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インディーのボードゲームデザイナーが毎年ボードゲームを作る方法

こんばんは、Sunnyです

気づけばボードゲームを作り始めて4年目となりました。
私はインディーで、めちゃくちゃ売れてるわけでもないですが、考えて続けてきたからこそ認知も増えてきて、様々なつながりも生まれてきました。(本当にありがとうございます!!)

なので、今回は続けてきたお話を、まとめてみます。
振り返ってまとめて、今後ボードゲームを作りたい人の何かのヒントになればと思い書き記します。


今までの作品

Wacryll(2018):2人用アブストラクトゲーム
STREET PICKPOCKETs 7(2019):カードゲーム
鍋代官(2020):パーティゲーム
いんときゅーぶ(2020):2人用アブストラクトゲーム

そして今5作品目を鋭意制作中です。大体年に1作品を作っています。各ゲームの詳細はこの場では割愛します。


なぜボードゲームを作るか

そもそも、なぜボードゲームを作るのでしょうか?これは人によって多分違いますが、僕の場合、作ることが好きだからです。

作っている中で立ちはだかる難題を解決しようと頭を悩ませてる時間が好きなのです。その中で点と点がつながって線になった、みたいな、ピースがバチっとハマった瞬間を体験したのが原体験です。

きっとこれはボードゲームじゃなくてもあるとは思います。しかし、それでもボードゲームを選ぶのは、ボードゲームを通じて得られた楽しさが忘れられないからです。

そういうボードゲームを遊ぶ楽しさをお届けしたい、そんなことを考えて作っています。


どうやってボードゲームを作るか

そんな中、どうやってゲームを作るかを以下に記していきます。
僕は、ゲームを作ろうという意思を持って作っているので、気づいたら降ってくるパターンはあまりありません。なので、そのボードゲームを作るという一番最初の発想法について書いていきます。

僕はこんなことを起点としてゲームを作っていますよ、という振り返りです。何かの参考になればと思います


システムから作る

僕の作品で言うといんときゅーぶがこれにあたります。

例えば、2人用アブストラクトを作ろう、という形です。他にも、ワーカープレースメントのゲームを作ろう、とかドラフトのゲームを作ろうとかそういうのが考えられます。特に、○○×○○のゲームが作りたい、とかはまさにこれに当たると思います。

この発想のいいところは、軸がしっかりあるところですね。最終的なゲームの形があるので、やりやすいのではないでしょうか。

ただ、この発想の難しさは「新規性」を求められやすいことだと思います。
既定のジャンルもしくはその組み合わせを採用したときに、既知のボードゲームとどう違うのかというのが比較されやすいです。
ファクトチェックもしやすいので、しっかりと調べてユニークなところを言えると良いなと思います。


コンポーネントから作る

僕の作品で言うとWacryllと鍋代官がこれにあたります。

こういうコンポーネントから作ろう、というのがスタートです。Wacryllではアクリル素材、鍋代官では鍋を起点としています。他にも、木ゴマを使いたいとか、サイコロを使いたい、など色々あるかと思います。

もっと深いところだと、●●社のこの印刷が良い、みたいな好みもこのジャンルに該当するかと思います。

この発想のいいところは、モチベーションを保ちやすいというのがあります。なんてったって使いたいコンポーネントが先行しているので、それに合ったシステムを考える(引っ張ってくる)だけでゲームになります。完成までの距離が短いので、モチベーションが維持しやすく、形になりやすい発想だと思います。

さらに、そのコンポーネントが目立てば目立つほど作品も目立ちます。

デメリットは、なぜそのコンポーネントなのか、システムと合致しているかなどの「整合性」が求められるところです。自分の中でストーリーを語れると強みが活きると思います。


シチュエーションから作る

僕の作品で言うと鍋代官がこれにあたります。

これは最近身に付けた手法で、結構この作り方にハマっています。笑

どんな手法かというと、日常にあるワンシーンを切り取ります。そのワンシーンにある会話や動作の中で、面白かった「くだり」をメモしておきます。そして、それを読み返しながら、これってゲームにできそうだなというのを考えます。
鍋代官では「鍋をよそい合う」というワンシーンを切り取っています。そして、「先輩、鍋よそいますよ?!何食べたいです!?」みたいな後輩感で先輩に忖度するという「くだり」をゲームにしています。

このやり方は、コントの東京03のやり方に近しいでしょうか。シチュエーションの「あるある、こんな感じ!」という共感と、主に角田さんの「誇張した表現」は絶品です。

他のゲームを参照すると、ニューヨークスライスもっとホイップを!のゲームのシステムはまさに、このシチュエーションの面白さだと思います。(平等にピザやケーキを切り分けるが、切り分けた人は最後にそのピザやケーキをもらう。つまり、自分が有利に切り分けると相手にも有利になるので、極端な切り分け方はしない)

この発想のいいところは、上にも書いた「共感性」です。ゲームに「あーあるある」という面白さを凝縮できれば、そのゲームの面白さとイコールになります。そして、実際のシチュエーションから引っ張ってくれば、共感性は必然的に高くなります。

デメリットは、評価が主観的になりやすい点でしょうか。そのシチュエーションの面白さや共感性の高さは、シンプルに自分の経験に依存するので、それが普遍的かどうかのジャッジが難しいと思います。
つまり、この手法の場合「客観性」が非常に求められると思います。



おわりに

さてこの4年間で積み上げた手法を大きく3つ取り上げました。他にももちろんありますので、ぜひいろんなものを参考にしてください。
他にも今後は色々手法を模索していくので、わかり次第まとめます。

ボードゲームを遊んでいたら作りたくなるのは結構自然な流れなので(特に同人ボードゲームが多い昨今)何か作る人が増えればいいなと考えている次第です。ぜひあなたの発想法を教えてください。

こういうまとめも、たまにはいいかもしれません。もっと手法を共有していきたいなぁと思っています。


それでは、また。


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Sui Works
札幌出身、福岡育ち、東京住みのSunnyと申します。 働きながらボードゲームデザインをしています。いただいたご支援は、ボードゲームデザインに使わせていただきます。