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「先生,私,ふしぎに思っていることがあるんですけれど…」

「先生,私,ふしぎに思っていることがあるんですけど…」
先日,小学4年の児童が話しかけてきました。

「ふしぎに思うことって何?」
と尋ねると,
「あのね,先生,みんなはどうして『ハリーポッター』を読まないのかな?
すごく面白い本なのに。漫画ばかり見て,本を読まない。私は,ふしぎに思うんです」

「Aさんは,ハリーポッターが好きなんだね。私も,『ハリーポッターと賢者の石』を読んだとき,すごくわくわくしたよ。でも,ハリーポッター,後半の本になると,人が死んだりして,ちょっと怖くなるよね」

「人が亡くなるから、怖いかもしれないけど,ストーリーの一部で,それを含めて,展開の面白さがあるんです」

「なるほど…」

Aさんの読みの深さに驚きました。そして,Aさんが本の楽しさを語り合える場があったらよいなと思いました。
 
数日後,何気なくインスタを眺めていたら,ある喫茶店で行われる「読書会」の記事に,目が留まりました。前から,読書会には興味があったので,参加してみることにしました。
 
当日,会場には,8名の参加者と「本のソムリエ」のSさん、計9名がそろいました。Sさんの司会で,和やかな雰囲気の中,一人ずつ,本を紹介していきます。
 
それぞれ趣向を凝らした本の紹介で,山形弁で詩を朗読するなど,聞いているだけで楽しくなりました。紹介されたすべての本を読んでみたくなり,どの本から読むか迷ってしまうという、贅沢な悩みが生まれました。
 
一人の話が終わる度,司会のSさんからコメントがあり,さらに鑑賞が深まりました。Sさんが,8人の「本の紹介」という花を、彩り豊かなブーケにまとめているような,本当に素敵な時間でした。
 
さて,私は,原田 マハさんの「本日は、お日柄もよく」(徳間文庫)を紹介しました。初めての読書会で緊張しましたが,みなさんが,うなずきながら,温かく聞いてくださったので,途中から緊張がほぐれていきました。
 
本の紹介は,ある意味、「自己開示の場」ではないでしょうか。自己開示には,心を開ける「安全な場」が必要で,話を聞いてあげる人が,温かく受け入れてあげることが大切と感じました。 
 
このような読書会に,小学生のAさんも参加できたら,どんなにか喜ぶだろうと思いました。小学校には図書室があるので,図書室を会場にして,「小学生版読書会」を考えているところです。

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