デザイン考察:江戸川区の温泉「江戸遊」にめっちゃお金を使っちゃう理由
こんばんは
Sunnyです。
先日、東京都江戸川区にある江戸遊に行ってきまして、すごくいい体験だったので、考察します。
江戸遊とは?
東京都江戸川区にある公衆銭湯です。
https://www.edoyu.com/ryougoku/
2019年オープンの比較的新しい銭湯です。
システム
要は銭湯なので、入り口に入ると外靴をロッカーに入れて入場します。
メニューを選んで受付を済ませて、後は好きなようにという感じの流れになります。メニューを選んで受付を済ませて、後は好きなようにという感じの流れになります。
そして、この江戸遊の基本システムは、最初に外靴を入れたロッカーの鍵になっています。ここがミソ。
この鍵に入っているICチップを個人に割り当てて、江戸遊内での決済に利用します。
江戸遊内で使ったお金は蓄積して行って、退館時にまとめて支払うと。
自動販売機や食堂にICチップを読み込む機械があるので、そこに自分のICチップをかざすことで、お金をその場で払うことなく商品を手にすることができます。
これ、温泉体験のアップデートやん!とすごく感動しました。
めっちゃ気持ちよくお金払える
この一言に尽きるんですが、考察していきます。
基本的に温泉って、裸なんですよ。強いて言うならロッカーの鍵以外は身につけていない状態です。
これはよくある光景ですね。
で、お風呂に入り、あがると。
そうなると、汗もかくから飲み物を飲みたくなりますね。
ここで、今までの日本文化が育成してきた風呂上がりに牛乳やコーヒー牛乳を飲むという文化が活きてくるのですが
風呂上がりにすぐに飲みたい!となっても基本的に裸なので一度ロッカーに戻って財布を取り出してお金を入れて、という一般的な行為が、他の銭湯では当たり前です。
でも江戸遊では、自分が身につけてるロッカーの鍵をかざすだけで買える。
これってめっちゃ画期的なんすよ。
つまり、めんどくさい行為がなく、スムーズに(シームレスに)自動販売機から飲み物を買える。
これって、ユーザーにとっても経営者にとってもメリットでしかなくて、
すぐ飲みたがってるユーザーにすぐ提供できることで、販売機会の損失を避け、ユーザーのお風呂体験の質が上がる。(だってすぐ飲めるから)
ここがすごく素晴らしいんですよ。
お風呂に来た時のメインってまずはお風呂で、お風呂上がってからの飲み物というユーザーの動きを掴んでしまえば、あとはもうシンプルなんすよね。
食事処で食べるときや飲めるときも同じような形で、鍵をかざすだけで支払いができる。
これ、ユーザーからすると、お風呂に入ってあがってご飯を食べる一連の体験に気持ちよくお金をし払えるんすよ。
プラスの効果で、その瞬間にどれだけお金使ったかわからないので(例えば、自動販売機で100円を出して払ったという感覚がないので)、お金を使ってる意識が低くなる。(仕組み的にはクレジットの後払い)
そして、そこに裏付けするためのアメニティも充実してる。
この積み重ねで、ユーザーは自分が思ったより多くのお金を払っているようになる。
経営者視点では、客単価があがる。
お互いにwin-winの状態だなと思います。
追加して
例えば、複数人で行って割り勘などの煩雑なこともないので、払いやすいとかもあったり
ワーキングスペースが確保されていて、お風呂入ってスッキリして働ける場所があったり
非常に空間の質が高い銭湯でした。
カイジの地下帝国みたいだなーと思ったりもしましたが
テクノロジー(仕組みはシンプルだけど)が日常に溶け込んでいるいいサービスだったと思います。
いわゆる、もの消費からトキ消費になっているという実例を感じることができたのが、とてもよい休日でした。
札幌出身、福岡育ち、東京住みのSunnyと申します。 働きながらボードゲームデザインをしています。いただいたご支援は、ボードゲームデザインに使わせていただきます。