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真鍮のエッチングについて(15/100回)

真鍮エッチング看板(フレームはアイアン)



エッチングは薬品で金属を溶かし、文字や図柄を印字加工する技術です。

金属をシートや塗料でマスキングし、印字したい部分はマスキングを剥がして金属を露出させます。

その状態で金属を薬品の中に入れると、マスキングされていない部分だけが溶けて印字されます。

エッチングされた真鍮板




とても細かい表現が可能なので、手描きの線をそのまま金属に印字することもできます。

薬品の中に入れた金属は、液温にもよりますが1時間から2時間かけてゆっくり溶けていきます。

長く浸ければその分深く印字されるので、溶け具合を細かくチェックして良いタイミングで引き上げます。

エッチング液に漬け込む



また液温によっても溶けるスピードが変わります。

適温である40°前後の温度をキープしつつ溶け具合を確認するので、つきっきりの作業になります。

最後にマスキングを剥がす時に、綺麗にエッチングされているかどうかが判明するので、最後の最後まで気が抜けません。

マスキングが甘ければ印字の線が乱れてしまいます。

また溶け具合を見誤ると、印字が薄く立体感のないものになりますし、逆に深すぎても細かい表現が出来ません。


細かいかすれまで印字されています



印字が完了した後は、凹んだ部分を燻し液で黒くします。

そうすることでより立体感が出たり、印字部分を引き立たせることができます。

最後に表面をヤスリがけしてマットな質感を出したり、アンティークのような古色仕上げを施して完成。

アンティーク仕上げ
古美仕上げ



真鍮は経年と共に色が濃くなり、味わい深い変化を見せてくれる金属です。

鉄の錆のように変化を楽しむこともできますが、クリア塗装をすることで初めの金色の輝きを維持することもできます。



エッチングはとても手間はかかりますが、趣のある仕上がりになるので、高級感や重厚な雰囲気を出したい場合にはぜひお勧めしています。


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サニーサイドスタジオ 高嶋洋和
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