【自ら仕事を生み出す】人生はじめての売上は50円でした。
現在無職の私は、なんとかして仕事を生み出し、生活のためにお金を作らないとこのままでは生きていけない。(会社員になることは考えていない)私は、今までゼロ→イチを達成したことがなかったし、
雇われる身としてお金を稼ぐことしかしたことがないと思っていた。
しかしわたしのルーツは、(ルーツは言い過ぎかもしれないが)父も母も自営業、父方も母方も、おじいちゃんたちは自営業。さらに、父の弟も、母の兄も自営業。まさに商売人の家系で育った。
「自分で稼ぐ」ということを考えるにあたり、自分の家族の商売について考えたり、自分の過去について考えたりしていると、とある記憶が蘇った。
それは、たしか、小学校低学年のときだったとおもう。海から徒歩30秒のところに住んでいた私は、堤防があそび場だった。堤防の近くには空き地があり、そこに秘密基地をつくったり、虫を捕まえたり、草をすりつぶしておままごとをしたり。。。とにかく、堤防に集まって、妹や友達といつも日が暮れるまで遊んでいた。
ある日、とある植物に出会った。それは「ごんぱち」と呼ばれていた。たしか、空き地付近でそれを摘んでいるおじちゃんかおばちゃんがいて、
「なにしやるん?」って聞いてみたら、
「ごんぱち採りやるんやで。たべれるんやで」って教えてくれたんだったとおもう。(記憶があまり定かじゃない)
それからわたしと妹も、「ごんぱち」を収穫してみることにした。そして、商売人の血筋がそうさせたのか、わざわざ採りに来るひとがいるってことは、売れるんじゃないか?とおもった私と妹は、収穫した「ごんぱち」を、販売することにした。
もちろん小学生低学年の私たちは、マルシェに持ってくでもなく、スーパーに卸すでもなく、物産展に持っていくでもなく、空き地のすぐ横の堤防で、ゴザを敷いて、採れたての「ごんぱち」を並べた。
「ごんぱち、いかがですかー!!」
「ごんぱち、おいしいですよー!!」
どこで覚えてきたのか、大きな声で、呼び込みもした。
時間は夕方にさしかかり、もともと人通りの少ない堤防は、たま〜にお散歩をしているおじいちゃんおばあちゃんが歩いているくらいだった。
たしか、初日は売れなかったと思う。
「ごんぱち」なんて食べたこともなければ、今日知ったばかりのその辺に生えている草が、売れるはずないと今の私なら思うだろう。でもなぜかあの頃の私は、このただで手に入る「ごんぱち」で一儲けしてやろう!と思っていたのだ。
初日に収穫した「ごんぱち」は、アクがキツすぎて食べられなかったとおもう。(この辺も記憶が曖昧)翌日、それでも売りたい私と妹は、また収穫に出かけ、ゴザを敷き、店を構え、代わる代わる「ごんぱちの店番」をした。そしてついにその時が来た。
「おじょうちゃん、ひとつおくれ。おいくらかな?」
お散歩していたおじいちゃんが、「ごんぱち」を買ってくれたのだ。
ゴザに並んだ「ごんぱち」には、値段がなかった。並べることで手一杯の私たちは、値段を決めていなかったのだ。
「・・・・50円です」
私が言ったか、妹が言ったか、その「ごんぱち」は50円でおじいちゃんの元に引き取られて行った。
「ありがとうございましたー!!!!!!」
こうして、横の空き地で摘んだごんぱちが、50円になった。
急いで家に帰り、お母さんに報告。
「えええええ?!そのおいちゃんどこいったん!お金らもろたらあかんのちゃう?!!」
と50円を返そうとおじいちゃんを探しに行ったが、もういなかった。
その日以降、「ごんぱちの路上販売」はしなかったが、自分で収穫し、それを並べて販売するという「商売」をしたのは、その時が人生で一番最初のことだった。「売れる体験」は、ちょっと怖くて、ちょっと恥ずかしくて、めっちゃ嬉しかった。
もちろん、「小さな小学生がお店屋さんごっこをしていておもしろいし、可愛いから買ったろか」と大人が成功体験をさせてくれただけにすぎないだろうと思う。でも、それが私の中での初めての商売で、「自分でお金を稼ぐ」を体験をした一番最初のできごとだった。
今、大人になって、できることが増え、知識が増えるとともに、なにをするにもリスクとか体裁イメージとか、いろんなことがちらつようになった。挑戦はいつでもいろんなリスクを伴う。あの人にどう思われるだろうか、馬鹿にされないだろうか、うまくいくだろうか、やめといた方がええんちゃうか。
でもわたしは、あの頃、何も考えずに「売りたい」の気持ちだけで、「ごんぱち」を並べた。大きな声で、お客さんを呼んだ。
今の私に足りないのはそれだ。何も考えずに挑戦する、飛び込む勇気。
(もちろん色々考えておくべきことはたくさんあるけど)
考えて考えて、何も始めないのだけは違うから。
これだけ考え抜いて、何も行動しないのは、マジで時間の無駄だから。
この記事は、決意の記事でもある。
わたしは、小学生のわたしに、負けない。
※「ごんぱち」は方言らしく、「イタドリ」っていう山菜だったみたいです。
サムネはフリー素材のごんぱちです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
駆け出しWEBデザイナーのハルです。書くことも好きなので、noteでは、文字でいろんなことを表現しています。書くお仕事もやってみたいな。
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