうがはるかに多く、F3同様ロングセラーとして2001年まで販売が続きました。
このNikon New FM2は、写真を学ぶ学生に愛用されたカメラとしても知られており、フィルムカメラを初めて使う方にももっともおすすめした機種だといえるでしょう。
使えば使うほど写真がうまくなるカメラ。
それがNikon New FM2なのです。
10:Nikon FE2(ニコンFE2、1983年)
Nikon FE2(ニコンFE2)は、FMに対するFM2に相当する、FEのシャッター最高速を1/4000秒にしたバージョン。
基本的にはNew FM2の絞り優先AE搭載バージョンであるといえます。
アクセサリなども、過去のFM、FEも含め共通で使用可能です。
11:Nikon FA(ニコンFA、1983年)
Nikon FA(ニコンFA)は、ニコンで初めて、シャッター優先AEとプログラムAEを採用したカメラ。
ニコンで初めてのマルチモード機です。
最高シャッター速度はNew FM2やFE2と同じく1/4000秒。
露出モードもさることながら、発売当時このカメラが注目されたのが、非常に高精度な露出計を搭載していたということ。
搭載した5分割マルチパターン測光は、その後のカメラで主流となる分割測光に先鞭をつけたものとなりました。
この技術革新が評価され、「カメラグランプリ’84」を受賞しています。
12:Nikon F4(ニコンF4、1988年)
Nikon F4(ニコンF4)は、ニコンF一桁機のなかで初めてオートフォーカスを採用した機種。
とはいえ、今の目で見るとオートフォーカスの性能は少々不足気味。
現在ではむしろ、マニュアルフォーカスで使用する際の便利さのほうが評価されているカメラです。
非常に見やすいファインダーは、マニュアルフォーカスのニッコールレンズを味わうのに最適。
中古価格も安いので、ニコンのフラッグシップを気軽に楽しむことができますよ。
13:Nikon FM10(ニコンFM10、1995年)
ニコンの最廉価版マニュアルフォーカス一眼レフとして設定された機種。
それがNikon FM10(ニコンFM10)です。
FMというネーミングの通り、FMやNew FM2のように機械式カメラですが、実はこのカメラは「コシナ」のOEM製品。
とはいえニコン独自の味付けがなされているため使用感は良好です。
2017年時点で、F6と並んでニコン最後のフィルムカメラとして現行品になっています。
14:Nikon F5(ニコンF5、1996年)
Nikon F5(ニコンF5)は、ニコンF4の後継機として開発されたフラッグシップ一眼レフ。
特徴は、まるで戦艦のような大型ボディ。
超大型ボディに、1005分割3D-RGBマルチパターン測光や毎秒8コマの超高速連射など、フィルムカメラとしてこれ以上ない高性能を詰め込んでいます。
プロの仕事のためのマッシブな道具です。
15:Nikon F100(ニコンF100、1998年)
ニコンF5が大型化しすぎて使いにくくなってしまった反省から、F5並の機能を小型で使いやすいボディで実現することをコンセプトに開発されたカメラ。
それがNikon F100(ニコンF100)です。
機能的にはニコンF5をほぼ受け継いだもの。
露出計は3D-10分割マルチパターン測光と少し機能面で異なりますが、オートフォーカスに関してはF5とまったく同じものを採用しています。
16:Nikon FM3A(ニコンFM3A、2001年)
Nikon FM3A(ニコンFM3A)は、New FM2とFE2双方の後継機として開発されたフィルム一眼レフカメラ。
ニコンのマニュアルフォーカス一眼レフとして、最後に新規開発された機種となります。
特徴がハイブリッドシャッター。
マニュアル時にはすべてのシャッター速度が機械式に、絞り優先AEではすべて電子式に、自動で切り替わるというマニアックかつ複雑な機構を内蔵しています。
ニコン最後のMF機として、今なお非常に人気の高い機種です。
17:Nikon F6(ニコンF6、2004年)
「最後のF一桁」として開発されたフラッグシップ一眼レフです。
それ以前のフラッグシップ機、F5以前はプロの道具として開発されましたが、このF6が発売された2004年は、すでにデジタルカメラの優位が決していた時代。
そのため、写真愛好家をターゲットに「使い心地」に気を配ったカメラとなりました。
ニコン最後のフィルムカメラとして、非常に気合を入れて設計されているカメラです。
2017年時点では現行品です。
◆Nikonのフィルムカメラ代表機種 レンジファインダー編
次に、1940~50年代にニコンが開発したレンジファインダーカメラを紹介します。
18:Nikon SP(ニコンSP、1957年)
Nikon SP(ニコンSP)は、ニコンのレンジファインダーのフラッグシップ機種。
そして、日本製のレンジファインダーカメラのなかで最高峰に位置づけられるカメラです。
特徴は、贅を凝らしたファインダー。
「ユニバーサルファインダー」と呼ばれています。
標準・望遠側のファインダーと広角側のファインダーを分け、標準・望遠側はもちろんパララックス自動補正などの機能はすべて搭載。
考えうる撮影シーンにすべて対応しています。
またこのニコンSPは、この記事の最初に紹介した、ニコン初の一眼レフ、ニコンFのベースとなったカメラでもあります。
2005年には復刻版も製造されています。
19:Nikon S3(ニコンS3、1958年)
Nikon S3(ニコンS3)は、ニコンSPのファインダーを簡略化した廉価機種。
単なる廉価機種と思いきや、ニコンSPで複雑になりすぎ、ともすれば使いにくくなってしまったファインダーが改良されているため、むしろこちらを選ぶ人もいる、という機種になっています。
レス・イズ・モア。
省略の美学を感じるカメラです。
2000年にはこちらも復刻されています。
◆Nikonのフィルムカメラ代表機種 コンパクト編
最後にコンパクトカメラの代表機種を紹介します。
20:Nikon L35AF(ニコン ピカイチ、1983年)
Nikon L35AFは、ニコンが初めて作ったコンパクトカメラ。
全自動・プログラム露出の押すだけカメラですが、非常に真面目な作りで、写りにも定評があります。
搭載レンズのニッコール35mm F2.8はゾナータイプ。
見かけの被写界深度を増すことを念頭に置いた独特の設計で有名です。
愛称は「ニコンピカイチ」。
日付写し込み機能の有無で、L35AFとL35ADの2機種に別れますが機能的には同等です。
コンパクトカメラについて興味がある方は、こちらの記事もおすすめです。
21:Nikon 35 Ti(ニコン35 Ti、1993年)
Nikon 35 Ti(ニコン35 Ti)は、ニコンが初めて作った高級コンパクトカメラ。
35mmレンズ搭載です。
チタン外装に、一眼レフに比類する高級レンズ。
使う喜び、持つ喜びを感じられるカメラです。
最大の特徴がボディ上面のアナログ指針。
セイコーエプソン製の指針が、設定を変えるたびにくるくると回ります。
22:Nikon 28Ti(ニコン28Ti、1994年)
Nikon 28Ti(ニコン28Ti)は、ニコン35Tiの28mmレンズ搭載版です。
細かい改良はありますが、基本的な機構は同様となります。
◆Nikonのフィルムカメラを使ってみませんか?
魅力的な機種がよりどりみどりのニコン製フィルムカメラ。
どれも使いやすく、頑丈で壊れにくいので、初心者の方にもおすすめです。
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