長年の親友を失うことの悲しみ 訪問介護士@オーストラリア
アメリカ ワシントン大学のHolmesらが1968年に開発した、ストレスランキングとされる社会的再適応評価尺度によると、「配偶者の死」がライフイベントの中で最もストレスが大きい出来事。そして、親友の死は17位に位置しています。
98歳のLさんは、一緒に小学校に通っていた90年来の大親友がいらっしゃいました。お互い身体が不自由になっても、頻繁に電話で話をし、カードを送りI、遠くに住んでみても年に1回は会うような関係でした。その親友がつい先日、がんが見つかり、あっと言う間に亡くなってしまったのです。その落ち込み様と言ったらありませんでした。
98歳ともなると、何度も死別を経験しています。それまでも多くのお友達を亡くされていますし、旦那さんや息子さんにも先立たれています。でも、そんな時いつも支えになってくれたのが、その親友でもありました。
生きてきた時代を共に駆け抜け、悩みも喜びも語り合い、その歴史を互いに知っている人であり、子どもたちにも言えないことも話してきた友を亡くした時の悲しみを周りの人はどう受け止めたらよいのでしょう。
グリーフケアを学んで、高齢者で自分から外に出られない方の場合、同居している家族や、頻繁に訪れる家族の他に、定期的に会って生活を支えたり、話を聞いたり、触れたりできる介護士は、グリーフケアにおいても重要な立場だと再認識し、身が引き締まる思いです。