偉大なジャズメンの8分音符のSwingのさせ方
前回の記事でSwingの最重要ポイントはな
8分音符のニュアンスだと書きました。
今回は、偉大なレジェンド達の
8分音符を聴き比べていこうと思います。
まずは、ジャズの最初の巨人
ルイアームストロングと
デュークエリントンの共演の映像から
ここでは、ビバップ革命以前の、素朴なジャズの時代(メインストリームと呼ばれていた)
1920-30年代に成立したジャズの8分音符リズムのニュアンスが聴ける。
拍の頭に若干の重さを置いて、8分音符自体は
イーブン気味に演奏されるオン'ビート(ビートの真上で)のリズム。
これは、とても自然なビート感で、
勢いよく前に進むスイングの躍動感が
でていますね。
もうひとつ、同時代の偉大なサックス奏者
コールマンホーキンスの有名な
『Body and Soul』を聴いてみましょう
ここではバラードテンポのため8分ではなく16分音符だけど、'オン'ビートのイーブンに近いニュアンスで演奏されているのがはっきり分かると思います。
これはジャズのリズム感の基本となる
ニュアンスなのですが、
もし今の時代にこのニュアンスでしか演奏できなければ、とても古い時代の
美学にこだわっていると見做されるでしょう。
なぜなら、1940年代に起きた
ジャズの革命(音楽史上の革命ともいえる)
ビバップの誕生をもって、
この素朴なビート感だけで良かった時代は
終わりを告げました。
新しい音楽的な挑戦が、同時のニューヨークの若手ジャズミュージシャン達によって
創り出されたからです。
ここから先の記事では
そのビバップ革命が起こした
2つのリズムの変化について述べていこうと思います。
ビバップの誕生によって、
それまでの、素朴なブルースに影響をうけたら西洋音楽のハーモニー+オンビートのリズム
に、革命がもたらされました。ハーモニー、メロディの上では9th、11th、13thといったテンションノートの使用、不協和音の積極的な導入など大きく即興演奏の幅が拡がったのですが、
リズムの面でも、大きな変化がありました。
それは
①8分音符の演奏のされ方の変化
②キューバ音楽などアフリカ起源の
リズムの影響などが挙げられるわけですが、、
スタンダードナンバー
『サヴォイでストンプ』
Stompin'at the Savoyを題材に
スイングスタイルの
Teddy Wilson(1912-1986)
とビバップスタイル
Red Garland(1923-1984)
で8分音符のニュアンスの違いを
聴き比べててみましょう。
いかがでしょうか?
8分音符の'粘り'が、Red Garlandの方が
より強く、8分音符の裏の部分が強く演奏
されているのがわかるでしょうか?
さらに、当時隆盛を極めていたリズム&ブルースやゴスペル音楽の影響を受けて、
様々なタイプの8分音符のニュアンスが
生みだされました。
ここではそのうち3つのタイプを
紹介します。
ドラマー視点での私の解釈を
お伝えしたいと思います。
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