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6.19という音楽イベントについて

「戦争反対」
この言葉を口にしただけで白黒はっきりさせられる。
「戦争賛成」
この言葉を直接聴いたことはほとんどないのに。

福岡のソングライター岡村くんが始めて、続けてきた音楽イベント「6.19 福岡大空襲を忘れない」にここ数年関わってきた。よくいう「関わらさせていただいた」「歌わせていただいた」のではない。
関わってきた。
だって、死にたくないもん。
それ以前においしいごはんが食べられないとか、友達と集まって話すことすらできなくなるのは嫌だから。
もし仮に今、日本が
・食料自給率が高く
・歴史修正主義者が政権を奪ってない
・差別主義者が政権を奪ってない
状態なら、「戦争を忘れない」にピンと来なかったかもしれない。

忘れてもいいことなら忘れたほうがいい
けど。


いろんな事情があり、今年は岡村くんがやらないという。
早くから出演したい旨をつたえていたので、とても丁寧で未来志向の「中止決定」をいただいた。

そして、ここ数年「6.19」の主力選手だったウエムラくんが今回はやるという。出演依頼がきた時は嬉しかった。

だって歌うべきことを、一番適したイベントで歌えるから。


今回のセット、いつものように悩んだ。
人前で「つらいこと」を歌うことで与えるダメージと、受けるダメージについて考える。

出演は三人
①田代裕之
②サニー
③ウエムラ×ケンジ

てことは
田代くんが火蓋を切り、盛り上げ、沸かせ、ウエムラくんが語り、〆る。
だったらぼくは深く深く沈み込んでもいいかも、と思った。

10曲を候補に挙げて6曲に絞る

1:戦争に追いつかれそうだよ

戦争は時代のリーダーたちにやりがいに満ちた日々をくれるアヘン

2:焼け野が原(新曲)

テレビで子供の頃見た、爆弾の落ちる映像。空気を切る「ヒュー」という音。その音を歌にしたかった

3:日本人

焼け野が原から高度成長、そして衰退。福岡の焦土のうえには綺麗な外資のホテルがたち、そこに泊まることのできない日本人とアジアの人たちが人夫として使い捨てされる風景を歌ってみた

4:僕のおじさん

災害時に命懸けで人の命を守るひとが、デモ集団に殴りかかるという事実。助けた人を再び殺すかもしれないという事実。さらに、見ず知らずの人を殺しにいくかもしれないという予感。

5:ウルトラマン

なくていい命なんかないことを知りながら戦う巨人の歌

6:人の行方はやがては銀河

人はやがて死ぬ。殺されたり、寿命を全うしたり。最後までステージに立てる人も、死んでから発見される人も。
でも「人の行方はやがては銀河」なんだよ。
またどこかで会えるはず


会場は「夢のちまた」
とてもいい雰囲気で。
アンプから歌もギターも出すってことで、どうなるかな?と思ったけど。
こういうイベントにOKをだす小屋の主人が、悪い音を作るわけがない。
僕の不安定な歌とギターをきちんと増幅してくれた。

ライブはいいスイッチが入り、表現したいことが割とできた。ミスはたくさんあったけどそれはそれ。

「歌が好き」「歌うのが好き」だと思ったことはない。でも37歳で人前で音楽を始めて細々と続けてこれたから、こんな意味のあるイベントに出ることができた。よかったなぁと素直に思う。

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