世界を変えられない僕を 世界も変えられはしないだろう
9階の病棟からは富士山が見える
オレンジいろに染まる青空に
シルエットがくっきりと浮かび上がっている
先程まで雨が降っていたことを忘れるほど あざやかだ
ぼーっと眺めていると、
あっという間に光は
ビルの影に落ちていく
だんだん空が暗くなる
夜はもうすぐそこに
いい時間帯だ
昼でもないけれど、夜でもない
長くは続かない時間が過ぎていく
まもなく日が暮れる
濃いブルーに染まる
歌えなくなったティーンエイジブルースが
夕焼け色に包まれていく 踏切のバーの向こうから
確かに聴こえるんだ
西の空 火をつけた
犯人は見つからないままだけど
当たり前みたいな 奇跡みたいな 魔法のような
笑った顔の君をいつも思い出してしまう
「ティーンエイジブルース」