冬の工房は寒い
寒さが緩むと工房に滞在する時間が増える。
鉄に囲まれた工房の底冷えは何年経っても慣れない。
毎年、年末年始に体調を崩していたので、今年のように冬の工房で静かに仕事をするのは初めてかもしれない。
妻を職場に送り、子供を保育園に送り、コンビニで温かいコーヒーを買って工房に入る。
体と工房を温めながら今日の工程をざっと確認する。
小さな子供のいる僕にとっては1日のうちで最も静かでホッとする時間。
1人で使うには広すぎるかなと思っていた工房も、3年も経てば雑然としてくる。
使わなくなった工具には油と埃が混ざったものが積みあがっている。
汚いので掃除をしたいけど、見て見ないフリをしておく。
鉄を加工する甲高い音が鳴り止むと工房は静寂に包まれる。
外の世界から隔絶されたような、このひっそりとした瞬間が好きだ。
冬の寒い朝は特にひっそりとしている。
暖かくなったら家族でたくさん出かけようと思っている。
それまでもう少しこの寒い工房で頑張ろう。
春はもうすぐ。
毎日顔を合わせる同僚や上司もいないので、自分の体調や季節の変化ばかり敏感に感じるようになりました。「寒いですねー」という何気ない挨拶が懐かしいです。
いつもお読み頂きありがとうございます!