霊園が経営破綻!潰れたら遺骨はどうなるの?
こんにちは。東京都北区の霊園『サニープレイス福壽園(ふくじゅえん)』にて樹木葬コンシェルジュを務めております、NPO法人 大樹の輪の五十嵐です。
北海道の納骨堂が経営破綻してしまったというニュースが、ちょっと前に世間で広まりました。大事なご遺骨の埋葬先(預け先)が潰れしまうなんて、一大事です。今回は、霊園が潰れてしまったらどうなるの?というトピックについて掘り下げて書いていきます。
霊園の経営には自治体の許認可が必要
まず、日本で霊園を経営・運営するには必ず自治体(正確には都道府県知事・市区長)からの許認可を得る必要があります。これは昭和23年に制定された「墓地・埋葬等に関する法律」によって厳格に定められています。
国民の宗教的感情に適合すること、公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障を生じないこと、および経営主体の適格性(墓地の永続性・安定性の確保)等の観点から、審査が設けられています。許認可なしに霊園経営はできません。
「株式会社」は経営主体になれない!
当然ですが、墓地は激戦区のラーメン屋のように簡単に潰れてしまっては困ります。供養は永く続くもの。「永続性」という観点が非常に重要です。そのため、営利を追求する株式会社が霊園経営の許認可を得ることはできません。経営主体は、永続性の見込める「地方公共団体」「公益法人」「宗教法人」に限られています。
霊園の健全な経営を確保するために霊園経営は営利を追求しない公益的事業として運営されるべきであるとの見地から、経営主体になれるのは上記のいずれかの組織・団体になります。
それにプラスして、経営基盤が安定していることや宗教法人としての活動実績があること等の基準が求められます。
なぜ霊園が経営破綻してしまう?
前述の通り、霊園の経営主体には永続性が求められるので、潰れることがないように思えます。しかし、先日の北海道の納骨堂のように破綻してしまうところもあります。なぜなのでしょうか。
理由のほとんどは、「お金」にあると言っていいでしょう。お金が無くなれば、(2007年に財政破綻した)地方公共団体や宗教法人であっても潰れます。
由緒正しいお寺さんであっても、当然お金がなければ存続は出来ません。ビジネスの世界です。営利を求めすぎる財務体質・多事業展開での資金難等で破綻してしまう可能性は大いにあります。
埋葬された遺骨は墓埋法によって強力に守られる
霊園が破綻してしまったら、埋葬されたご遺骨はどうなってしまうのでしょうか。
ご遺骨は、前述した「墓地・埋葬等に関する法律(墓埋法)」によって守られます。これは非常に強力な法律で、第三者が遺族の許可なく勝手にご遺骨を掘り返したりすると、「墳墓発掘罪などの刑法(第188条ないし第191条)に触れる犯罪となり、刑事罰となります。
万が一、霊園が潰れてしまったとしても、埋葬されたご遺骨が勝手に掘り起こされてしまうということは(墓埋法がある限り)ないでしょう。
墓地として存続はするが経営主体が変わる
つまり、墓埋法がある限り、墓地であることに変わりはありません。ですが、破綻した経営主体は別の主体へ引き継がれます。許認可を出した自治体の管轄になるか、別の公益法人・宗教法人へ移る可能性もあります。
それが、墓地の契約者様にとってどんな不利益があるのか?一番は、管理状況がガラッと変わってしまうということです。契約当初はお花が綺麗に咲いていた美しい霊園だったのに、破綻して経営主体が変わったあとはお手入れ等は全然されなくてさびれてしまった、等です。または新しい宗教法人から高額のお布施を求められるようになるなど、破綻してしまった霊園では耳にするケースです。
霊園選びの際には経営主体をしっかりチェックしましょう
選んだ霊園が破綻してしまったらたまったものではありません。霊園選びの際は経営主体を良くチェックしましょう。
民間霊園とうたっているところでも、実際の経営主体は宗教法人であることがほとんどです。どのようなお寺さんなのか実際に見に行ってみるのもいいでしょう。どのような想いで霊園の経営をはじめられたのか、お話を伺ってみるものいいかもしれません。
また、営業を受けている際に「この霊園が潰れたらどうなるんですか?」とストレートに質問をぶつけてみるのもいいでしょう。答えを濁されたり、あいまいな答え方の霊園は、やめておいた方が無難です。
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サニープレイス福壽園(ふくじゅえん)
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