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【アップスタート UPST】
■AIを活用して迅速に個人向け融資を実行
アップスタートは、クラウドからAIを駆使して個人に融資する会社です。小口融資が大半で、マイホームの改築や結婚式の費用など、個人のライフ・イベントに絡む一時的な出費を工面するようなケースで活用されることが多いです。
アップスタートのAIは、ローン申請時の質問票や過去の銀行の取引実績、現在の生活費、同じ会社にどのくらい勤めているか、教育、クレカの支払い状況など、さまざまなデータを総合し、71%のケースにおいて即決で融資を実行します。
■企業概要
アップスタート(UPST)は無担保小口消費者ローンのマーケティング企業です。ポイントはAIを使用してローンの審査をしています。
1回の融資額は10万円~500万円ぐらいの結婚式や家のリフォームに必要なぐらいの小口融資です。
アメリカでは無担保小口消費者ローンビジネスというのは盲腸のような存在で、誰もしっかり掘り起こそうとしていません。なのである種の「隙間ビジネス」と言えると思います。
貸付金利は借り手の信用度によりますが6~35%です。無担保&クイック審査なので金利は高いです。
アップスタートは銀行ではなく、マーケティング会社なので、実際の貸付けはニュージャージー州にあるクロス・リバー・バンクという地銀が行います。
アップスタートが行っているのは顧客を見つけて、審査をして、ローンを組むところまでです。そしてクロス・リバー・バンクから固定フィーを得ています。
つまり、通常の銀行は顧客にお金を貸して金利で儲けますが、アップスタートの場合は顧客がローンを組んだ時点でその駄賃に対する固定フィーを受け取って儲けるビジネスです。だからアップスタートは貸倒れリスクは負いません。
■アップスタート(UPST)の抱えるリスクについて
先ほど説明したように、アップスタートは貸倒れリスクを負いません。ローンを証券化して投資家に販売することもしています。その場合は機関投資家がそのパッケージ化されたローンのリスクを負います。
一見すると、アップスタートは何のリスクもないように見えますが、今後焦げ付きが増えてクロス・リバー・バンクや機関投資家が損すれば、ローン審査を厳格化してくれと注文がつく可能性もあります。
現在は市中金利も低く、経済も回復途上にあるので低リスクで貸付けを行える状態です。しかし、今後経済回復して無謀な借り入れが増えれば、お金を返せずに失敗する個人もたくさんでてくると思います。今はその時ではないですが、そうなれば信用リスクが顕在化してくると思います。
また、アップスタートのパートナーであるクロス・リバー・バンクは2006年にできたばかりの小さい銀行です。よく調べてみるとこの銀行はアファーム(AFRM)やコインベース(COIN)などの新手の企業をパートナーにしています。
つまり、アップスタートとクロス・リバー・バンクの間で何も問題が起きなくても、他の企業との間で何かあれば、とばっちりでアップスタートもポシャるリスクがあります。
株価とチャート