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古びた時により美しくなる自然素材を使う

数年前に自分で作った革財布を、久しぶりに使おうと思い修理をしました。
壊れた金具を取り替え、切れた縫い糸を撤去して新しく縫い直す。
ところどころ汚れてしまっていますが、それも良い味になっています。



普段から色々な素材を使い加工を行いますが、経年変化によるエイジングには敵わないなとつくづく思います。
綺麗な状態から毎日使っていたので、愛着も湧いてなおさらです。

最近耳にして、とても気に入ったのでHPにも掲載しているのですが

「古びた時により美しくなる自然素材をつかう」

というフレーズがあります。

僕は新しいものも好きなのですが、物を作る時には「長く使えるかどうか」という視点を大事にしています。

どんなに耐久性に気を配っても、経年変化は必ず起こります。
なので経年変化を避け、長期間同じ状態を保つことだけでなく、経年変化を愛でながら愛着を持って使えることのどちらも大切だと考えています。

どうせ痛むのなら、美しく古びて欲しいですし、この革財布のように傷んでも長く使えると嬉しいなと思っています。

金属を精製する際にはたくさんのエネルギーがいるので、エコだというわけではありません。
耐久性を上げるために様々な薬品も使いますし、表現のために短期的な視点で仕様を選ぶこともあります。
ただそれでも長く寄り添い、共に歳を取ることのできるモノの魅力を感じて頂けたらな、という思いでものづくりをしています。

画像は工房にあったアンティークのものと一緒に並べてパシャリ。
脂のたっぷり入ったヌメ革なので、とても手触りも良く、まだまだ活躍してくれそう。

いつもお読み頂きありがとうございます!