【2024年版】フィルムカメラが再燃!今注目すべき最新モデルと世界のトレンドを徹底解説
2024年、この令和の時代にフィルムカメラの時代が再び到来しつつあるようです。
デジタルカメラやスマートフォンが写真撮影の主流となって久しい一方で、近年フィルムカメラへの関心が世界中で高まっており、新たに発売されるモデルも増えています。
今回は、日本や世界で再び誕生する(誕生している)フィルムカメラの動向について、注目すべき最新のモデルやトレンドを詳しく紹介します。
フィルムカメラが世の中で”流行りだした”時期は今から10年ほど前の2010年代半ばごろからになります。
人気が再燃している理由の一つは、デジタルでは再現できない「アナログの美しさ」にあります。
フィルム特有の質感やノイズ、独特の色味は、デジタル写真では再現できないものです。さらに、フィルムを使うことで「一瞬一瞬を大切にする」という感覚が強まり、撮影プロセスそのものを楽しむ人が増えています。
電源をONにしてすぐに撮影できるフィルムカメラもありますが、基本的には巻き上げを手動で行い、露出を決め、ピントもマニュアルで決める、このプロセスに現代人の”何か”を刺激する魅力があるのかもしれません。
これらの点がフィルムカメラを再評価する動きにつながっています。
また、ヴィンテージカメラが若者を中心に注目されていることや、InstagramやTikTokなどのSNSでフィルム写真が人気を集めていることも、フィルムカメラの需要を押し上げています。特に20代や30代の若い世代がフィルムカメラの「新しさ」に魅力を感じ、購入する流れをヒシヒシと感じています。
それでは早速、最新のフィルムカメラのモデルを紹介していきます。
◆PENTAX17(ペンタイチナナ)
まずは、国産のフィルムカメラを紹介します。
2024年7月に発売されたPENTAX17(ペンタイチナナ)
2000年代に入り、どのカメラメーカーも既存のフィルムカメラの製造を終了させ、デジタルカメラに全資本力を集中させていきました。
その後、スマートフォンの登場もあり、カメラで写真を撮るという行為自体がノンストレスで簡単にできる世の中に。
そんな時代に、PENTAXからフィルムカメラが登場。
時代に逆行した商品開発により、当初は社内でも理解が得られませんでした…
だが、本気でフィルムカメラを作るという熱意を持ち、現役のエンジニアや開発担当者たちは何度も会社OBのエンジニアたちに話を聞きに行き、技術の継承もしっかりと見据えた商品を開発することについに成功。
フィルム高騰や供給の不安定さを解消すべく、ハーフサイズにし、2倍撮影できるようにした点や、一番注力したのはフィルムカメラ独特の巻き上げという現代の若者には”新しい”機構を採用したことはマーケティングとして成功だと思います。
結果的に日本だけでなく、海外でもこのPENTAX17(ペンタイチナナ)は大きな話題を生み、現在でもまだまだ生産が追い付いていないほどの人気となっています。
PENTAX17(ペンタイチナナ)のスペックはこちら
◆Rollei35AF(ローライ)
あのRollei35が返ってきます…
しかもAFを搭載して…
今から約半年前の2024年春にいきなり発表され歴史あるフィルムカメラ。
フィルムカメラと言えばRollei(ローライ)35と誇張もなく言えてしまうほど、フィルムカメラユーザーであれば誰もが知る人気を席巻したカメラです。
今回はそのRollei35のリバイバルとなり、性能も現代に合わせたハイクオリティーのものとなっています。
元々のRollei35は1967年にドイツのベルリンにあるカメラメーカーRollei GmbHで誕生しました。
そしてこれまでにコンパクトカメラシリーズで多くのRollei35と名の付く機種が発売されてきました。
Rollei35について深堀した記事はこちらにありますので、ぜひ一読してください。読み終わった後にはRollei35が欲しくなっています。
Rollei35を使った作例記事はこちらになります。
そんなRollei35ですが、今回は2009年に設立された香港にあるMint Cameraが製作、販売しています。
元々はインスタントカメラやそのアクセサリー類を製造し、販売している傍らで、ポラロイドカメラで有名なSX-70などの人気フィルムカメラの修理をしている会社です。
カメラの開発に5年かかり、コロナ禍の中でチームを結成し、数々の障害を克服し、試作段階で数え切れないほどの技術的問題を解決し、半導体チップ不足を乗り越えて今を迎えました。
と開発者は語っています。つまり私たちのようなフィルムカメラを愛する世界中にいるユーザーがいる限り、Rollei35AFは成功すると言っているのです。
ついに様々な危機を乗り越え、デジタルを融合したフィルムカメラが誕生し、これからどのような歩みを進めていくのかが大変興味深いですよね。
さて今回発売されるRollei35AFの特徴はこちらになります。
形式
フルフレーム35mmシャッター
1/500 から 1 秒,2秒から60秒レンズ
固定レンズ、5枚レンズフォーカス
オートフォーカス – LiDARテクノロジー搭載
70cm~∞露出計
自動、手動露出ISO
25-3200巻き上げ
レバーによる手動巻き上げファインダー
光学ファインダー
カバレッジ:90%、倍率0.5倍内蔵フラッシュ
あり(ON,OFFの簡単操作)
フラッシュ範囲:3.5m(F2.8)OLEDディスプレイ
フィルムカウンター、露出補助
フィルム速度選択、バッテリーインジケーター電池
3Vリチウム電池(CR2)1個、充電式電池は使用不可質量
242g(フィルムと電池を除く)発売年
2024年10月末の予定
Rollei35AFはいつ発売される?
2024年10月現在ですが、発売される時期は今月末を予定しています。
当初はシルバーボディのみでしたが、ブラックモデルも追加され、フィルムカメラ愛好家たちの心をかなり揺さぶっています。
販売価格は、公式Webサイトによりますと下記になります。(為替変動で価格も変わります)
Rollei35AF シルバー:¥121,600円
Rollei35AF ブラック:¥126,100円
サンライズカメラでも数台ずつご用意ができる予定ですので、ぜひ要チェックをお願いします。
◆Nana Camera (ナナカメラ)
え、日本製?
そう思わせてくる、そんなネーミングのフィルムカメラです。
実際は、オーストラリアのメルボルンに会社を構える「FILM NEVER DIE」という人気ショップが製造・販売しているフィルムカメラです。
カメラの販売に加え、フィルムの現像やフィルムも販売しています。
こちらのメーカーで有名なのは、「SORA200」と「UMI800」というネガフィルムです。
サンライズカメラでも販売していて、個人的に好きな色味なので、ぜひお試しください。
◆WIDELUX•X(ワイドラックス エックス)
まず、簡単にWIDELUXの歴史を遡ってみます。
1952年頃に中山省三が設立した日本のカメラメーカーであるパノンカメラ商工 (Panon Camera Shoko Co.Ltd.,) において製造、販売された日本初のパノラマカメラになります。
シャッターをレリーズするとレンズが首を振り、露光するパノラマカメラで、世界中の写真家たちに愛用されてきました。
WIDELUX(ワイドラックス)について深堀をしたので、ぜひこちらもご覧ください。
そんな歴史と伝統のあるカメラを、アメリカの俳優、ジェフ・ブリッジスがこのWIDELUXを愛していました。人生の大半をそのカメラで記録し続けてきた中で、多くの人が彼の写真に魅力を感じていました。そしてある日彼はSilvergrain Classicsのインタビューを受けました。
Silvergrain Classicsという企業は、フィルム写真とアナログ写真文化に焦点を当てた企業で、主にフィルム写真愛好家やプロの写真家を対象に主に雑誌を発行したり、フィルム写真に関する商品の販売、フィルム写真やアナログ技術に対する深い知識を持ち、歴史的なカメラや技術の保存にも力を入れています。
そのインタビューの中で、ジェフはインタビュアーにこう問いかけました。
「では、あなた方はあのWIDELUXを元に戻すことはできますか?」
Silvergrain Classicsのインタビュアーの2人は最初は「良くあるジョークだ」と気に留めていませんでしたが、後日ジェフの関係者から「彼は本気のようだ」と言われ、会社として覚悟を決め、今回リバイバルとして製造することを決めました。
日本発のフィルムカメラだけあり、できれば日本企業から話題を生んで欲しかったですが、ドイツのしかもLeitzがあったWetzlar地区に近い場所に会社を構えていたので、カメラ製造会社との繋がりも深く、製造に大きな助けになっているようです。
実際にYouTubeでSilvergrain Classicsの2人がこのことについてインタビューを受けている動画があるので、時間がある時にご覧ください。
2025年、新しい時代の写真家たちのために
発売時期は不明ですが、公式Webサイトを見る限り、2025年中に商品化し、販売を開始するようです。
このWebサイトに書かれている言葉が世界中の写真家たちの心に響くは間違いなさそうです…
アナログのルーツを忠実に守りつつ、WIDELUX•Xは純粋に機械式で、オリジナルの魅力をすべて残しながら、持続可能な製造方法を取り入れています。
現代の耐久性と時代を超えた魅力を兼ね備えたWIDELUX•Xは、新しい時代の写真家たちのために、素晴らしいパノラマシーンを撮影し、世代を超えて長く使えるよう設計されています。
機械式のカメラが復活することで、また一つ時代の逆行に見えた進化を私たちは2025年に体験できるのかもしれません。
ちなみにこのWIDELUX・Xの「・」のマークの色は赤なのですが、もしかしたら「日本」をリスペクトしているという意味が込められているのかも…しれません。
◆話題が尽きないフィルムカメラをこれからもずっと
以上、4つの新しく誕生した、そして誕生するフィルムカメラを紹介しました。
あなたはどのフィルムカメラに興味を持ち、これからの人生で撮っていきたいですか?
性能やデザイン、価格もそれぞれ違い、それぞれがオリジナルの魅力を放っています。
フィルムの高騰、供給の不安定、現像の負担など様々な課題はありますが、カメラメーカーを始め、写真にかかわる全ての企業、個人の願いや想いがある限り、フィルムカメラは終わらないと思っています。
少しでも何かできることはないかを日々手探りで迷いながらトライしている姿勢を、私たちと共に応援していきましょう。
それがきっと目には見えない”コミュニティー”として機能するでしょう。
サンライズカメラでは、35mmを始め、中判カメラ、オールドレンズ、ネガフィルムを取り揃えています。
良いカメラがあるので、ぜひ寄って行ってください。
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