「もうイッちゃったの?」というような「早漏経済」に気をつけよ!
■FRBメンバーによるGDP予想
3/17のFOMCで経済予想サマリー(SEP)が示されたとき、今年のGDPは12月の予想4.2%が今回は6.5%に情報修正されていました。
これは、どえらい数字です。僕は1988年にアメリカ来て、それ以来GDPの数字は丹念に追いかけているけれど、こんなすごい数字は見たことないです。
それもそのはず、GDP成長率で6.5%というのは1984年以来最大の数字です。
ただし……ここからが重要……今回6.5%というコンセンサスが出た背景として去年は1年間を通じて前年比−4%以上GDPが落ちこんだので、その反動で急成長したという側面があります。だから経済が普通に戻れば、2022年以降のGDP成長率も自ずと巡航速度へと戻ってゆく訳です。
その巡航速度とは2%から3%前後の成長ということです。
SEPによると2022年以降の予想は前回とそれほど変わっておらず、このリカバリーは新型コロナワクチンの接種をきっかけとした経済再開の一時的な現象であり短命に終わるとFRBメンバーが予想していることがわかります。
そういう一過性の急成長ということをFRBは良くわかっているので、FRBメンバーの多くは「FFレート動かす必要なし」と判断しているのです。
■直ぐに意見を変える勇気を持ちなさい。
すると我々投資家が戒めなければならないのは6.5%という非常に強いGDP成長予想の数字に踊らされて、無駄に米国経済に対して強気の相場感を抱きすぎることです。
実際には米国経済は極端に酷い状況から普通の状況に戻ろうとしているに過ぎず、新しいバラ色の経済の局面がこれから始まるのではないということです。
株式市場で言えばいまは工業株、素材株、消費循環株、などが人気になっており、逆に急成長株は売られています。
このバリュー相場がどこまで続くか?ということが気になる訳ですが、今回は景気の切り返しが極めて短期間の間で起きているだけにバリュー株の天下も短期間で終了してしまうリスクがないとは言い切れないのです。
株は「先へ先へ!」と未来を織り込む習性があります。2021年は、もう未来じゃない!そろそろ2022年、2023年に注意を払うべし!
(なんだ、フツーじゃん?)というリアクションが…正しい感想。
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